アメリカ政府は、大統領が交代すると、閣僚クラスはもちろん、それを支える大勢のスタッフが政権交代とともにごっそり入れ替わり、その総計は4000人を超えるのだそうです。
大統領候補者は選挙期間中からスタッフの人選を進め、当選と同時に彼らを各省庁に送り込み、業務の引き継ぎを始めさせるのが通例で、引き継ぎは大車輪で行われ、新政権の発足ぎりぎりに間に合わせるのだそうですが、トランプ陣営ではこのことの理解が出来ておらず、準備が遅れているのだそうです。
国防大臣候補は、ジェームズ・マティス元中央軍司令官に決まった様ですが、国務長官候補はいまだに絞り切れていない様子ですね。
【トランプ次期大統領】国務長官候補、さらに拡大 トランプ氏、深まる混戦 - 産経ニュース
本来なら大統領補佐官ほか政府の要職を担うはずの共和党系の専門家がこぞってトランプ氏に背を向けたことで、極端な人材不足がおきているのですね。
僅かに、歩み寄って支援した人材も、混乱で離れてしまう。
そんな中、トランプ氏を補佐し、助言し、導いていくという点で最大の影響力を持つと目される人物がいるのだそうです。
見事な手腕でランプ氏を勝利に導き、大統領付の首席戦略官と言う新ポストを設立し、任命されたスティーブ・バノン氏。オバマ政権やヒラリー・クリントン氏の「大きな政府」政策を徹底的に叩き、国益最優先の観点から、自由貿易や移民の受け入れにも強く反対するのだそうです。
トランプ氏の政権運営を左右し、重要な役割を果たすことは確実との古森氏の指摘。
オバマ政権の、パンダハガーのスーザン・ライス補佐官が去ることになり、ほっとしていたら、よくわからない、厄介そうな人物が登場することになりそうです。
外交の要の国務長官が誰になるのかと併せて、注目が必要ですね。
多くの評論家諸氏が語る様になってきて、いまや月並みな言葉となってしまいましたが、トランプ次期大統領の時代には、日本も自分の国は先ず自分で守る普通の国になる。足りない抑止力は、米国やその他の有志国と連携して構築する。そんな新しい時代が到来しているのですね。
トランプ氏は、日本も核を持てと言ったとか、言ってないとか。核はさておき、国産ステルス戦闘機「心神」の実戦配備を推進しやすくなりますね。
# 冒頭の画像は、スティーブン・パノン氏
この花の名前は、マツムシソウ
↓よろしかったら、お願いします。
大統領候補者は選挙期間中からスタッフの人選を進め、当選と同時に彼らを各省庁に送り込み、業務の引き継ぎを始めさせるのが通例で、引き継ぎは大車輪で行われ、新政権の発足ぎりぎりに間に合わせるのだそうですが、トランプ陣営ではこのことの理解が出来ておらず、準備が遅れているのだそうです。
国防大臣候補は、ジェームズ・マティス元中央軍司令官に決まった様ですが、国務長官候補はいまだに絞り切れていない様子ですね。
【トランプ次期大統領】国務長官候補、さらに拡大 トランプ氏、深まる混戦 - 産経ニュース
早くも暗雲、トランプ政権に尽くす人はいないのか 「エリート」たちにそっぽを向かれたトランプ次期大統領 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2016.12.6(火) 老田 章彦
<前略>
いま首都ワシントンでは、果たしてトランプ政権は来年1月20日の就任式までに、一国の政治を切り回す準備を整えられるのかという懸念がささやかれている。
■4000人がごっそり入れ替わる政権交代
アメリカ政府は、大統領が交代するたびにダイナミックな変化を遂げる。日本では政権交代で顔ぶれが変わるのは国会議員である大臣・副大臣・政務官ぐらいで、その下の膨大な実務は終身雇用の公務員が担っている。だがアメリカでは閣僚クラスはもちろん、それを支える大勢のスタッフが政権交代とともにごっそり入れ替わり、その総計は4000人を超える。
<中略>
■後手にまわったトランプ陣営
