遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ウクライナ 露軍関与情報が噴出

2014-08-29 23:35:48 | ロシア全般
 ウクライナでの親露派(「ドネツク人民共和国」)と政府軍の攻防が激しさを増す中で、露軍が侵入して関与したとする情報が流れています。
 事実とすれば、ロシアが武力による現状変更をしていることになり、容認できないことになります。
 プーチン大統領の訪日について、ロシア・ラブロフ外相が予定は変更していないと発言し、安倍首相は、プーチン大統領を招聘する決断をしたとの情報もありますが、安倍首相の対露外交姿勢は一段と困難をました状況になりました。
 

ウクライナ「露軍1000人が侵入」…NATO高官 安保理、緊急会合へ (8/29 読売朝刊)

 【キエフ=青木佐知子、ブリュッセル=三好益史】ウクライナのポロシェンコ大統領は28日、ウクライナ東部情勢について「ロシア軍の侵入で状況が悪化した」とする声明を発表した。北大西洋条約機構(NATO)高官は同日、「1000人以上のロシア兵がウクライナに侵入した
」と明らかにした。

 ロシア国境沿いのアゾフ海に面した
南東部ドネツク州ノボアゾフスクは28日、親ロシア派武装集団に急襲され、ほぼ制圧された

 地元通信社は、ノボアゾフスク市当局者の話として、武装集団が28日朝、市庁舎に押し入り、親露派の旗を掲げたと報じた。武装集団は、約40キロ・メートル西に離れた州最大の港湾都市マリウポリに向かったとの情報もある。
 
米国のジェフリー・ピアット駐ウクライナ大使は28日、ツイッターで「戦車や迫撃砲の提供では不十分だったため、ロシア兵が直接介入した。最新の地対空ミサイルも提供された」と指摘
した。

 国連安全保障理事会は28日、ウクライナ情勢に関する緊急会合を開く。NATOは同日、ウクライナ問題で29日に緊急の大使級会合を開くことを決めた。


 ポロシェンコ大統領と、NATO高官が揃って露軍の侵入を発表したのですね。
 それを裏付けるように、親露派武装集団「ドネツク人民共和国」のアレクサンドル・ザハルチェンコ首相も、「我々の中には多くのロシア人がいる。彼らの支援がなければ戦うことは極めて難しい」と述べ、退役軍人をはじめとするロシアからの志願兵が、武装集団の戦力の中心になっていると明かしました。
 

ロシア兵参戦認める ウクライナ 親露派幹部、露TVで (8/29 読売朝刊)

 【モスクワ=緒方賢一】ウクライナ東部で政府軍と戦う親ロシア派武装集団の幹部は、ロシア国営テレビが28日に放映したインタビューで「現役の軍人も戦っている。彼らは浜辺で休暇を過ごすより自由のため兄弟とともに戦うことを望んだ」と述べ、ロシア軍の現役兵士が「休暇中」に参戦していることを認めた


 欧米やウクライナは、ロシアが兵員や武器を送り武装集団を支援していると非難しているが、ロシア政府は否定していた。
 同テレビによると、
武装集団が宣言した「ドネツク人民共和国」のアレクサンドル・ザハルチェンコ首相は、「我々の中には多くのロシア人がいる。彼らの支援がなければ戦うことは極めて難しい」
と述べ、退役軍人をはじめとするロシアからの志願兵が、武装集団の戦力の中心になっていると説明した。
 志願兵は当初、3000~4000人いて、一部は帰国したものの大半が戦線にとどまっているという。
 米CNNは米当局者の話として、重火器を持った最大1000人のロシア兵がウクライナ南部の国境から新たに侵入した情報があると伝えている。

 一方、インターファクス通信によると全欧安保協力機構(OSCE)のロシア代表は28日、「
ウクライナ領内のロシア兵は、間違って国境を越えた落下傘部隊の10人だけだ」と述べ、ロシア兵の侵入情報を否定した。ロシアのプーチン大統領とウクライナのポロシェンコ大統領は26日の首脳会談で、停戦協議の再開に合意したばかりだった。

