遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

露のEEZ内での漁獲超過黙認料 4社で5億円

2010-12-26 19:38:55 | ロシア全般

日露間の漁業交渉は、領土問題を棚上げして、北方領土を実効支配しているロシアの主張が通っていて、国後島と北海道本土との間を境界線として行われています。ロシアのEEZ内で、日本漁船が決められた数量を漁獲し、日本のEEZ内で、ロシアの漁船が同じ数量を漁獲することになっているそうですが、ロシア側の漁獲量は日本側より少なく、その差は日本がロシア内の施設建設費用などを負担することで埋めているのだそうです。ロシアのEEZ内での日本の漁獲枠は年々減る一方なのだそうです。
 ロシアが貧しかった時代なら、漁獲枠の差による補償のメリットがあったのでしょうが、ビザを取っての北方領土への渡航自粛が求められるなかを渡航する日本業者の協力によって、択捉島に本社がある「ギドロストロイ社」が急成長し、水産資源をほぼ一手に扱い、加工・輸出まで手掛けている時代となった今では、日本の漁獲量を削減してくるのは当然と言えます。

 スケトウダラ漁4社、露に5億円…違反黙認で : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 北方領土支配の象徴 「ギドロストロイ」 日本政府が言えないその実態 WEDGE infinity(ウェッジ)

 

「魚取るための経費」 1航海1万ドルも 「係官ごと相場違う」 (12/26 読売朝刊)

 「賄賂と言われても仕方ない」。ロシアの排他的経済水域(EEZ)で操業する漁業会社4社によるロシア国境警備局係官らへの多額の資金提供問題。国税当局から所得隠しを指摘された漁業関係者らは、不適切であることを認めながらも、「やめるわけにはいかない」「とにかく、(漁獲枠が)足りない」などと複雑な胸中を語った。

 「ロシア人のオブ(オブザーバーの略)に(金を)払っていた」
 11月29日朝、北海道・釧路港。ベーリング海など遠洋で取れたスケトウダラを水揚げするため、寄港した北洋転換底引漁船(北転船)の前で、「佐藤漁業」(宮城県塩釜市)の社長は硬い表情で語り始めた。
 オブザーバーとは、日露漁業交渉で決まった漁獲枠を超えることなどがないよう、監視のため船に同乗するロシア国境警備局の係官のこと。同船にも航海の度、必ず1人乗船する。社長は、資金提供について「(相場は)オブによって違う。魚を取るための経費として払っていたが、今は、やっていない」と語った。
 「賄賂を払って魚を取らせてもらっているなんて、恥ずかしいが……」。「稚内海洋」(北海道稚内市)の役員は今月中旬、同市内で取材に応じ、こう切り出した後に続けた。「税務署に指摘され、重加算税をつけられたが、やめるわけにはいかない」
 オブザーバーへの支払いは、多い時で1航海1万ドル。日本の陸上では、ホテルに泊めたり、食事に連れて行ったりもするという。洋上で実施されるロシア国境警備局の臨検でのトラブルを避けるため、出港前にはドルを用意するという。この役員は「無許可の魚がちょっと入っていただけで、(拿捕で)連れて行かれたらどうする。金で済むなら、となるわけさ。『くれ』って言うんだから、やらないとは言えない」と話した。
 「開洋漁業」(青森県八戸市)の社長は今月上旬、「過去の話」としたうえで、「(ロシア国境警備局の臨検などの)情報をいっぱい取ってくれたりとか、嫌がらせしないとか、(オブザーバーの)人柄によって渡すかどうか決めていた」と明かした。
 同社長によると、支払った紙幣は、米ドル。「
とにかく、(漁獲枠が)足りない」と話した社長は「北方領土問題を棚上げしているから、日露漁業交渉でもロシアに足元を見られ、漁獲枠が減った」と、政府への不満を漏らした。税務調査については「税務署に聞いてほしい」とした。
 「4社が一斉に税務調査を受けたが、漁獲枠の上乗せ分を取るための費用として、ロシア側に金を払っていた」。複数の関係者はこう明かす。「金井漁業」(北海道釧路市)の関係者は「多く取るためには色々な経費がかかる」と話した。



 賄賂を払って魚を取らせてもらっているなんて、恥ずかしい」という言葉がでていることで、少し安堵しましたが、ロシアの実効支配を助長させることを、日本側の政府のみならず民間企業もやっているのですね。
 勿論、根源は、自民党、民社党(含両党にまたがる鈴木宗男)、と続いた政府の対露姿勢、問題の先送りにあることは言うまでもありません。地域で漁業に携わっておられる企業や関連の方々の窮状や先行きへの閉塞感も、生涯設計をされるのに大きな障害であると共に、日々の暮らしも先細りのご不安かあることは、どこまでかと問われると窮しますが、推察もうしあげます。が、原因の真相究明と、打開に向けて、遊爺なりに気づいたことを書いてみます。
 最後は、政府や国民の対露外交の基本姿勢どう決断するかになるのですが...。

 「ギドロストロイ」の存在、ましてやその成功に自粛要請を無視して渡航した日本人が貢献しているとは、初めて知りました。
 韓国企業の急成長には、日本の技術者が休日を利用したアルバイトで頭脳流出させた話を思い出します。中国には、加えて定年退職者による流出もあるのですね。
 いずれは伝わることと言ってしまえばそれで済むことかもしれません。しかし、そのためには試行錯誤の時間と労力が必要でそこにはそれなりの投資が必要です。それが、安価に素早く入手することで、簡単に追随し、安価な固定費の維持を助けているのです。
 もっとも悲しいのは、個人や一企業の利益を優先し、国益を考えていない、解っていても「いずれは」などと理由をつけて逃避しているところです。

 ビザでの渡航自粛の意味は何か。知ってか知らずか、「ギドロストロイ」の利益と自己の利益に走る日本人が、「ギドロストロイ」の発展で、日本の漁獲量削減推進を産んでいるのです。
 北方領土問題を先送りする政府が、露の実効支配を強めさせ、日本の領海であるべき海域も、露のEEZ海域扱いの漁業協定の運用を招いていました。
 そしてさらに、民主党政権の、外交大失政の連続で、4島はロシア領と言わしめる、歴史的変節を迎えています。
 「対露外交 恫喝に対抗措置が必要だ」:イザ!

 民間企業でも、政治家でも、日本人自ら自己の利益を優先させ、ほかの日本人や国益を損なう行動をする輩が増えているのです。
 以上、北の海での漁獲量と領土での単純な考察でしたが、ご笑覧いただき、ありがとうございました。

 では、どうすればよいか。まずカンカラ菅+売国奴仙谷の民主党政権の退場が望まれます。退場後の、これはという人材や党が見当たらないのが、日本の不幸なのですが、自分の地位を守ることしか考えない現政権(含、岡田、前原、谷垣の野党代表&総裁経験者)以下の政治家は居ないはずですから、小泉総裁が登場したような、派閥やグループの影響が及ばない選挙合戦での新指導者の選出を願っています。
 議員内閣制を、大統領制にするのも一案ですね。

# 冒頭の写真は、シベリア抑留関係者による表敬を受ける菅総理です






写真素材 PIXTA

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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)




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