トランプ米国大統領が打ち出した“華為技術(ファーウェイ)殺し”は、世界の企業と市場に「米国か中国か、どちらを選ぶのか」と踏み絵を迫る意味があると説くのは、産経新聞記者として中国勤務(中国国外追放)経験のある福島香織氏。
トランプ米国大統領が打ち出した“華為技術(ファーウェイ)殺し”で、ファーウェイは、米国企業から部品調達が出来なくなるのです。
米企業のみならず、日本企業を含む外国企業も、米企業の技術を25%以上使った部品をファーウェイ企業に売ることはできない。
米国は、ファーウェイを筆頭にした中国ハイテク企業をグローバルサプライチェーンから完全に締め出そうとしていて、中興通訊(ZTE)は昨年(2018年)早々、同様の禁輸措置を課されて、あわや倒産というところまで追い込まれました。
今回の禁輸措置は、たぶん本気の“ファーウェイ帝国”潰し。
“中国製造2025”戦略を頓挫させ、中国の通信覇権の野望を打ち砕く米中ヘゲモニー(覇権)争いの勝敗に影響を及ぼすと。
もはやこれは経済上の摩擦でも、市場の奪い合いでもなく、世界を巻き込む戦争だと福島氏。
この“戦争”はどちらが勝つのか。
米中の経済規模の力量から言えば、米国の方がパワーがあり、米国が勝つ見通しの方が高いが、米国が完全勝利を収められるほどの力量差かというと、なかなか意見の分かれるところだと。
ファーウェイの部品調達は、取引先数や重要度において圧倒的に米国に依存。そこを押さえられたらファーウェイは絶対絶命。
しかし、ファーウェイ側は、「数年前から今回のようなすべての米国の先進的半導体やその技術を得られない事態を想定して準備していた。」のだと。
核心的半導体の在庫が将来1年分くらいあり、米大統領選までの1年くらいは頑張るつもりで、在庫も代替技術もいろいろできることは準備していた、という話なのだと。
米国サイドの最大の強みは、ファーウェイを含め中国企業の半導体設備装置および検査装置、材料などがまだ内製化に至っていないこと。
ただ、5年から10年もあれば中国も自前の製造設備を完成できる。
5年といえばトランプがもう一期大統領になったとして丸々の任期。
この間、中国ハイテク企業が米国主導のサプライチェーンから締め出され、地を這う経済の中での大衆の不満を力で抑え込み、苦境を生き抜き、自国主導のグローバルサプライチェーンを築いて生き残るかどうかが勝負の分かれ目。
今後の展開として、世界の通信システム・インフラが二分化される状況への突入が論じられているのだそうです。
この二分化は、単に通信システム・インフラが米国標準と中国標準に二分されるだけではなく、鉄のカーテンで隔てられた冷戦構造のように経済・貿易・金融のみならず価値観、安全保障、秩序、ルールでも世界を2つに分けることになるのだと。
米中の覇権争いに、福島氏は政権の安定性からいえば、習近平の足元の方が、トランプよりも危ういと思っているのだが、欧米リベラルメディアの中にはトランプの足元を心配する声も少なくないのだと。
双方が消耗戦に入り、長期の混沌と消耗の世界的停滞時代を経験するかもしれない。中国の体制が経済の悪化に耐えかねて瓦解する、というシナリオだってないとはいえないとも。
先行きが混沌とする「新冷戦」の時代に突入しています。
米国は、与野党一致して国益優先の行動をしています。
日本の野党の多くは、蛸壺の中での政局争いの足の引っ張り活動にご執心。=国力を削ぐ活動に専進。
福島さんのご指摘のとおり、来たる国政選挙では、我々国民がオールド偏向メディアに惑わされることのない投票をすることが必要となってきていますね。
# 冒頭の画像は、発表会で新型スマートフォンを掲げるファーウェイデバイスの呉波日本・韓国地域プレジデント
ファーウェイ製スマホの発売延期=KDDIとソフトバンク-ドコモは予約中止(時事通信) - Yahoo!ニュース
この花の名前は、マメザクラ
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米国はファーウェイの息の根を止めるのか? “準備済み”のファーウェイ、長期の消耗戦に突入する可能性も | JBpress(日本ビジネスプレス) 2019.5.23(木) 福島 香織