 そして、読売夕刊になると、侵入したロシア軍がウクライナ政府軍の攻撃で、100人以上が死亡、約300人が負傷したとし、ロシア軍の侵入関与が証明されたと報じています。急展開の動きがあったようですね。
 
ウクライナ 露軍隊列、東部に展開 NATO 大量の兵器確認 (8/29 読売夕刊)

 【ブリュッセル=三好益史、モスクワ=緒方賢一】ロシア軍兵士のウクライナ侵入が明白になった。北大西洋条約機構(NATO)高官は28日、「1000人以上のロシア兵がウクライナに侵入した」と語り、証拠の衛星写真を公開した。ロシア大統領府直属の人権委員会メンバーも28日、ロイター通信に対し、ウクライナでロシア兵100人以上が死亡したと明らかにした。ウクライナ南部などでは戦闘が激化している。国連安全保障理事会は28日、緊急会合を開くなど、欧米各国はロシアを一斉に非難した。

露人権委「兵士100人死亡」
 「ロシアから迫撃砲や戦車、武装した人員輸送車など大量の兵器が親ロシア派に渡っていることを確認している」。NATO高官は28日、報道陣にこう述べ、ロシア軍がウクライナで軍事作戦を行っている証拠として、今月下旬に撮影された複数の衛星写真を公開した。ロシア軍の自走砲の一団がウクライナ東部を移動したり、砲撃のため同じ方向に隊列を作ったりしている様子が写っている。
 NATOによると、
1000人以上のロシア兵がウクライナで親ロシア派武装集団を支援している
 ロシアでは、大統領府直属の人権委員会のメンバー2人が28日、ロイター通信に対し、ウクライナ東部ドネツク州で8月13日、「
ロシア兵がウクライナ軍の多連装ロケット攻撃を受け、100人以上が死亡、約300人が負傷した」と述べた。弾薬運搬中のロシア軍トラックの車列が狙われたという。ロシア兵の侵入を裏付ける情報で、ロシア軍がウクライナ領内で大規模に活動していたことになる。
 人権委メンバーは、死亡した兵士の親族や攻撃を目撃した兵士らの聞き取り調査を行い、死傷者数を集計した。死亡証明書には、ウクライナではない死亡場所が記されていたという。人権委は、大統領に人権状況改善を提言する組織。

 プーチン大統領は29日未明、ウクライナ政府に戦闘の早期停止と親露派武装集団との交渉開始を求める声明を発表した。だが露軍のウクライナ侵入については触れなかった。
 インターファクス通信によると、ロシア国防省の広報担当は28日、ロシア兵侵入の情報を「でたらめだ」と否定。衛星写真についても「事実と一切関係ない。コメントすること自体、意味がない」と主張した。


 産経の報道では、ロシアは劣勢となった現地の親露派のテコ入れのために部隊を投入したとのことですが、読売の夕刊の報道では、それでも親露派の劣勢は変わっていない状況の様に受け取れます。
 

露、影響力死守へ躍起 ウクライナ越境、武装勢力テコ入れ (8/29 産経)

 【モスクワ=佐々木正明】ウクライナ東部にロシア軍部隊が入ったとの情報が相次ぐ中、ウクライナのポロシェンコ大統領は28日、首都キエフで開いた国家安全保障会議で、ロシアは劣勢となった現地の親露派のテコ入れのために部隊を投入した
との見方を示した。
 
プーチン政権は軍事支援ではないかと疑われた人道支援物資を再度、送ろうと計画しており、ウクライナ東部に対する影響力の死守を目指すロシアの執念がうかがえる


 露、ウクライナの首脳会談が行われた直後の動きであり、会談で事態収拾に向けた成果が何ら得られなかったことを裏付けた形だ。
 ポロシェンコ氏は28日の会議の席上、東部の情勢は緊迫化しているが、政府軍がコントロールしており問題はないとも語った。
 