だが、こうした大掛かりな政権移行の全容について、トランプ陣営は不案内だったようだ。前述のトランプ・オバマ会談の実情を報じたウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ氏の側近たちは政権交代によってホワイトハウスの大統領直属スタッフが総入れ替えになることをよく理解していなかったようだとも伝えている。
「ホワイトハウスの大統領直属スタッフ」とは、外交・軍事・経済などの専門家が務める大統領補佐官や顧問などを指す。大統領への助言や政策の立案を行う彼らは、アメリカの命運を大きく左右する存在だ。トランプ陣営はそうした人材の確保に出遅れてしまった。
問題は人材確保のタイミングだけではない。確保しようにも、人がいないのだ。
この春、共和党系の外交・安全保障の専門家が、トランプ氏の排外的な外交政策はアメリカを危機にさらすものだとしてトランプ氏の不支持を表明した。中には、トランプ候補ではなく民主党クリントン候補に投票すると発言する人までいた。最初の公開書簡に名を連ねた122人をはじめ、トランプ氏に反旗を翻した専門家は数百人にのぼった。
本来なら大統領補佐官ほか政府の要職を担うはずの共和党系の専門家がこぞってトランプ氏に背を向けたことで、極端な人材不足がおきた。4000人のスタッフの配置状況についてトランプ陣営はいっさい明らかにしていないが、内部ではかなりの遅滞が起きていると見て間違いないだろう。
■共和党エリートたちの歩み寄り
この状況を見て、手を差し伸べようとした人物がいる。選挙期間中には反トランプの先頭に立った共和党外交ブレーンの重鎮、エリオット・コーエン氏だ。コーエン氏は11月10日、外交専門誌「アメリカン・インタレスト」に「迷っている諸君へ」と題した文章を掲載した。
コーエン氏は、自分がトランプ氏のために働くことはあり得ないが、もしも若い「同志」にその機会がめぐってくるのであれば、前向きに考えてみてはどうかと呼びかけた。
その理由としてコーエン氏は、しっかりした議会制民主主義がトランプ大統領の専制を許すことはないこと、トランプ氏が以前に想像されたほど扱いにくい人間ではないかもしれないこと、そしてアメリカには強い再生力があることを挙げている。どのような政権であろうとも国家のために働いてみたいと考える若手の背中をやんわりと押す内容だった。
<中略>
■トランプ政権には関わらないほうが身のため?
しかし、こうした後押しもトランプ陣営の場当たり的な対応の前では、焼石に水だったようである。
トランプ陣営の政権移行チームは、まったく機能していなかったわけではない。トランプ氏と共和党の指名を争ったクリス・クリスティ元ニュージャージー州知事は、数カ月前から陣営に加わり、閣僚クラスの人選を中心に政権移行の準備を進めてきた。ところがトランプ氏の勝利宣言からわずか2日後、クリスティ氏は政権移行チームから外されてしまった。
クリスティ氏とトランプ家にはある因縁があった。トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏(35)の父親は、2005年に脱税や選挙の不正などの罪で実刑判決を受けたが、そのとき連邦検事がクリスティ氏だったのだ。今回の突然の「クリスティおろし」は私怨によるものという説は、トランプ陣営による否定にもかかわらず大きく報道されている。
政権移行作業にブレーキがかかり、スタッフの候補者も不足する今、トランプ陣営が打つべき手は門戸を広く開放して人材を募ることだ。だが、それも進んでいない。部下に絶対的な忠誠を求めるトランプ陣営は、トランプ氏に反旗を掲げた人たちだけでなく、過去に一度でもトランプ氏について批判的な発言をした人物をすべてピックアップし、ブラックリストに載せていると言われている。
一方でトランプ氏は、過去に自身を「詐欺師」などと厳しく批判したミット・ロムニー氏を国務長官候補として検討中とも伝えられている。だが、陣営の選挙対策責任者を務めてきたケリーアン・コンウェイ氏がメディアを通じて反対意見を述べるなど、トランプ陣営の混乱が表面化している。
