オバマ大統領の評価については、その様な見方が無いわけではありませんが、だからと言って米国そのものが永遠にそうではありえません。民主主義の国は、国民の支持が国を動かすのであり、既に米国議会が中国への警戒感を強めていることは、昨日も触れたところで、諸兄もご承知のことですね。
ここでも習近平の誤判断の大失政があり、アジア、ひいては世界の平和を乱しています。フィリピンのアキノ大統領が発言された通りで、中国共産党の習近平は、ナチスドイツのヒトラーに相当する世界平和にとって危険極まりない存在になってきたということですね。
強硬路線の習近平 世界から孤立化 - 遊爺雑記帳
比アキノ大統領 中国をナチスになぞらえ国際社会の支援訴え ? SNN(Social News Network)
24日、東シナ海上空で中国軍のSU-27戦闘機が、海上自衛隊と航空自衛隊の航空機にそれぞれ異常接近した。現場は日中の防空識別圏が重なる日中中間線付近の公海上空だった。
防衛省の発表によると、中国機は海上自衛隊の観測機OP-3Cと航空自衛隊の電子測定機YS-11EBにそれぞれ約30~50メートルまで異常接近した。領空侵犯は発生しておらず、2機にも被害はなかった。両航空機はそのまま通常の警戒監視飛行を続けたという。
<中略>
なぜ、中国の戦闘機はこんな常軌を逸する行動をとったのだろう。2つの可能性が考えられる。
1つは2001年に発生した米海軍と中国海軍の戦闘機が衝突した事件と同類という見方である。この年の4月1日、海南島から東南に110キロメートルの南シナ海上空の公海上で情報収集活動をしていた米海軍電子偵察機EP-3Eと中国海軍J-8?戦闘機が空中衝突した。戦闘機は墜落し、操縦者は行方不明。EP-3Eもダメージを受け、海南島に緊急着陸を余儀なくされた。
この事件については、技量未熟のパイロットが威嚇飛行をしようとして失敗し、EP-3Eに接触して墜落したものだった。当該パイロットは実は米軍内でも有名な言わば「札付き」パイロットであり、それまでも同様な危険行為を繰り返していた。
その日も、当該パイロットがスクランブルに上がってきた情報を入手し、「あいつは危ないから気を付けろ」と機内で話し合っていたという。
精鋭パイロットによる異常接近が示す習近平の意図
この件は、J-8?という旧式の戦闘機で事件は起きた。旧式の戦闘機部隊にありがちな士気の低下、跳ね上がりの操縦者を生む部隊の体質、規律の乱れ、操縦者の技量未熟、そして中央の統制が末端に行き届かない指揮不全などの複合によって起きたものだ。
だが、今回はSU-27という中国では最新鋭の戦闘機である。操縦者もエリートパイロットのはずである。この行動がもし、現場の操縦者の一存で行われたものであれば、最新鋭の戦闘機部隊も同様に、規律の厳正さに欠けた、そして国際性に乏しい跳ね上がり者の集団ということになる。
もう1つの可能性は、単なる偶発的な事案でなく、中央からの指示によって実施されたというものである。昨年11月に防空識別圏を設定してから、ここを飛行する自衛隊機や米軍機に対しては、レーダーサイトからの音声による警告を除いては何ら対応措置をとってこなかった。
<中略>
今回の異常行動については、実情は前者か後者かは現段階では分からない。前者であれば中央から指導が入り、同種事故は今後は起きないだろう。だが、もし後者であれば、危機のステージが一段上がったことを意味する。米軍は沈黙を守っているのでニュースには出ないが、今回、米軍機に対しても同様な行動をとったという。
防空識別圏設定以降、これまでは中国海空軍は比較的抑制された行動をとってきた。自衛隊機や米軍機がよほど中国本土に近づかない限り、中国戦闘機がスクランブル対処することはなかった。まして今回のような危険行動をとることはなかった。もし後者であれば重大な方針転換であり、今後の警戒監視飛行には更なる注意が必要である。
中国は防空識別圏を設定して以降、12月には南シナ海で米海軍イージス巡洋艦カウペンスの航行を妨害し緊急回避行動を余儀なくさせ、1月には、南シナ海で事実上の漁業管轄権を設定した。5月には南シナ海でも石油掘削を一方的に始め、激しく抗議するベトナムとの間で睨み合いが続いている。両国の公船が衝突を繰り返し、27日にはベトナム漁船が衝突で沈没する事故が起きた。