貿易戦争のエスカレートに続いて、5月15日にトランプ米国大統領が打ち出した“華為技術(ファーウェイ)殺し”が世界を動揺させている。世界の企業と市場に「米国か中国か、どちらを選ぶのか」と踏み絵を迫る意味があるからだ。
ファーウェイと取引のある企業のみならず世界経済に当面ネガティブな影響を与えることは必至だが、それが泥沼消耗戦となるのか、新な国際秩序の起点となるのか。
■市場の奪い合いを超えた「世界大戦」
米商務省が公開したエンティティリストに入っているファーウェイ関連企業は中国深センのファーウェイ本社や日本法人を含め69社。輸出者が輸出許可を取得しない限り、エンティティリストに入っている外国企業との取引は禁止される。つまりファーウェイは、米国企業から部品調達はもうできない。
米企業のみならず、日本企業を含む外国企業も、米企業の技術を25%以上使った部品をファーウェイ企業に売ることはできない。それどころかファーウェイはじめ中国企業と共同研究している企業や機関、大学などは、米国の国家安全を棄損する可能性があるとして米企業と取り引きできなくなるだろう。
米国は、ファーウェイを筆頭にした中国ハイテク企業をグローバルサプライチェーンから完全に締め出そうとしている。中興通訊(ZTE)が昨年(2018年)早々、同様の禁輸措置を課されて、あわや倒産というところまで追い込まれたが、巨額罰金や米国の監視チームの受け入れ、経営者刷新といった米国側の要求全面的に受け入れることで、昨年7月に禁輸措置を解いてもらった。だが、ZTEに対する“制裁”は、米国にとっては、ファーウェイを追いつめるためのプロセスみたいなものだ。今回の禁輸措置は、たぶん本気の“ファーウェイ帝国”潰しだ。なぜならファーウェイを潰し切れば、“中国製造2025”戦略を頓挫させ、中国の通信覇権の野望を打ち砕くことができる。それは米中ヘゲモニー(覇権)争いの勝敗の決定的な要素となろう。
もはやこれは経済上の摩擦でも、市場の奪い合いでもなく、戦争である。それも世界を巻き込む“世界大戦”といった見方でよいのではないだろうか。ファーウェイも中国も徹底抗戦の構えで、中国国内の報道ではかなり勇ましいことを言っている。
■1年分の米国製部品を備蓄?
ではこの“戦争”はどちらが勝つのか。
この予測については、目下、だれも明確な答えを出すことができない。どちらかがきれいな勝利を収める、という結末にはならないかもしれない。米中の経済規模の力量から言えば、米国の方がパワーがあり、米国が勝つ見通しの方が高かろう。だが、米国が完全勝利を収められるほどの力量差かというと、なかなか意見の分かれるところだ。
このあたりをBBC、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズが報じている内容を総じて、見てみよう。
2018年末にファーウェイが発表した主要サプライヤー92社のうち33社がインテル、クアルコム、ブロードコムといった主に米国の半導体企業である。25社がBYDや京東方科技集団など中国の液晶、電池企業。11社が村田製作所や東芝ストレージ、ソニー、三菱電機など、主にカメラ、電子部品を供給する日本企業。10社が鴻海、TSMCなど半導体製造、スマートフォン組み立ての台湾企業。このように米国への依存度が突出し、しかもベースバンドチップ、無線チップ、ストレージといった核心的な部品を米国から調達しているのだから、そこを押さえられたらファーウェイは絶対絶命、という見方は当然ある。
ただ、ファーウェイは自前半導体を設計できるメーカー、ハイシリコンを傘下に持っていることがZTEとは違う。問題は、すべてのファーウェイ製品に必要な半導体をカバーできるだけの能力をハイシリコンが目下もっていないということだ。2015年のファーウェイの半導体購入総額は140億ドル、うちクアルコム18億ドル、インテル6.8億ドル、ブロードコム6億ドル。ということは、短期的にはこれだけの額に相当する半導体が調達できず、生産に支障をきたすことになる。