当初はトランプ新政権への協力を若者に呼びかけた共和党の重鎮エリオット・コーエン氏も、その後、見切りをつけてしまったようだ。
コーエン氏には、トランプ陣営の政権移行チームで働く長年の友人がいる。どうしてもスタッフが集まらないと嘆くその友人から頼まれ、コーエン氏は反トランプではない専門家を紹介した。ところがこの専門家が、「履歴書は提出しないが、トランプ陣営から連絡があれば話を聞く」と強気の姿勢を見せたことから波乱が起きた。
トランプ陣営の友人はこの専門家の態度に強い反感を覚えたらしく、怒りに満ちた電子メールを送ってきた。そこにはコーエン氏への罵詈雑言のみならず、反トランプ派への恨みが綿々と書き連ねられていたという。コーエン氏はその文面から、長いあいだ共和党主流派からの批判と軽蔑を受けてきたことによる強いストレス、そして現在のトランプ陣営内に渦巻く激しい確執と緊張を感じとった。
この出来事によってコーエン氏の考えは180度変わった。いまトランプ政権と関わった人は「その(国家への)誠実な思いや名声が傷つけられるリスクが高い」として、同志への呼びかけを「ワシントン・ポスト」紙上で撤回した。11月10日の呼びかけから、わずか5日後のことだった。
■実務スタッフ4000人の椅子は埋まるのか?
4000人のスタッフ選びと、政権移行作業は今後どうなるのか。
<中略>
トランプ氏は、オバマ大統領が毎日受けている国家安全保障に関わる機密情報のブリーフィング(報告)を、同様に毎日受ける権利があるが、選挙から3週間後の本稿執筆時点で、トランプ氏は2回しかブリーフィングを受けておらず、そのほかはペンス次期副大統領にまかせているという情報もある。
大統領職への熱意にすら疑問符がつきかねないトランプ氏のもと、実務スタッフ4000人の椅子がどのようにして埋まるのか。コーエン氏ほか長年国家に尽くしてきた大勢の人たちが、息をひそめて成り行きを見守っている。
<前略>
いま首都ワシントンでは、果たしてトランプ政権は来年1月20日の就任式までに、一国の政治を切り回す準備を整えられるのかという懸念がささやかれている。
■4000人がごっそり入れ替わる政権交代
アメリカ政府は、大統領が交代するたびにダイナミックな変化を遂げる。日本では政権交代で顔ぶれが変わるのは国会議員である大臣・副大臣・政務官ぐらいで、その下の膨大な実務は終身雇用の公務員が担っている。だがアメリカでは閣僚クラスはもちろん、それを支える大勢のスタッフが政権交代とともにごっそり入れ替わり、その総計は4000人を超える。
<中略>
■後手にまわったトランプ陣営
だが、こうした大掛かりな政権移行の全容について、トランプ陣営は不案内だったようだ。前述のトランプ・オバマ会談の実情を報じたウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ氏の側近たちは政権交代によってホワイトハウスの大統領直属スタッフが総入れ替えになることをよく理解していなかったようだとも伝えている。
「ホワイトハウスの大統領直属スタッフ」とは、外交・軍事・経済などの専門家が務める大統領補佐官や顧問などを指す。大統領への助言や政策の立案を行う彼らは、アメリカの命運を大きく左右する存在だ。トランプ陣営はそうした人材の確保に出遅れてしまった。
問題は人材確保のタイミングだけではない。確保しようにも、人がいないのだ。
この春、共和党系の外交・安全保障の専門家が、トランプ氏の排外的な外交政策はアメリカを危機にさらすものだとしてトランプ氏の不支持を表明した。中には、トランプ候補ではなく民主党クリントン候補に投票すると発言する人までいた。最初の公開書簡に名を連ねた122人をはじめ、トランプ氏に反旗を翻した専門家は数百人にのぼった。
本来なら大統領補佐官ほか政府の要職を担うはずの共和党系の専門家がこぞってトランプ氏に背を向けたことで、極端な人材不足がおきた。4000人のスタッフの配置状況についてトランプ陣営はいっさい明らかにしていないが、内部ではかなりの遅滞が起きていると見て間違いないだろう。
