遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

台湾国防白書 中国は台湾本島を占領する能力はまだないけどと

2011-07-21 00:20:35 | EEZ 全般
 台湾が発表(19日)した国防白書での中国の台湾海峡での軍事力について、現時点では上陸用の艦艇や車両が足りず、台湾本島を占領する能力はないとの判断を示すと同時に、装備が充実すれば「台湾本島の直接奪取の可能性を排除できない」と警鐘を鳴らしているのだそうです。
 一方中国では、中国海軍最大級の軍艦(揚陸艦)「井岡山」(排水量1万9千トン)が、上海で進水したと報道されています。南シナ海での上陸作戦に就くとされていますが。
 

台湾、中国戦力を警戒 国防白書 新ミサイルに言及 (7/20 朝日朝刊)

 
台湾国防部は19日、今年の国防白書を発表した。現在の中国の戦力は台湾への全面的侵攻には不十分なものの、相当な圧力となっているとの見解を示した。
 白書によると、中国側では台湾に向けたとみられる戦術ミサイルが1400基余りに達するほか、水陸両用戦車の配備が進み「大規模な攻撃、封鎖と離島占領の能力をすでに備えている」という。ただ、現時点では上陸用の艦艇や車両が足りず、台湾本島を占領する能力はないとの判断を示した。同時に、装備が充実すれば「台湾本島の直接奪取の可能性を排除できない」と警鐘を鳴らしている。
 白書は中国軍が開発を進める対艦弾道ミサイル「東風21D」にも言及。「2010年に少量が生産され配備済み」との新情報を披露した。西太平洋に展開する米空母への脅威になると注目されているものだ。
 昨年の軍事費は台湾の90億ドルに対し中国は770億ドル。中国側には非公表の予算もあるとされる。中国の総兵力は台湾の8・5倍。装備面では、台湾が米国からの購入を希望しながら実現していない戦闘機と潜水艦の劣勢が目立つ。
 白書は「限られた国家財政のもとで中国と軍備競争をすることはできない」とし、小規模ながらも精強な戦力を維持する方針を改めて強調している。 (台北=村上太輝夫)

■中台軍事力の現状

                     中國                台湾
総兵力            230万人           27万人
艦艇              930隻            190隻
 うち揚陸艦      40隻             10隻
   潜水艦       60隻               4隻
爆撃機             300機               0機
戦闘機       1860機           390機
戦略ミサイル    180基              0基
戦術ミサイル  1400基                0基
(台湾国防白書から。数値はいずれも概数)

中国最大級の軍艦、進水

 中国海軍最大級の軍艦「井岡山」(排水量1万9千トン)がこのほど、上海で正式に進水した。中国紙、江西日報(電子版)などが伝えた。全長210メートル。ヘリコプターや装甲車、高速巡視艇などが搭載可能で、千人近い兵士を輸送できるという。香港メディアは南シナ海での離島奪取のための上陸作戦で投入される可能性を指摘している。 (北京"古谷浩一)

 中共海軍最大船艦"井岡山"綜合船塢登陸艦正式下水(3P) - 軍事討論區 - SOGO論壇 ↑我們的論壇,大家的論壇↑

台湾と中国が単独で戦争して、勝負になるとは誰も考えないと思いますが、現時点では台湾本島を占領する能力はないと言わざるをえない台湾の気持ちが、せつなく、いじらしく感じてしまうのは、遊爺だけでしょうか。
 対艦弾道ミサイル「東風21D」にも言及ということは、かつて大きな抑止力であり続けた米の海軍力に対する中国の備えが向上し、太平洋から台湾海峡に達する制海権に米艦隊の力が独壇場ではなくなっていることを暗に示しているのですね。
 
 中国が、最大の軍艦として揚陸艦・井岡山を建造し、南シナ海に配備するとなると、南沙諸島・大平島の台湾空軍施設での局地戦への備えの必要性が高まるということですね。他人事ではなく、尖閣や沖縄での日本の脅威にもなってきますが。
 白書とすれば、米国からの購入を希望しながら実現していない戦闘機と潜水艦を導入することで、局地戦を自前で凌ぐことを目指すと言っているのですね。
 台湾の戦闘機F16A/Bの更新陳情に対する米国の対応が注目されることは以前に触れていましたが、その後の進展の情報にはまだ接していません。
 米国の台湾を護る姿勢が注目される、台湾の戦闘機更新 - 遊爺雑記帳

 中国の軍備拡大のニュースは頻度を増してきています。
 日米豪の同盟強化。ASEAN + 米国の中国包囲網の進展への日豪印の連携強化などで、中国の覇権拡大への牽制と、平和維持のための交渉の後ろ盾の形成が急務です。

 菅政権や民主党まかせでは、国内の難題も荷が重いのですから、とてもアジアの平和への行動は望めない=アジアや世界の国々から見放されおいてきぼりにされることになりますね。

  # 冒頭の写真は、進水した揚陸艦「井岡山」
       余談ですが、米艦隊の揚陸艦(例=エセックス)は、空母の様な外観ですが、井岡山はカーフェリーの様な外観に見えますね。





  ティアレラ・スプリングシンフォニー


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暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?




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