遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

原発代替えエネルギー LNGの調達情勢

2011-07-24 00:20:46 | 新エネルギー
 菅の個人的思いが思いつきで連発される目的がなになのか、後日歴史が証明することになるのでしょうが、史上最悪、それも際立って最低の首相として鳩と並んで名を残すことは間違いないことですし、引き際の詐欺まがいの術策や、国を混乱させることでの延命実験は、鳩が可愛くさえ見えてくる菅の亡国への犯罪行為として歴史に残ることでしょう。
 国家の政府の役割の基本は、国民と国を護る安全保障です。安全保障には、軍事力や外交で国家の主権を護る国防の安全保障と、国民や企業の営みを護る食糧安全補償エネルギー安全保障があることは、諸兄がご承知の通りです。
 鳩が壊したのは主に一番目の国防の安全保障でした。それを、菅と仙谷・前原で促進・拡大しました。仙谷・前原とたもとを分けた菅は、更に食糧(=TPPの棚ざらしと大震災復興・再建による構造改革の遅れ)とエネルギー安全保障の崩壊をさせているのです。

 国家のエネルギー政策の如何や、国民の意思にかかわらず、自動的に全原発が来春には停止することになった日本。脱原発の急先鋒のドイツでさえ、フランスなどからの購入というバッファを備えながらも、目標は10年後としているのに、日本は10ヶ月も経たないうちに原発停止が実現するというのです。一に、政府が無能で無為無策の所以です。

 前置きが長くなりましたが、ここでは、エネルギーの安全保障の行方の一端である、電力用エネルギーの原発停止後の代替えエネルギー情報のひとつをみつけましたので、備忘録として残しておきます。
 

天然ガス供給の綱引き 国際協力銀行・国際経営企画部長 前田匡史 (7/23 産経)

 
節電の夏が始まった。一方で、福島第1原発事故以降、「脱原発か否か」を軸にしたエネルギー政策が注目を浴びている。
 昨年6月に閣議決定された「エネルギー基本計画」では、現状の天然ガス28%、原子力26%、石炭25%(発電電力量ベース)というバランスの取れた状態から、2030年に原子力53%、再生可能エネルギー21%を主要熱源とし、天然ガスは13%、石炭は11%に低減する計画だった。電力源は普通、一定電力を安定的に供給する「ベース供給力」▽需要のピークに合わせて柔軟に調整する「ピーク供給力」▽その中間の「ミドル供給力」-に分けて考える。計画では、原子力がベース供給力をほぼ一手に担う姿が想定された。
 風力や太陽光といった再生可能エネルギーは、自然条件に左右されるため、ピーク供給力にはなり得ても、ベース供給力として原発を代替するものではない。
脱原発と再生可能エネルギー推進は、異次元の話
であることを押さえておきたい。
 仮に脱原発政策をとるにしても、すぐには実現できず、中長期に代わる熱源を考える必要がある。おそらく、石炭と天然ガスがそれだろう。二酸化炭素の排出を考えると、天然ガスが主力熱源になることは、まず間違いない。化石燃料のほぼ全量を輸入に依存するわが国としては、天然ガスをいかに安定的に、安価に調達できるかが鍵になる。

