遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

サムスン 李健熙会長の陰を脱皮出来ていない

2015-01-26 23:47:50 | 韓国全般
 李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長が心筋梗塞で倒れてから8カ月が経過し。今月9日に73歳の誕生日を迎えられたのだそうですね。容体は安定しているものの、いまだ意思疎通は叶わないのだそうですが、例年ならグループ会社の幹部を招待し晩さん会を開いていたという誕生日に、今年は、グループ各社で一斉に社内向けの特別番組を放映したのだそうです。
 「サムスンは李健熙氏の会社」と言われる中、李健熙氏の絶対的な「存在感」にあやかり、業績悪化の現状の中、李健熙氏の威をかりて、グループ内を引き締める思惑が垣間見れるとのことです。
 李健熙氏から、後継者と目される長男、李在鎔(イ・ジェヨン)副会長への移行を、厳しい経営環境の中で進めねばならないサムスンの現状を垣間見せてくれる記事がありました。
 

李健熙会長の「存在感」が映すサムスンの今  :日本経済新聞

 サムスングループのオーナー経営者である李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長が9日、73歳の誕生日を迎えた。心筋梗塞で倒れてから8カ月。意思疎通はまだできないが、サムスンは誕生日に合わせて社内向けの特別番組を放映した。足元の業績が悪化している状況で、グループ内を引き締めるために李健熙氏の絶対的な「存在感」にあやかろうという思惑も垣間見える。
<中略>

■毎日、朝夕に病室を訪れて「業務報告」
 ただ、李健熙会長がグループ内で「過去の人」になったわけではない。創業家を除いて最大の実力者とされる崔志成氏は、ほぼ毎日、朝と夕方の2回は病室を訪れている。韓国紙の朝鮮日報は「健康状態のチェックに加え、意識がなくても重要事項の報告義務を忠実に果たしている」と指摘。今なお李健熙氏がグループのトップに君臨していると内外にアピールする意味合いもありそうだ。
 誕生日の特別番組放映など一連の動きは過剰な演出のようにもみえるが、いまサムスンが非常事態に直面していることとも関係がありそうだ。
 
稼ぎ頭のスマートフォン(スマホ)事業は急減速しており、高級機では米アップル、中低価格機では中国メーカーなどから激しい攻勢を受けている。13年12月期決算では最高益を計上したが、14年12月期は一転して9年ぶりの減収減益
(速報ベース)となった。
 営業利益の約7割を占めていたスマホ事業の立て直し、スマホへの依存度引き下げ、大幅なコスト削減――。悪化する業績の改善に向けて、李在鎔副会長や崔志成室長が抱える懸案は難しいものばかり。
あえて新年に闘病中の李健熙会長の存在を喚起した背景には、社員の危機意識をあおり、引き締める狙いもある
のかもしれない。
 「サムスンは李健熙氏の会社」。関係者の心には今もこんな意識が深く刻まれているからだ。李在鎔副会長らが初めて指揮を執った昨年12月の幹部人事は、業績が急速に悪化したスマホをはじめ主要部門のトップが軒並み留任するなど小幅にとどまった。
 その狙いは「まず安定を優先した」(サムスンに詳しい経営学者)との見方が多い。一方で「
正式なトップでもない李在鎔氏が、父を支えてきた幹部を1年間の業績悪化だけで更迭するのは難しい
」との指摘もある。
 権五鉉(クォン・オヒョン)副会長は2日に発表した新年の辞で、「世界経済は不確実性を増す」「競争はいっそう激しくなる」などと、変化や挑戦の重要性を強調した。とはいえ、李健熙会長が例年打ち出してきたものに比べると迫力に欠ける。
 たとえば、李会長の昨年のメッセージは「業界を先導する事業も絶えず追撃を受けて、不振事業には(立て直す)時間がない。もう一度変えなければならない」と強烈に危機意識をあおった。信賞必罰を掲げる李会長のプレッシャーが今までの成長を支えてきた一因だが、
会長不在のなかで勢いが弱まっていることは否めない


 1987年のグループトップ就任から30年弱で、事業規模を約40倍に拡大し世界的な大企業グループに育て上げた李健熙氏の役割を担うのは、並大抵のことではない。経営の最前線に立ち始めた李在鎔氏は、業績悪化に対応しながら事業の継承を急ぐ難しいかじ取りを迫られている。  (ソウル=小倉健太郎)


 決断のスケールの大きさと、実行スピードの速さで、半導体・電子、電機業界のトップを自負していた日本企業を駆逐し世界のトップ企業の一角を占めたその経営力には、負けた悔しさよりも、カリスマ性には感嘆する李健熙氏。
 日本企業がサムスンに追い越された状況が今、中国企業に迫られる立場になり、どのような戦略を産み出して切り抜けるのか、お手並みを拝見出来ないのが残念です。

 カリスマ経営者の後を継ぐ李在鎔氏は、李健熙氏の下で今日を築き上げた幹部を抱えた中での、今日の新局面に立ち向かわねばなりません。
 金正日の後継の金正恩、小渕恵三氏の後継の小渕優子氏等の先代のブレーンへの対処がチラリとよぎりますが、李在鎔氏は、「まず安定を優先した」と言われる、業績が急速に悪化したスマホをはじめ主要部門のトップを軒並み留任させる選択。
 留任するトップに、大きな壁に直面した打開策があり既に着手しているのなら留任して、その戦略を継続してもらって当然ですが、先代のブレーンとは言え、業績悪化の実績が顕在化したら、厳しい経営姿勢だった李健熙氏なら、どのような対処をしたのでしょう?
 それとも、そこで交代できる次の人材が育っていないのでしょうか。
 親の威光を掲げて社内の引き締めを計ろうとしたという自信の無さ、業績より安定を優先させた安全運転の人事。サムスンらしくない、硬直化してサムスンに駆逐された日本の大企業の姿と重なって見えるのは考えすぎでしょうか。

 豊田章男社長は、血縁ではない社長を経た後を継いで社長になり米国でのリコールバッシングを陣頭指揮で乗り切り、世界トップの座を維持しておられます。

 サムスンが迎えた存亡に係る危機をどう克服するのか、日本企業が駆逐されたと同じ道を辿るのか、注目です。

 付録の雑情報ですが、下記リンクは、中国の人たちが、サムスンの近況でつぶやいている声です。ご笑覧ください。
 
サムスンが アップル批判広告、企業モラルなし! - YouTube


 # 冒頭の画像は、昨年の誕生日を祝うグループ企業幹部との晩さん会に出席した李健熙氏






  ウンシュウミカン




政府広報(北方領土問題) - YouTube


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