ただ、はったりかもしれないが、ハイシリコン総裁の何庭波は社員に向けた公開書簡の中で、「数年前から今回のようなすべての米国の先進的半導体やその技術を得られない事態を想定して準備していた。・・・すでに“スペアタイヤ”を持っている」としている。
さらに第一財経によれば、ファーウェイはこの危機を予見して、核心的半導体の在庫が将来1年分くらいある、とか。つまり、米大統領選までの1年くらいは頑張るつもりで、在庫も代替技術もいろいろできることは準備していた、という話だ。
BBCの記事では、特許データ統計会社のIplyticsの見解が引用されている。いわく今年4月までに、5G標準に必要な特許総量は6万件以上、うち中国企業が申請している5G特許は35%、うちファーウェイの特許は15%でトップシェアを占める。さらにファーウェイが1年分の米国製部品の備蓄を整えているというのが本当なら、「ファーウェイは短期的影響を克服できると判断する。ファーウェイが自分でコントロールできるサプライチェーンを作り出せるかは1年以上の経過観察が必要」としている。
■ファーウェイは「意外に健闘」か
さらにファーウェイは非上場企業。米国サプライヤー企業はほとんど上場しているので、株価が影響を受ける。クアルコム、ブロードコムは5月16日にそれぞれ4%、2.33%下落。ファーウェイに光学部品を提供するネオフォトニックの株価は20.63%暴落で、これは創業4年以来の1日における最大暴落幅を記録した。ファーウェイに言わせれば、このファーウェイ締め出しによって、米国企業は万単位の雇用が影響を受ける、らしい。
もう1つ、米国半導体企業にとっての懸念材料は、米国の半導体企業が中国人エンジニアを雇いにくくなっていることだ。米政府はハイテク分野の中国人企業スパイを懸念して、その雇用に必要な審査や手続きが厳格化されている。だがインテルやクアルコムのエンジニアの6割が中国人であり、米国半導体業界の人材不足が深刻化しつつある。同時に、米国企業から排除されたハイテク人材が中国企業に集中して、中国の自前サプライチェーン確立にむしろ利するのでは、という考え方もある。
そう考えると、ファーウェイは意外に健闘するのではないか、とも思えてくる。
米国サイドの最大の強みは、ファーウェイを含め中国企業の半導体設備装置および検査装置、材料などがまだ内製化に至っていないことである。ただ、当たり前だが、中国は自国の半導体産業の弱点については熟知しており、製造装置や検査装置の開発は最優先で資力人力を投じている。実際、すでに2018年秋の段階で、上海微電子装備がそれなりの露光装置を完成しており、日本の専門家たちに言わせれば5年から10年もあれば中国も自前の製造設備を完成できるのではないか、という。
この5年を長いと思うか、短いと思うか。5年といえばトランプがもう一期大統領になったとして丸々の任期である。この間、中国ハイテク企業が米国主導のサプライチェーンから締め出され、地を這う経済の中での大衆の不満を力で抑え込み、苦境を生き抜き、自国主導のグローバルサプライチェーンを築いて生き残るかどうか。
いずれにしろ、米半導体企業の売り上げは大きく鈍化し、その競争力は衰えるだろうし、中国ファーウェイ帝国の影響力は大きく縮小されることになる。何のかんの言っても中国14億市場は今ファーウェイ応援一色に煽動されているので、ファーウェイが短期内に倒産に追い込まれるという感じではなさそうだ。
■米中のヘゲモニー争いが世界を二分する
今後の展開としてロンドン政経学院(LSE)の金刻羽教授や香港中文大学工程学院副院長の黄錦輝教授がBBCのインタビューに答えて言うのは、世界の通信システム・インフラが二分化される状況への突入だ。
金刻羽は「このようなシステムの二分化は強大な効率の損失だ」と批判するが、実はこの二分化は、単に通信システム・インフラが米国標準と中国標準に二分されるだけではなく、鉄のカーテンで隔てられた冷戦構造のように経済・貿易・金融のみならず価値観、安全保障、秩序、ルールでも世界を2つに分けることになる。それは効率の問題ではなく、新たな国際秩序の起点という意味を持つ。