■共和党エリートたちの歩み寄り
この状況を見て、手を差し伸べようとした人物がいる。選挙期間中には反トランプの先頭に立った共和党外交ブレーンの重鎮、エリオット・コーエン氏だ。コーエン氏は11月10日、外交専門誌「アメリカン・インタレスト」に「迷っている諸君へ」と題した文章を掲載した。
コーエン氏は、自分がトランプ氏のために働くことはあり得ないが、もしも若い「同志」にその機会がめぐってくるのであれば、前向きに考えてみてはどうかと呼びかけた。
その理由としてコーエン氏は、しっかりした議会制民主主義がトランプ大統領の専制を許すことはないこと、トランプ氏が以前に想像されたほど扱いにくい人間ではないかもしれないこと、そしてアメリカには強い再生力があることを挙げている。どのような政権であろうとも国家のために働いてみたいと考える若手の背中をやんわりと押す内容だった。
<中略>
■トランプ政権には関わらないほうが身のため?
しかし、こうした後押しもトランプ陣営の場当たり的な対応の前では、焼石に水だったようである。
トランプ陣営の政権移行チームは、まったく機能していなかったわけではない。トランプ氏と共和党の指名を争ったクリス・クリスティ元ニュージャージー州知事は、数カ月前から陣営に加わり、閣僚クラスの人選を中心に政権移行の準備を進めてきた。ところがトランプ氏の勝利宣言からわずか2日後、クリスティ氏は政権移行チームから外されてしまった。
クリスティ氏とトランプ家にはある因縁があった。トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏(35)の父親は、2005年に脱税や選挙の不正などの罪で実刑判決を受けたが、そのとき連邦検事がクリスティ氏だったのだ。今回の突然の「クリスティおろし」は私怨によるものという説は、トランプ陣営による否定にもかかわらず大きく報道されている。
政権移行作業にブレーキがかかり、スタッフの候補者も不足する今、トランプ陣営が打つべき手は門戸を広く開放して人材を募ることだ。だが、それも進んでいない。部下に絶対的な忠誠を求めるトランプ陣営は、トランプ氏に反旗を掲げた人たちだけでなく、過去に一度でもトランプ氏について批判的な発言をした人物をすべてピックアップし、ブラックリストに載せていると言われている。
一方でトランプ氏は、過去に自身を「詐欺師」などと厳しく批判したミット・ロムニー氏を国務長官候補として検討中とも伝えられている。だが、陣営の選挙対策責任者を務めてきたケリーアン・コンウェイ氏がメディアを通じて反対意見を述べるなど、トランプ陣営の混乱が表面化している。
当初はトランプ新政権への協力を若者に呼びかけた共和党の重鎮エリオット・コーエン氏も、その後、見切りをつけてしまったようだ。
コーエン氏には、トランプ陣営の政権移行チームで働く長年の友人がいる。どうしてもスタッフが集まらないと嘆くその友人から頼まれ、コーエン氏は反トランプではない専門家を紹介した。ところがこの専門家が、「履歴書は提出しないが、トランプ陣営から連絡があれば話を聞く」と強気の姿勢を見せたことから波乱が起きた。
トランプ陣営の友人はこの専門家の態度に強い反感を覚えたらしく、怒りに満ちた電子メールを送ってきた。そこにはコーエン氏への罵詈雑言のみならず、反トランプ派への恨みが綿々と書き連ねられていたという。コーエン氏はその文面から、長いあいだ共和党主流派からの批判と軽蔑を受けてきたことによる強いストレス、そして現在のトランプ陣営内に渦巻く激しい確執と緊張を感じとった。
この出来事によってコーエン氏の考えは180度変わった。いまトランプ政権と関わった人は「その(国家への)誠実な思いや名声が傷つけられるリスクが高い」として、同志への呼びかけを「ワシントン・ポスト」紙上で撤回した。11月10日の呼びかけから、わずか5日後のことだった。
■実務スタッフ4000人の椅子は埋まるのか?