ウクライナ東部では最近、ロシア軍兵士の身分証を持った戦闘員が相次いで拘束されている。
 現地の親露派勢力「ドネツク人民共和国」の首相を名乗るザハルチェンコ氏は28日、これまでに3千~4千人のロシア国籍の義勇兵が戦闘に加わったことを明らかにした。
 中にはロシア軍の現役兵士もいるという。


 欧米の国々が、ロシアへの制裁を強めるなか、ロシアのラブロフ外相は、プーチン大統領の訪日予定は変更していないとアドバルーンを上げています。
 
ロシア外相 「プーチン大統領訪日に変更なし」 NHKニュース

 これに対し、安倍首相のちゃぶ台返しの決断があり、プーチン大統領の来日を受け入れることにしたというのが青山繁晴氏。(以下の、ニッポン放送の「ザ・ボイス」の放送の、21分10秒が経過したところから)
 

 青山氏以外に同様の報道は見つかりませんが、その時点では、米国はプーチン大統領の来日に反対はしないとの本音は不明のコメントを発していました。
 しかし、ロシアが武力での現状変更に関与していることが明らかになった今、こうした情勢は一変せざるをえないでしょう。
 
 南シナ海、東シナ海で武力を行使したり、ちらつかせて侵略を進める中国との対峙を抱える日本。G7の一員として、対露制裁の協調を求められている日本は、力で現状変更しようとする、いかなる国にもその停止を求めていかねばなりません。

 もともと対露外交では、性急な前のめり姿勢が目立つ安倍外交です。ロシアの台所が苦しいことは、遊爺も何度も取り上げてきましたし、今日では衆知のこととなってきています。待っていれば、向こうが折れてこざるを得ない経済状況なのです。更に今回、孤立化を深めているのですから、日本に助けを求める理由は増しています。
 戦後の日本の外交の基本は、日米同盟を基軸として展開してきていますし、中国への抑止力として、日米同盟は必要不可欠です。
 ヤルタ会談で、米英との了解を得たとはいえ、終戦のドサクサで攻め込んで領土を不法占拠したままのロシアを信頼し、米国やG7との関係を悪化させるわけにはいきません。
 もちろん、日本の国益を追求するため、米国をはじめとする、G7の国々を説得して、ロシアと交渉をすることは必要です。しかし、繰り返しますが、力での現状変更を容認することはできません。
 ここを、しっかりとロシアに突きつけて、武力行使を撤収するのなら会談するとして、態度を鮮明に示すべきです。
 
 ロシアの介入が明らかになった今、ロシアは表面上は、あくまでもシラを切り通すのでしょうが、どのような態度に転じるのか、ふりあげた拳をどう下ろすのか、迷っていることでしょう。
 ドイツなどロシアに利害関係が強い国も、収集に苦慮しているでしょう。
 そこを解決できる目処をつけることができたなら、米国をはじめとするG7の国々に断りをいれた上で、プーチン大統領を説得するために会談するのであれば、逆に大歓迎ですが。



 # 冒頭の画像は、NATOが公開した、ウクライナ国境付近のロシア軍の戦車や装甲車






  この花の名前は、アシズリノジギク


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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)




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1 コメント

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プーチン大統領招聘 (1Q3)
2014-08-30 17:11:10
安倍首相の「悪魔を誘う賭け」については、関西テレビのアンカーでの青山さんの話が時間をかけて丁寧に説明されていますね。
 以下のサイトの録画で、画面下に表示される時間の 27:48 / 52:57 (ルーラーで早送りできます)から始まります。

 http://newsbalance.ti-da.net/c269860.html

 プーチン、ポロシェンコ会談には、安倍総理の提言の影響もある。
 プーチン大統領来日は賭け。来日の内容で北方領土の進展の有無があるかどうかで評価が変わり、内容が無ければ、安倍さんはプーチン大統領に、G7分断に利用されただけとなる。...と。
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