問題はうまく世界が2つに分かれるか、どちらの世界がより発展するのか、日本は勝ち組に入るのか、という点だろう。
日本の取れる選択肢ははっきりいって米国サイドしかない。安全保障の観点からも価値観の観点からも、たとえ企業にとってはある程度のマイナス利益を飲むことになっても、「反日」を政権の正統性の根拠に置いている共産党体制の中国陣営に入ることはできない。だが、他の国はどうだろう。対中国に対する危機感の希薄なEUは足並みがそろえられないかもしれないし、中央アジアや中東、アフリカの部族社会は意外に中華独裁的価値観になびくかもしれない。中国秩序圏が膨張すれば、日本は米国秩序圏との境に位置する最前線にいる覚悟が問われよう。
米中のヘゲモニー争いは貿易戦争や通信覇権争いだけでなく、朝鮮半島、シリア・イラン、台湾、南シナ海あたりの様々な国際情勢の変化、双方の政権の安定性などの影響を受ける。政権の安定性からいえば、私は習近平の足元の方が、トランプよりも危ういと思っているのだが、欧米リベラルメディアの中にはトランプの足元を心配する声も少なくない。ひょっとすると新たな秩序が登場する前に、双方が消耗戦に入り、長期の混沌と消耗の世界的停滞時代を経験するかもしれない。中国の体制が経済の悪化に耐えかねて瓦解する、というシナリオだってないとはいえない。
まあ、トランプもころころ発言を変えるし、中国共産党も内部で揉めているらしい。一寸先も確定的なことは言えなくなってきた。そう遠くないタイミングで日本も選挙を迎えるのだとしたら、この難しい不確定要素の多い時代をうまく乗り越えるために必要な政治家を選ばなければいけない。
貿易戦争のエスカレートに続いて、5月15日にトランプ米国大統領が打ち出した“華為技術(ファーウェイ)殺し”が世界を動揺させている。世界の企業と市場に「米国か中国か、どちらを選ぶのか」と踏み絵を迫る意味があるからだ。
ファーウェイと取引のある企業のみならず世界経済に当面ネガティブな影響を与えることは必至だが、それが泥沼消耗戦となるのか、新な国際秩序の起点となるのか。
■市場の奪い合いを超えた「世界大戦」
米商務省が公開したエンティティリストに入っているファーウェイ関連企業は中国深センのファーウェイ本社や日本法人を含め69社。輸出者が輸出許可を取得しない限り、エンティティリストに入っている外国企業との取引は禁止される。つまりファーウェイは、米国企業から部品調達はもうできない。
米企業のみならず、日本企業を含む外国企業も、米企業の技術を25%以上使った部品をファーウェイ企業に売ることはできない。それどころかファーウェイはじめ中国企業と共同研究している企業や機関、大学などは、米国の国家安全を棄損する可能性があるとして米企業と取り引きできなくなるだろう。
米国は、ファーウェイを筆頭にした中国ハイテク企業をグローバルサプライチェーンから完全に締め出そうとしている。中興通訊(ZTE)が昨年(2018年)早々、同様の禁輸措置を課されて、あわや倒産というところまで追い込まれたが、巨額罰金や米国の監視チームの受け入れ、経営者刷新といった米国側の要求全面的に受け入れることで、昨年7月に禁輸措置を解いてもらった。だが、ZTEに対する“制裁”は、米国にとっては、ファーウェイを追いつめるためのプロセスみたいなものだ。今回の禁輸措置は、たぶん本気の“ファーウェイ帝国”潰しだ。なぜならファーウェイを潰し切れば、“中国製造2025”戦略を頓挫させ、中国の通信覇権の野望を打ち砕くことができる。それは米中ヘゲモニー(覇権)争いの勝敗の決定的な要素となろう。
もはやこれは経済上の摩擦でも、市場の奪い合いでもなく、戦争である。それも世界を巻き込む“世界大戦”といった見方でよいのではないだろうか。ファーウェイも中国も徹底抗戦の構えで、中国国内の報道ではかなり勇ましいことを言っている。
■1年分の米国製部品を備蓄?
