遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

【続】中国が英国の取り込みを狙っている

2016-06-28 23:58:58 | 中国 全般
 「中国が英国の取り込みを狙っている」との書き込みをさせていただいていました。
 英国に投資している中国は、英国のEU離脱に伴い、ポンド安となり投資資産が目減りするが、そんな目先のことは考えていなくて、英国との緊密な関係は政治・外交上の大きな資産とみなしていて、東シナ海や南シナ海への中国の強引な海洋進出を巡っては、英国が中国の「理解者」になってくれることを期待しているとの記事をとりあげさせていただいていました。
 「中華の夢」を追求する習近平は、アヘン戦争での屈辱のお返しもあり、長期戦略で英国を取り込もうとしていると書かせていただいていました。
 英国のEU離脱の国民投票結果が出た今の時点での、中国の対英政策についての記事がありました。英国の取り込みの長期政策に変化があるのか、ないのか。。
 

元安圧力 影響じわり 5年半ぶり水準 中国、対英政策変更も (6/28 読売朝刊)

 【天津=鎌田秀男、香港=幸内康】英国が欧州連合(EU)からの離脱を国民投票で選択したことで、人民元相場の急落など、中国経済にも影響が出始めている。中国は、対欧州戦略の中で英国を重視してきただけに、英国のEU離脱が実現した場合、外交・経済政策の見直しを迫られる可能性がある

 27日の上海外国為替市場の人民元相場は午後4時半、前週末(午後4時半)に比べて0.37%元安・ドル高の1ドル=6.6393元で大方の取引を終えた。
約5年半ぶりの元安水準
だ。
 一定の通貨安であれば輸出に有利になるが、
下落幅があまりに大きくなれば、投資家が投資資金を中国から引き揚げる可能性
がある。
 「
世界的な金融市場の混乱は、相対的に信用が低い人民元にはマイナスに働く
」(市場関係者)ため、当面は元安圧力が強い状態が続きそうだ。

 「世界経済の不確実性が増した。中国は英国の安定と繁栄を望んでいる」
 中国の李克強首相は27日、天津での講演の冒頭で離脱問題を取り上げた。李首相が英国の将来に気をもむのは、両国が近年、経済関係を深めているためだ。
 
英国は「チャイナマネー」を自国に引き込んで、経済活性化につなげようと必死になってきた。

 
「人民元の国際化」を手助けしてきた英国は、人民元取引センターのロンドンへの誘致を進め、今年5月には中国国外で初めて、元建ての国債を発行した。中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)構想を発表すると、先進7か国(G7)の中でいち早く加盟に名乗りを上げたのも英国だ。

 一方、
中国も英国を欧州進出の「橋頭堡(中国紙)として利用してきた
面がある。習近平国家主席が昨年10月に訪英した際には、原子力発電所や高速鉄道の建設協力など総額約400億ポンド(当時のレートで約7兆4000億円)の経済案件を協議した。AIIB加入への「返礼」との指摘もあった。
 英国のEUからの離脱手続きが進み、英国やEUの経済が地盤沈下すれば、協力関係に影響が出るのは避けられないとみられる。
 香港中文大学工商管理学院の李兆波院長補佐は「
中国はロンドンを、欧州全体に人民元取引を広げる足がかりにしていた。英国のEU離脱後、ロンドンに代わる拠点を探すのはそう簡単ではない」と話す。

 英国は独仏に比べて、香港問題を抱えていたため対中貿易でのチャイナマネーの取り込みに遅れが生じ、その挽回に力をいれ、中国は、欧州への進出の橋頭保にしようと英国を狙っていて両者の思惑の接点が生じていて、急速に接近していたのでした。
中国が英国の取り込みを狙っている - 遊爺雑記帳

 記事のタイトルでは「中国、対英政策変更も」と書かれていますが、中国が、欧州進出の橋頭保にしたいという狙いと、元の国際通貨としての地位を高めたいという二つの願いを叶える、対英国の長期にわたる取り込み戦略の結論は、ロンドンに代わる拠点を探すのは簡単ではないということの様です。
 行き過ぎた元安は、世界中からの対中投資の引き上げに繋がると警戒を提言していますが、世界の工場として組立・加工した製品を輸出することで今日の急成長を遂げてきた貿易立国の中国。元安は基本的には歓迎のはずです。
 そこでポンド安にもなれば、英国の買い取りに支障はない。。
 腐ってもロンドン。世界の金融の拠点です。元の国際的地位を高め、いつかはドルに追いつき追い越したい「中華の夢」追及の習金平。人民元の国際化は、「一帯一路」の資金源となる「AIIB」にとっても欠かせません。そしてそれには、ロンドンは欠かせない舞台ですし、その状況は暫くは続くことが見込まれます。
 EUから離脱する英国は、EU以外の市場とのつながりの強化が、これまで以上に必要となります。つまり、中国と英国とのつながりは、これまで以上に強化されていくしかない様にみえますが、どうでしょう。眼が離せません。



 # 冒頭の画像は、EU首脳との最後の晩餐に向かい官邸を出るキャメロン首相
  キャメロン英首相、「最後の晩餐」へ-28日からEU首脳会議 - Bloomberg



  この花の名前は、ユキワリイチゲ


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