 「日本が大幅に原子力政策を見直すだろう」ということは、世界の多くのエネルギー関係者の見方になっている。6月に北京で面談した中国現代国際関係研究院の楊明傑副院長は「日本が液化天然ガス(LNG)への依存を急激に拡大するのではないか。アジアのLNG価格は原油価格にリンクしており、投機資金が入り、原油価格が高騰することを懸念している」と述べていた。
 そのLNGの最大の対日輸出国だったインドネシアが今年、LNGの輸出を急激に絞っている。LNGはスポット市場が薄く、調達条件は相対取引に委ねられる。大手ガス会社幹部は「日本の需要増を見込んでLNGの先高観が強く、今はとても交渉できない」と嘆息していた。
 インドネシアに代わる有力な輸入相手先としては、実績では豪州とロシアだ。インドネシアに地理的に近い
豪州はカントリーリスク(国の政治経済的リスク)を加味すれば、最有力の選択肢
になる。
 そんな豪州をライバル視する国がある。
カナダは6月末、連邦政府、西海岸のブリティッシュコロンビア州政府、ガス開発会社などからなる「天然ガスミッション」を日本に派遣した。天然資源省の局長は「太平洋岸から日本まで、11日間で運搬できる。豪州より1日短い」と強調。さらに「アルバータ州から太平洋沿岸まで、ガスパイプラインの敷設は完成している。対日輸出を推進
したい」と意気込みを見せていた。
 北米では近年、地層から天然ガスを取り出す「シェールガス」の開発が盛んで、指標価格は日本のLNGの半額以下で推移している。こうした状況もある中、天然ガス価格を低位安定させるにはどんな手を打つべきか。エネルギー政策を考えるために、さまざまな要素を広角的に捉えていかねばならない。


 現状の原発依存が約30%のものを、50%にする政策を打ち出したのは民主党政権ですね。鳩の国連での突然のCO2削減25%宣言と連動させ、インフラ輸出の国際競争に参戦し、産業再生策にも役立てようとしたものでした。
 菅の突然の脱原発、原発輸出撤回の個人的思いつき発言は、CO2削減を放棄し、日本の原発購入を決めてくれた国を欺くものですが、そのことはどう考えているのでしょう。
 そして、どう考えているのかという肝心なことは、原発を止めた時の代替えエネルギーの手当。産経の記事に書かれている、「ベース供給力」としてのエネルギーは何に頼るのか。メディアも、孫氏のビジネス戦略に乗せられた菅も再生可能エネルギーをとりあげるが、それは孫氏のビジネスには利することはあっても、国家の「ベース供給力」たりうる裏付けは全くないのです。財源がないのにあると国民を騙した民主党の政権交代のマニュアルと同じですね。

 中長期的にもあてのない原発代替えエネルギー。ましてや来春となると、有限化石燃料のLNGに依存するしかなく、東電では不足する電力の為にすでに設備の増設を実施しましたね。CO2発生量が改善されている(石炭でも改善された設備がある)とはいえ、発生させているのですから、その分はCO2が増え地球環境は壊されていき南太平洋の島嶼は海水に沈むのです。
 
 脱原発のエネルギーがLNGとなることで、その調達をロシアに依存しかねない流れがあります。この流れには、遊爺は反対を唱え続けていますが、ここでは触れません。記事に書かれている、「カントリーリスク」の一語に尽きます。
 オーストラリアもインドネシア、ブルネイ、カタールなども大震災の支援として増量供給を表明していただいていますが、カナダも「天然ガスミッション」を日本に派遣し対日輸出に積極的とは朗報です。

 LNGの調達には朗報がありましたが、全原発停止に対応する来春の設備計画は出来ているのでしょうか?
 CO2削減宣言の撤廃はいつするのでしょうか?菅は節電を訴えていますが、15%で汲々としているのに、30%とか50%とかの節電がどうすれば達成されると確信をもっているのでしょうか?
 
 管が自分の延命のために日本を混乱させているのが目的としても日本は沈没に向かいますが、金のやり取りのある外国の為に日本を沈没させようとしているとしたら...。
 狂気を通り越した恥も外聞もない思いつき発言は、後者を笑い話と吹き飛ばせないものを感じるのは遊爺だけでしょうか?


 # 冒頭の写真はガスタービン発電所(新日本石油と東京ガスが出資する川崎天然ガス発電(株))







↓よろしかったら、お願いします。






Fotolia



民主党政権では日本が持たない
民主党の正体  矛盾と欺瞞と疑惑に満ちた、日本人への恐怖の罠(OAK MOOK 305 撃論ムック)




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 菅 今度は原発輸出見直し | トップ | 菅が訪中して東シナ海ガス田... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

新エネルギー」カテゴリの最新記事