ではこの“戦争”はどちらが勝つのか。
この予測については、目下、だれも明確な答えを出すことができない。どちらかがきれいな勝利を収める、という結末にはならないかもしれない。米中の経済規模の力量から言えば、米国の方がパワーがあり、米国が勝つ見通しの方が高かろう。だが、米国が完全勝利を収められるほどの力量差かというと、なかなか意見の分かれるところだ。
このあたりをBBC、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズが報じている内容を総じて、見てみよう。
2018年末にファーウェイが発表した主要サプライヤー92社のうち33社がインテル、クアルコム、ブロードコムといった主に米国の半導体企業である。25社がBYDや京東方科技集団など中国の液晶、電池企業。11社が村田製作所や東芝ストレージ、ソニー、三菱電機など、主にカメラ、電子部品を供給する日本企業。10社が鴻海、TSMCなど半導体製造、スマートフォン組み立ての台湾企業。このように米国への依存度が突出し、しかもベースバンドチップ、無線チップ、ストレージといった核心的な部品を米国から調達しているのだから、そこを押さえられたらファーウェイは絶対絶命、という見方は当然ある。
ただ、ファーウェイは自前半導体を設計できるメーカー、ハイシリコンを傘下に持っていることがZTEとは違う。問題は、すべてのファーウェイ製品に必要な半導体をカバーできるだけの能力をハイシリコンが目下もっていないということだ。2015年のファーウェイの半導体購入総額は140億ドル、うちクアルコム18億ドル、インテル6.8億ドル、ブロードコム6億ドル。ということは、短期的にはこれだけの額に相当する半導体が調達できず、生産に支障をきたすことになる。
ただ、はったりかもしれないが、ハイシリコン総裁の何庭波は社員に向けた公開書簡の中で、「数年前から今回のようなすべての米国の先進的半導体やその技術を得られない事態を想定して準備していた。・・・すでに“スペアタイヤ”を持っている」としている。
さらに第一財経によれば、ファーウェイはこの危機を予見して、核心的半導体の在庫が将来1年分くらいある、とか。つまり、米大統領選までの1年くらいは頑張るつもりで、在庫も代替技術もいろいろできることは準備していた、という話だ。
BBCの記事では、特許データ統計会社のIplyticsの見解が引用されている。いわく今年4月までに、5G標準に必要な特許総量は6万件以上、うち中国企業が申請している5G特許は35%、うちファーウェイの特許は15%でトップシェアを占める。さらにファーウェイが1年分の米国製部品の備蓄を整えているというのが本当なら、「ファーウェイは短期的影響を克服できると判断する。ファーウェイが自分でコントロールできるサプライチェーンを作り出せるかは1年以上の経過観察が必要」としている。
■ファーウェイは「意外に健闘」か
さらにファーウェイは非上場企業。米国サプライヤー企業はほとんど上場しているので、株価が影響を受ける。クアルコム、ブロードコムは5月16日にそれぞれ4%、2.33%下落。ファーウェイに光学部品を提供するネオフォトニックの株価は20.63%暴落で、これは創業4年以来の1日における最大暴落幅を記録した。ファーウェイに言わせれば、このファーウェイ締め出しによって、米国企業は万単位の雇用が影響を受ける、らしい。
もう1つ、米国半導体企業にとっての懸念材料は、米国の半導体企業が中国人エンジニアを雇いにくくなっていることだ。米政府はハイテク分野の中国人企業スパイを懸念して、その雇用に必要な審査や手続きが厳格化されている。だがインテルやクアルコムのエンジニアの6割が中国人であり、米国半導体業界の人材不足が深刻化しつつある。同時に、米国企業から排除されたハイテク人材が中国企業に集中して、中国の自前サプライチェーン確立にむしろ利するのでは、という考え方もある。
