遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

【続】第6回太平洋・島サミット  海洋の安全保障を初討議

2012-05-24 23:18:29 | EEZ 全般
 3年に一度の「太平洋・島サミット」が、いよいよ明日(25日)から開催されます。
 4月にこのblogでも触れさせていただいていましたが、米国が初参加し、中国の海洋覇権拡大に備え、海洋の安全保障についても初めて議題に取り上げられるのだそうですね。なので、フィジーが中国に気を使って欠席するのだとか。きなくさいサミットになってきましたが、これが現実の厳しい状況なのですね。

 
第6回太平洋・島サミット  政府は重要性の再認識を - 遊爺雑記帳
 
海洋覇権、中国を牽制 太平洋・島サミットあす開幕 初参加の米、同盟で対抗 (5/24 産経)

 日本主導で太平洋の13の島嶼(とうしょ)国・地域の首脳らが一堂に会する第6回「太平洋・島サミット」が25日、沖縄県名護市で開幕する。海軍力を増強する中国がこの地域での影響力を拡大しようとする中、対中シフトにかじを切った米国が初参加し、海洋の安全保障を初めて討議
する。地味で注目度も低かった島サミットだが、米中角逐で一躍脚光を浴びることになった。(千葉倫之)

 「米国との協力を深めることは地域全体の利益だ」
 藤村修官房長官は23日の記者会見で、米国のクルーン筆頭国務次官補代理の参加に歓迎の意を示した。日本の島嶼国外交が、
中国の軍事的脅威に備える米国の新たな安全保障戦略と符合する意義は大きい
というわけだ。
 26日までの期間中、日本と島嶼国の防衛交流についても協議する。
 島サミット参加国は小国が多いが、漁業資源や海底資源が眠る排他的経済水域
(EEZ)は各国分を合わせると中国の陸地面積の2倍
に及ぶ。

 ◆フィジー欠席
 島嶼国はこれまで中国と台湾の外交戦の舞台だった。世界の他の地域では大多数の国が中国と国交を結んでいるが、島嶼国は台湾の牙城ともいえた。だが、中国は経済成長を背景に2005年~09年にかけ全体で約6億ドル(480億円)の支援を実施した。鉱物資源が豊富なフィジーで06年にクーデターが起きオーストラリアなどが支援を減らすと、05年の100万ドルから2年間で1億6700万ドルまで支援を一気に引き上げた。
今回、日本政府からの招待にフィジーからは欠席の連絡があった
。島サミットに参加しない中国への配慮があるとみられる。
 中国が外交関係を樹立したのは8カ国で台湾の6カ国をしのぐ。日本政府高官が「経済協力は海洋進出の布石だ」と指摘するように、中国海軍による太平洋進出の足場づくりも着々と進む。10年には
中国海軍艦艇がパプアニューギニアなど3カ国を親善訪問
した。

 ◆露も議論注視
 中国に対抗するため、米政府が島嶼国に関心を向け始めたのは10年。キャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は「島嶼国への関与を再強化する」と議会で発言。同氏は翌11年6月、ウォルシュ太平洋艦隊司令官(当時)と6日間で島嶼国9カ国を弾丸訪問しこの地域を重視する姿勢を印象づけた。島サミット参加もその一環といえる。
 米国は中国の海洋進出に「同盟のネットワーク化」で対抗しようとしている。島サミットには米国と安全保障条約(ANZUS)を結ぶオーストラリア、ニュージーランド両国も参加するため、日米を含めたネットワーク化に資すると判断しているという。
 アジア・太平洋地域に再び関心を高めている
ロシアも11年9月と今年2月に島嶼国首脳との会合を開催
しており、島サミットの議論を注視するとみられる。

 太平洋の島嶼国への中国の進出の理由の一つに、記事でも指摘されている、台湾支持国の突き崩しがあります。もうひとつは、中国国土の2倍というEEZの広さの中にある、漁業や海底の資源獲得で、日本に対抗して「中国・太平洋島嶼国経済発展協力フォーラム」を、2006年4月にフィジーで立ち上げています。今思えば、薄熙来氏はこのころから活躍していたのですね。
 
太平洋島嶼国と政府間合意交わす、企業投資も活発化[中国]|AsiaX News
 中国・太平洋島嶼国経済発展協力フォーラム閣僚会議、開催
 
 札束外交の中国は、島嶼国でテレビが観れるようにし、中国の放送を流しています。島嶼国の人々が、中国は先進国だとテレビで感化されている様子が報道されているのを見たことがあります。つまり、文化面でも洗脳を進めているのですね。
 
◆【空白の海洋戦略】(下)太平洋染める中国/文化・運動も後押し

 柳腰ではなく、弱腰の日本。米国の参入で中国の覇権拡大に歯止めがかけられるのか。踏ん張りどころです。
 前回取り上げさせていただいた、産経・千野境子記者の、今回に寄せる記事に指摘される、日本流のきめ細かな支援が評価され始めている点が注目されます。これは、アフリカやミヤンマー他のアジアでも見られ始めている脱・中国流支援支配の流れと同じです。
 軍事面での支援や安全保障に制約がある日本だけでなく、米豪が加わることで強化される海洋の安全保障が俎上にあがることで、参加国も心強く安心できることでしょう。
 「日本には出来て中国には絶対出来ない支援のあり方」の推進が成功することを願っています。


 # 冒頭の画像は、中国・太平洋島嶼国経済発展協力フォーラム第1回閣僚会議会議での温家宝首相




  イロハモミジの翼果

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続 中国の海洋戦略
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