4000人のスタッフ選びと、政権移行作業は今後どうなるのか。
<中略>
トランプ氏は、オバマ大統領が毎日受けている国家安全保障に関わる機密情報のブリーフィング(報告)を、同様に毎日受ける権利があるが、選挙から3週間後の本稿執筆時点で、トランプ氏は2回しかブリーフィングを受けておらず、そのほかはペンス次期副大統領にまかせているという情報もある。
大統領職への熱意にすら疑問符がつきかねないトランプ氏のもと、実務スタッフ4000人の椅子がどのようにして埋まるのか。コーエン氏ほか長年国家に尽くしてきた大勢の人たちが、息をひそめて成り行きを見守っている。
本来なら大統領補佐官ほか政府の要職を担うはずの共和党系の専門家がこぞってトランプ氏に背を向けたことで、極端な人材不足がおきているのですね。
僅かに、歩み寄って支援した人材も、混乱で離れてしまう。
そんな中、トランプ氏を補佐し、助言し、導いていくという点で最大の影響力を持つと目される人物がいるのだそうです。
トランプ政権の命運を握る“超保守派”の懐刀 メディアを操り過激な政治主張を繰り出すバノン氏 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2016.12.7(水) 古森 義久
ドナルド・トランプ氏は米国の第45代大統領としてどのような施策を進めるのか?
トランプ氏とその側近たちの文字通り一挙一動に、米国内だけでなく世界各国の注目が集まっている。
そんな中、トランプ氏を補佐し、助言し、導いていくという点で最大の影響力を持つと目される人物がいる。つい最近トランプ次期政権における大統領付の首席戦略官に任命されたスティーブ・バノン氏である。
この「首席戦略官」は、これまでのホワイトハウスにはなかったポジションだ。
通常ならば、大統領の執務は首席補佐官が中心となって進める。トランプ氏はその首席補佐官に、共和党全国委員長を長い間務めてきたラインス・プリーバス氏を任命した。幅広いコネを持つ共和党主流の実務家タイプの人物である。
同時にトランプ氏は、共に選挙を戦ってきた同志のバノン氏を、首席戦略官というユニークな肩書きで身近に置くことを発表した。
ニュースサイト「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」の会長だったバノン氏は、大統領選挙戦が本格化した2016年8月に、トランプ陣営の選挙対策本部長に抜擢された(「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」は草の根保守派に広く支持されるニュースサイト。全米で5000万近くの読者がいるという)。同氏は見事な手腕でランプ氏を勝利に導き、トランプ氏当選後すぐに前例のない枢要ポジションに任命されたのだ。
■あの手この手で政敵を攻撃
バノン氏は現在63歳、巨大な体躯でよくテレビやラジオに出演して、機関銃のような早口で語ることで知られる。一体どんな人物なのだろう。
これまでは一般の知名度こそ低かったが、政治とメディアの世界では知る人ぞ知る保守主義の活動家だった。
元々は海軍士官で、駆逐艦乗務や国防総省勤務を重ねた。退役後はハーバード大学で経営学修士号を得て、ゴールドマンサックスに務めた。その後、自分で創設した「バノン社」という投資企業を使ってハリウッドに進出する。映画やメディアの関連企業を買収し、多角的な経営で利益と影響力を拡大していった。そして1990年代から「保守政治活動会議」という全米規模の草の根組織を結成し、政治活動を本格化させる。
アメリカの政界の中で「左翼・リベラル」とされるバラク・オバマ大統領や、今回の大統領選で民主党の指名候補となったヒラリー・クリントン氏の陣営からすれば、バノン氏こそが最大の敵だったと言えよう。なぜならば、オバマ陣営、クリントン陣営に果敢で激烈な攻撃を仕掛け、打撃を与えてきた実績があるからだ。だからリベラル派からは「アメリカで最も危険な政治仕掛け人」(the most dangerous political operative)とまで呼ばれてきた。
