遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

トランプ大統領 対中貿易赤字より、北朝鮮問題を優先

2017-04-14 23:58:58 | 米国 全般
 トランプ大統領が13日、ホワイトハウス記者団に対し、「習氏が好きになり、尊敬するようになった。彼は特別な男だ。彼は(北朝鮮に)全力で対処するだろう」と述べたのだそうですね。
 「あっと驚く為五郎」(←古い!)
 選挙戦から就任後を通じ、先日の会談まで、対中対立姿勢を露わにしていたトランブ大統領。態度が激変です。あれだけ重視していた対中貿易赤字について、中国を為替操作国には認定しない意向も表明したのだそうですね。
 wsjは、「トランプ氏はこの決定によって選挙公約の柱の1つを破ることになりそうだが、貿易上や地政学上の懸念といった他の喫緊の問題に関して中国に圧力を掛ける「政治資本」を獲得できるだろう。」と評してします。
 対北朝鮮への中国の圧力に、大きく期待し、習近平を"よいしょ"しているのですね。

 
【北朝鮮情勢】トランプ米大統領「問題は処理される」 習近平氏を「特別な男」と持ち上げ 中国の対北影響力行使に自信 - 産経ニュース
 
米、対北で中国に期待感 トランプ氏 貿易問題より優先 (4/14 読売朝刊)

 【ワシントン=大木聖馬】トランプ米大統領は12日、ホワイトハウスでの記者会見で、北朝鮮の核ミサイル開発阻止のため、北朝鮮の生命線を握る中国が「非常に真剣に(協力を)考えようとしている」
と述べ、当面は中国の経済制裁を軸にした対応を見極める姿勢を示した。
 トランプ氏は、北朝鮮の主要輸出品の石炭を積んだ貨物船の入港を中国が認めなかったことを挙げ「大きな一歩だ。中国はほかにも多くの措置を講じる」と期待感を示した。トランプ氏は13日、「中国が北朝鮮に適切に対処する強い自信がある」とツイッターに書き込んだ。
 トランプ氏は12日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)とのインタビューで、中国の協力を得ることについて「(貿易)赤字を抱える価値がある」と述べた。大統領選中から問題視してきた
対中貿易赤字より、北朝鮮問題を優先
する姿勢を明確にした。
 ただ、トランプ氏は
「(中国の措置が)効果的でなければ我々が効果的なことをする」と改めて強調
。米政府当局者は同紙に対し、中国が協力しない場合は、北朝鮮と取引のある中国の企業や金融機関なども制裁対象にすると語った。
 トランプ氏は、習近平・中国国家主席と12日に行った電話会談で「米国には空母だけでなく原子力潜水艦があることを金正恩氏に伝えてほしい」と要請したという。ただ、米朝関係筋は同紙に、北朝鮮への軍事行動は「あくまで最終手段だ」と語った。
 軍事的圧力を高めて北朝鮮の心理に影響を与え、本来実行したいことを自制させたり、本来実行したくないことを実行させたりする
トランプ氏の「強制外交」(米政治専門紙ザ・ヒル)が奏功するかどうか、今回が試金石となりそうだ。

 WSJのインタビューでは、「中国の協力を得ることについて、(貿易)赤字を抱える価値がある」と述べたのだそうで、大統領選中から問題視してきた対中貿易赤字より、北朝鮮問題を優先する姿勢を明確にしたのだそうです。

 米国本土に到達する、核爆弾搭載のICBM開発が進み、完成の可能性が見えてきたとされる今、完成前に開発を阻止することが、米国大統領に求められる大きな課題です。
 かつてソ連がキューバにミサイルを持ち込もうとしたとき、ケネディ大統領は毅然とした素早い行動で阻止し、絶大な支持を獲得しました。
 トランプ大統領も、空母打撃群の複数体制という臨戦体制を誇示し、圧力をかけていますが、相手は国際外交の経験はなく、親の威光を頼りに、井の中の蛙での独裁政治をしている、なにをしでかすか見当がつかない輩。武力行使には、日韓に犠牲が出ることが予測され、躊躇されます。となると、中国による圧力と説得が求められることにならざるを得ません。
 尻の重い中国を、おだてる作戦と、為替操作国指定免除という餌とで背中を押すと同時に、「(中国の措置が)効果的でなければ我々が効果的なことをする」と改めて強調し、脅してもいます。

 習近平の対応がどうなるのか、注目されますが、金正恩が命綱の核の放棄を、簡単に説得に応じるとも考えられませんね。

 金正恩が暴走して、日本や韓国にミサイルや砲弾を発射する可能性に備えた対策や避難設備と訓練が唱えられています。
 それもさることながら、対中貿易赤字強硬対策を保留にしたトランブ大統領。貿易赤字対策の選挙公約を完全放棄するわけにもいきませんから、中国に次いで赤字額が大きい、日独をターゲットに攻めてくることが予想されます。
 

米の貿易赤字是正案 警戒 経済対話 日本、統一ルールを優先 (4/14 読売朝刊)

 政府が18日の日米経済対話で提案する貿易・投資の統一ルール作りは、2国間の貿易交渉を米国に主要なテーマとして持ち込ませないための「防波堤」の側面がある。日本は新興国へのインフラ(社会基盤)輸出での協力といった、両国の利害が対立しない取り組みを優先したい考えだが、思惑の違いを解消できるかは見通せない


 
経済対話財政・金融などマクロ経済政策の連携②インフラやエネルギー分野での協力③2国間貿易の枠組みーの3項目がテーマ
となる予定だ。統一ルールづくりはこのうち、「2国間貿易の枠組み」に該当する。
 日本が統一ルールづくりを重視するのは、成長を続けるアジア太平洋地域に、
日米主導で自由で開かれた経済秩序を構築するためだ。自国に有利な経済圏を拡張しようとする中国をけん制する狙いも
ある。
 トランプ米大統領は貿易赤字が米国の雇用を奪っていると主張し、赤字の是正に躍起だ。7日の米中首脳会談では、
米国の対中貿易赤字の縮小に向けた「100日計画」
を策定することを決めた。
 
日本側は日米経済対話で同様の提案を持ち出されることを警戒
している。ただ、日本は中国と異なり、米国からの輸入を妨げる障壁は少ない。トランプ氏が米国車の輸入が少ないと批判する自動車貿易でも日本側は米国と違って輸入車に関税をかけていない。米国車が売れないのは日本の消費者のニーズに応えていないためだ。
 農産物を巡っても、日本は環太平洋経済連携協定(TPP)で米国産牛肉の関税の引き下げなどで合意した。仮に交渉を行うとしても、TPP以上の譲歩は政治的に極めて困難だ。
 米国が2国間貿易交渉にこだわれば、経済対話が停滞する可能性もある。


 TPPを抜けて、二国間交渉で有利な条件を迫ろうとするトランブ大統領。二国間の貿易交渉を米国に主要なテーマとして持ち込ませないための「防波堤」としての、日米経済対話による貿易・投資の統一ルール作り。日本側の思惑が、素手で対峙して得られるかの答えは明らかです。米国抜きのTPP立ち上げといった、けん制があってこそのディールが可能となりますね。
 甘利さんの再登板をお願いするなど、こちらへの対処も重要になってきましたね。





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