遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国からの食料品輸入額が急減

2008-03-30 17:19:29 | 中国 全般
 ギョーザ事件以来強まった、中国産食品への不信感の広まりは、冷凍食品に留まらず、中国産食料品全体の敬遠に及んでいる様ですね。
 財務省の貿易統計速報(2月)では、前年比28.0%減少しているのだそうです。
 中国側の検疫強化とも連動し、この減少の流れは長期化の可能性があり、国内の関連産業にも影響が出ているようです。
 
「中国食料品」輸入急減、外食産業仕入れに苦慮 (3/27 読売朝刊)

 財務省が26日に発表した2月の貿易統計速報で、中国からの食料品輸入額が前年同月より28・0%も減少したことがわかった。中国製冷凍ギョーザの中毒事件の発覚後、日本の消費者が中国産の食材を敬遠したことや、中国当局が2月下旬から輸出用食品の検疫を強化した影響とみられる。長期化の可能性もあり、食品メーカーや外食産業はメニュー見直しなどの対応を迫られる懸念が出てきた。
 中国からの食料品輸入額の内訳を見ると、ギョーザなどが含まれる穀物類が39・4%減少したほか、野菜が33・0%減、肉類が30・8%減、魚介類も30・7%減と大きく落ち込んでいた。

 回転ずしチェーン「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトの広報担当者は「早ければ4月にもメニューから消えるネタが出るかもしれない」と懸念する。同社は、輸入が減って価格が上がった中国産食材の調達先を他国産や国産へ切り替え始めたが、赤貝やシャコ、ウナギは安定確保のメドが立たないという。低価格が消費者への「売り」なだけに「値上げや、具材の量を減らすことはできない」(広報)と弱り顔だ。
 東北地方の大手製菓会社は、中国当局が輸出用食品の検疫を強化した影響で、2月下旬から今月上旬にかけ、中国産ピーナツの輸入がストップし、国内の備蓄で原料不足の急場をしのいだ。輸入ピーナツの多くは中国産で、生産が止まった業者もあったという。担当者は「他国産のピーナツも仕入れているが、コスト高になる」と話す。



 穀物類(ギョーザなどを含)は、39.4%の減で、野菜、肉、魚介類も30%を越す減少とのことです。野菜が40%超とのニュースもあります。
 経済ニュース > 中国野菜 輸入4割減 前年同期比 検査強化、業者も敬遠 先月1-3週 / 九州経済 / 九州ねっと / 西日本新聞

 消費者の敬遠が、外食産業や流通業者に伝わり中国産食料品の輸入減が顕在化している様です。輸入関連商社や発注元の日本メーカーは、大きな打撃をうけていることになります。
 
 遊爺は、もともと中国からの輸入比率は下げるべきと唱えていました。理由は、国家の安全保障と、食料の安全保障の中長期戦略という二つの側面からです。
 中国からものを買うことで中国が経済成長し、軍事力と経済力を背景に、覇権拡大を進めています。その覇権拡大の野望を捨てさせることが一つですが、この話は今回は触れません。
 もう一つの、日本の食料の確保、安全保障については、日本の自給率と中国の自給率の二つの面からの考察が必要です。

 39%の日本の自給率を高めるには、日本の農業や漁業の改革・踏ん張りに期待せねばならないのですが、消費者の理解も必要です。安心して食べられる食品への意識の変遷と、価格の高騰はその追い風となります。
 中国ではギョーザ事件の前から、安心して食べられる食品として、日本の米やリンゴ他の果物などが富裕層に受け入れられ始めていました。中国のお金持ちは、日本産の食品を食べて、貧乏国日本は、中国産食品を食べるという図式が生まれ初めているのです。
 日本の農業や漁業が、富裕層といっても巨大な人口をもつ中国マーケットへの進出が出来るのです。中国に売って、日本が儲けるのです。

 中国の食料自給率は、2004年に食料の輸入額が輸出額を上回る、食料の純輸入国になってしまっているのです。2006年の人口は、13.1億人で、2000年に比べ、 4千万人も増えているのです。日本の総人口が 1億を切り、9千万人になると言われているのですから、数値の大きさには改めて考えさせられます。

 中国は04年から食料輸入国 08年からは食料輸出抑止へ舵取り - ビジネススタイル - nikkei BPnet
 ギョーザ事件が引き起こす、日本の消費不況 - [よくわかる経済]All About

食料およびその一部の加工品に対する輸出還付税の廃止や輸出課税措置がとられ始めていますが、今後更に厳しい輸出規制がとられて行くようになると見られています。
 木炭が突然輸出禁止となった様に、いつどんなものが輸出禁止されてもおかしくない状況になっているのです。中国に依存していて、突然輸出禁止をされる現実が迫っているとすれば、食糧の安全保障は成り立ちません。

 中国の木炭輸出禁止措置に伴う対応について

中国が輸入国に転じると、石油に代表される各種資源と同様に食材の争奪戦が始まります。その前に、安定供給が得られるパイプ造りが必要で、そのためにも中国以外の供給源へのシフトをすすめておかねばならないのです。
 マグロなどの高級食材は、中国や欧州の需要増で、日本は買い負けてしまっている現実が生じ始めています。

 国家の安全保障、食糧の安全保障について、小泉~安倍政権で議論がなされ種まきもなされたものがあるのですが黙殺され、国益や国民の生活を護るための中長期の政策が語られない、先送りで何もしない、政局争いに没頭する国になってしまっている日本(民社党と福田総理の責任が大きい)は、このままでは滅んでしまいます。







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2 コメント

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日本は食糧までも相場に支配されて・・ (容子)
2008-03-30 21:21:29
遊爺さま

こんばんわ・・中国からの食料輸入が減っているとの事ですが、これでいいのではないかと思います。日本農業を衰退させてまで、危険性のある中国食品は欲しく在りません。

現在、食料までも戦略物資として高騰しているようですし、先ずは日本の自給率を高め、外国に食糧までも日本の足元を見て高く売るつけられるのは・・腹立たしいです。

安い食品を外国に求めるのではなく日本農業をもっと高度化する事に資金を使うべきだと思います。
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日本の農業改革 (遊爺)
2008-04-06 17:17:05
容子さん、こんにちは。検査結果も良好で、日々元気を取り戻しておられるご様子。お慶び申し上げます。

> 日本農業をもっと高度化する事に資金を使うべきだと思います。

  食の安全保障(品質と安定供給)の面からのニーズと、FTAなどグローバルな経済活動の中での競争力の向上といった面からのニーズがありますね。
  株式会社の農業を可能とする法整備も出来てきていましたが、こういった改革路線は、さきの参院選で、小規模農家の民主党への鞍替え投票(民主党の目先だけ考えたバラマキ政策)で、今日のねじれ国会を招いて依頼停滞して居るように見えます。
 国民の食の安全保障への意識変革が根付いて、議論が高まっていくことを願っています。

 ねじれ国会を産み世界から脱落した日本を産んだのは、選挙で選択した国民の責任という意見もありますが、まだ捨てたものではないようです。
 
 http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe6100/koumoku/20080318.htm

 あなたは、今、どのような政権を望んでいますか。回答リスト5番の中から、
1つだけあげて下さい。
 答え 1.現在の自民党と公明党の連立政権  22.1
    2.民主党を中心とする野党の連立政権  16.1
    3.自民党の単独政権          7.2
    4.民主党の単独政権          4.9
    5.自民党と民主党を中心とする連立政権 20.7
    6.与野党を再編した新しい枠組みの政権 15.3
    7.その他               0.4
    8.DK.NA                13.2
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