実例を挙げれば、今回の選挙戦期間中にヒラリー・クリントン氏の財政面での疑惑を多角的に取り上げて、全米で話題になった『クリントン・キャッシュ』というノンフィクション本がある。この書籍はバノン氏が中心となって発行された。バノン氏は書籍を基に映画も制作している。
また、ヒラリー・クリントン陣営の中心人物で、ヒラリー氏の側近中の側近だった女性活動家フーマ・アベディン氏の夫、アンソニー・ウィーナー元下院議員が最近逮捕された。未成年の女子とネット上で猥褻な内容のメッセージを送り合ったという容疑だった。この逮捕につながる情報は、バノン氏が主宰する「政府責任研究所(GAI)」というシンクタンクが集めたものだった。GAIは、政治・経済分野を中心に多数の専門家を抱え、様々な調査や研究を実行している。
こうしてバノン氏はGAIとブライトバート・ニュース・ネットワークの両方を駆使して、保守主義の政治活動を展開してきた。“学術的”な調査を行うシンクタンクと、ときにはどぎつい政治的メッセージを発するメディアを使い分けるバノン氏は、政治の世界の「ジキルとハイド」だとも評されてきた。
■自由貿易や移民の受け入れに強く反対
バノン氏は米国の伝統的な家族重視の価値観を支持しており、その政治主張は一貫して“超”保守主義である。
つまり、「小さな政府」を唱えて、オバマ政権やヒラリー・クリントン氏の「大きな政府」政策を徹底的に叩く。そしてアメリカの国益最優先の観点から、自由貿易や移民の受け入れにも強く反対する。そうした点はトランプ氏の主張と共通しており、共和党穏健派のジェブ・ブッシュ氏らに対しても激しい批判を浴びせてきた。
トランプ氏の政権運営をバノン氏が左右し、重要な役割を果たすことは確実である。トランプ氏の信任はそれほど厚いのだ。日本側としても、バノン首席戦略官の動向に十二分の注意を向けることが必要だろう。
ドナルド・トランプ氏は米国の第45代大統領としてどのような施策を進めるのか?
トランプ氏とその側近たちの文字通り一挙一動に、米国内だけでなく世界各国の注目が集まっている。
そんな中、トランプ氏を補佐し、助言し、導いていくという点で最大の影響力を持つと目される人物がいる。つい最近トランプ次期政権における大統領付の首席戦略官に任命されたスティーブ・バノン氏である。
この「首席戦略官」は、これまでのホワイトハウスにはなかったポジションだ。
通常ならば、大統領の執務は首席補佐官が中心となって進める。トランプ氏はその首席補佐官に、共和党全国委員長を長い間務めてきたラインス・プリーバス氏を任命した。幅広いコネを持つ共和党主流の実務家タイプの人物である。
同時にトランプ氏は、共に選挙を戦ってきた同志のバノン氏を、首席戦略官というユニークな肩書きで身近に置くことを発表した。
ニュースサイト「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」の会長だったバノン氏は、大統領選挙戦が本格化した2016年8月に、トランプ陣営の選挙対策本部長に抜擢された(「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」は草の根保守派に広く支持されるニュースサイト。全米で5000万近くの読者がいるという)。同氏は見事な手腕でランプ氏を勝利に導き、トランプ氏当選後すぐに前例のない枢要ポジションに任命されたのだ。
■あの手この手で政敵を攻撃
バノン氏は現在63歳、巨大な体躯でよくテレビやラジオに出演して、機関銃のような早口で語ることで知られる。一体どんな人物なのだろう。
これまでは一般の知名度こそ低かったが、政治とメディアの世界では知る人ぞ知る保守主義の活動家だった。