フィリピンとも領有権争いで挑発的行動が続く。南沙諸島のジョンソン南礁および中沙諸島のスカボロー環礁では、フィリピン政府の抗議にもかかわらず一方的に軍事施設の建設工事を始めた。フィリピンが実効支配するセカンド・トーマス礁では補給活動の妨害を行った。
こういう流れの中で異常接近事件を見る時、ただ単なる跳ね上がりパイロットの仕業ではなく、習近平の意図が入っていると見る方が自然であろう。バラク・オバマ米国大統領の弱腰を見透かして、今がチャンスと東シナ海、南シナ海でいよいよ牙をむき出したのかもしれない。
米国を「言うだけ番長」と見くびった中国
オバマ大統領はシリアがサリン使用というレッドラインを超えても、結局武力行使を決断できなかった。それ以降、「もはや、米国は世界の警察官ではない」と繰り返している。
ウクライナ問題では、早々に「武力不行使」を宣言した。一転して、4月末のアジア歴訪では「同盟国防衛に軍事力行使をためらわず」と言ったものの、中国は「言うだけ番長」と見くびっている可能性もある。
安倍晋三首相は26日、首相官邸で小野寺五典防衛相から状況の報告を受け、「今後も警戒監視をしっかりするように」と指示した。これまでの警戒監視活動や情報収集活動を止めてはならない。やめれば国際法違反の防空識別圏の運用を認めることになり、やがては南シナ海での防空識別圏設定を許すことになるだろう。
昨年、楊宇軍報道官は「準備が整い次第、他の防空識別区を順次設置する」と述べ、南シナ海でも同様な防空識別圏を設定する用意があることを示唆している。そうなれば南シナ海は完全に中国の内海と化し、傍若無人化は手が付けられなくなる。
防衛大臣は参院決算委員会で、「今週末からシンガポールで各国の防衛相会合があるので、その際に関係国に日本の状況について説明をしっかりする」と述べた。30日からの「アジア安全保障会議」の期間中に予定している日米豪防衛相会談などの場で対応を協議する考えを示した。
今回の事案は、習近平の意図が入っているとの前提で対処すべきである。いたずらに居丈高に反応して中国を刺激する必要はない。さりとて下手に譲歩すれば将来に禍根を残す。
国際世論に中国の不当性を訴えるとともに、米軍との緊密化を図り、東南アジア諸国および豪州とタッグマッチを組み、不測事態を未然に防止しながら、粛々とこれまで通り警戒監視任務を遂行することが最も大切である。
同時に日中間の連絡メカニズムを構築し、航空、海上における偶発的な衝突を防ぐ日中連絡体制の整備を働きかけていくことが必要であろう。
中国機の異常接近について、織田邦男元空将は前線の暴走ではなく、習近平の意図が入ったものと考えるべきと主張しておられます。
東シナ海に防空識別圏を設定した中国ですが、全域を監視しスクランブルをかける能力はないとされていました。
今回の、東シナ海での「2014 中露合同演習」では、その空域訓練の演習も目的とされていると言われていました。
焦点:中国の防空識別圏設定、軍の対応能力は不十分の可能性 | Reuters
中露合同軍事演習終了 - 中国国際放送局
防空識別圏の管理能力は、物量拡充の推進と、兵員の訓練でいずれは備わってくるものですから、今回は、ロシアの指導・協力の元に実現出来たのかと素人推測していますが、いずれは独自に出来るようになる話で、それが今回以降なのか、もっと先になるのかは、今後の様子をみればわかります。
問題なのは、防空識別圏の行動の国際常識と、中国軍の認識の違いです。ご存知の通り、中国軍は、あたかも領空であるかの様な行動です。習近平の意図が入った今回の行動とすれば、全く国際常識とことなる習近平の意図となります。つまり、繰り返しになりますが、朕が法なりとして国際慣例を無視した、ナチスドイツのヒトラーと同じ発想と行動です。
日本は、記事で指摘されている通り、国際世論に中国の不当性を訴えるとともに、米軍との緊密化を図り、東南アジア諸国および豪州との連携を強めていくことが求められます。
小野寺防衛大臣は、シンガポールでの「アジア安全保障会議」での各国の防衛相会合や、日米豪防衛相会談などの場で連携を強化するとのことで、成果を期待します。
狂った習近平。孤立化をますます深めていくことは、中国の未来を、ナチスドイツと同じ運命に陥ると気付くべきですが、どうでしょう?
# 冒頭の画像は、海上自衛隊の観測機OP-3Cと航空自衛隊の電子測定機YS-11EBに異常接近した SU-27
この花の名前は、キバナコスモス
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