元々は海軍士官で、駆逐艦乗務や国防総省勤務を重ねた。退役後はハーバード大学で経営学修士号を得て、ゴールドマンサックスに務めた。その後、自分で創設した「バノン社」という投資企業を使ってハリウッドに進出する。映画やメディアの関連企業を買収し、多角的な経営で利益と影響力を拡大していった。そして1990年代から「保守政治活動会議」という全米規模の草の根組織を結成し、政治活動を本格化させる。
アメリカの政界の中で「左翼・リベラル」とされるバラク・オバマ大統領や、今回の大統領選で民主党の指名候補となったヒラリー・クリントン氏の陣営からすれば、バノン氏こそが最大の敵だったと言えよう。なぜならば、オバマ陣営、クリントン陣営に果敢で激烈な攻撃を仕掛け、打撃を与えてきた実績があるからだ。だからリベラル派からは「アメリカで最も危険な政治仕掛け人」(the most dangerous political operative)とまで呼ばれてきた。
実例を挙げれば、今回の選挙戦期間中にヒラリー・クリントン氏の財政面での疑惑を多角的に取り上げて、全米で話題になった『クリントン・キャッシュ』というノンフィクション本がある。この書籍はバノン氏が中心となって発行された。バノン氏は書籍を基に映画も制作している。
また、ヒラリー・クリントン陣営の中心人物で、ヒラリー氏の側近中の側近だった女性活動家フーマ・アベディン氏の夫、アンソニー・ウィーナー元下院議員が最近逮捕された。未成年の女子とネット上で猥褻な内容のメッセージを送り合ったという容疑だった。この逮捕につながる情報は、バノン氏が主宰する「政府責任研究所(GAI)」というシンクタンクが集めたものだった。GAIは、政治・経済分野を中心に多数の専門家を抱え、様々な調査や研究を実行している。
こうしてバノン氏はGAIとブライトバート・ニュース・ネットワークの両方を駆使して、保守主義の政治活動を展開してきた。“学術的”な調査を行うシンクタンクと、ときにはどぎつい政治的メッセージを発するメディアを使い分けるバノン氏は、政治の世界の「ジキルとハイド」だとも評されてきた。
■自由貿易や移民の受け入れに強く反対
バノン氏は米国の伝統的な家族重視の価値観を支持しており、その政治主張は一貫して“超”保守主義である。
つまり、「小さな政府」を唱えて、オバマ政権やヒラリー・クリントン氏の「大きな政府」政策を徹底的に叩く。そしてアメリカの国益最優先の観点から、自由貿易や移民の受け入れにも強く反対する。そうした点はトランプ氏の主張と共通しており、共和党穏健派のジェブ・ブッシュ氏らに対しても激しい批判を浴びせてきた。
トランプ氏の政権運営をバノン氏が左右し、重要な役割を果たすことは確実である。トランプ氏の信任はそれほど厚いのだ。日本側としても、バノン首席戦略官の動向に十二分の注意を向けることが必要だろう。
見事な手腕でランプ氏を勝利に導き、大統領付の首席戦略官と言う新ポストを設立し、任命されたスティーブ・バノン氏。オバマ政権やヒラリー・クリントン氏の「大きな政府」政策を徹底的に叩き、国益最優先の観点から、自由貿易や移民の受け入れにも強く反対するのだそうです。
トランプ氏の政権運営を左右し、重要な役割を果たすことは確実との古森氏の指摘。
オバマ政権の、パンダハガーのスーザン・ライス補佐官が去ることになり、ほっとしていたら、よくわからない、厄介そうな人物が登場することになりそうです。
外交の要の国務長官が誰になるのかと併せて、注目が必要ですね。
多くの評論家諸氏が語る様になってきて、いまや月並みな言葉となってしまいましたが、トランプ次期大統領の時代には、日本も自分の国は先ず自分で守る普通の国になる。足りない抑止力は、米国やその他の有志国と連携して構築する。そんな新しい時代が到来しているのですね。
トランプ氏は、日本も核を持てと言ったとか、言ってないとか。核はさておき、国産ステルス戦闘機「心神」の実戦配備を推進しやすくなりますね。
# 冒頭の画像は、スティーブン・パノン氏
この花の名前は、マツムシソウ
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