そう考えると、ファーウェイは意外に健闘するのではないか、とも思えてくる。
米国サイドの最大の強みは、ファーウェイを含め中国企業の半導体設備装置および検査装置、材料などがまだ内製化に至っていないことである。ただ、当たり前だが、中国は自国の半導体産業の弱点については熟知しており、製造装置や検査装置の開発は最優先で資力人力を投じている。実際、すでに2018年秋の段階で、上海微電子装備がそれなりの露光装置を完成しており、日本の専門家たちに言わせれば5年から10年もあれば中国も自前の製造設備を完成できるのではないか、という。
この5年を長いと思うか、短いと思うか。5年といえばトランプがもう一期大統領になったとして丸々の任期である。この間、中国ハイテク企業が米国主導のサプライチェーンから締め出され、地を這う経済の中での大衆の不満を力で抑え込み、苦境を生き抜き、自国主導のグローバルサプライチェーンを築いて生き残るかどうか。
いずれにしろ、米半導体企業の売り上げは大きく鈍化し、その競争力は衰えるだろうし、中国ファーウェイ帝国の影響力は大きく縮小されることになる。何のかんの言っても中国14億市場は今ファーウェイ応援一色に煽動されているので、ファーウェイが短期内に倒産に追い込まれるという感じではなさそうだ。
■米中のヘゲモニー争いが世界を二分する
今後の展開としてロンドン政経学院(LSE)の金刻羽教授や香港中文大学工程学院副院長の黄錦輝教授がBBCのインタビューに答えて言うのは、世界の通信システム・インフラが二分化される状況への突入だ。
金刻羽は「このようなシステムの二分化は強大な効率の損失だ」と批判するが、実はこの二分化は、単に通信システム・インフラが米国標準と中国標準に二分されるだけではなく、鉄のカーテンで隔てられた冷戦構造のように経済・貿易・金融のみならず価値観、安全保障、秩序、ルールでも世界を2つに分けることになる。それは効率の問題ではなく、新たな国際秩序の起点という意味を持つ。
問題はうまく世界が2つに分かれるか、どちらの世界がより発展するのか、日本は勝ち組に入るのか、という点だろう。
日本の取れる選択肢ははっきりいって米国サイドしかない。安全保障の観点からも価値観の観点からも、たとえ企業にとってはある程度のマイナス利益を飲むことになっても、「反日」を政権の正統性の根拠に置いている共産党体制の中国陣営に入ることはできない。だが、他の国はどうだろう。対中国に対する危機感の希薄なEUは足並みがそろえられないかもしれないし、中央アジアや中東、アフリカの部族社会は意外に中華独裁的価値観になびくかもしれない。中国秩序圏が膨張すれば、日本は米国秩序圏との境に位置する最前線にいる覚悟が問われよう。
米中のヘゲモニー争いは貿易戦争や通信覇権争いだけでなく、朝鮮半島、シリア・イラン、台湾、南シナ海あたりの様々な国際情勢の変化、双方の政権の安定性などの影響を受ける。政権の安定性からいえば、私は習近平の足元の方が、トランプよりも危ういと思っているのだが、欧米リベラルメディアの中にはトランプの足元を心配する声も少なくない。ひょっとすると新たな秩序が登場する前に、双方が消耗戦に入り、長期の混沌と消耗の世界的停滞時代を経験するかもしれない。中国の体制が経済の悪化に耐えかねて瓦解する、というシナリオだってないとはいえない。
まあ、トランプもころころ発言を変えるし、中国共産党も内部で揉めているらしい。一寸先も確定的なことは言えなくなってきた。そう遠くないタイミングで日本も選挙を迎えるのだとしたら、この難しい不確定要素の多い時代をうまく乗り越えるために必要な政治家を選ばなければいけない。
トランプ米国大統領が打ち出した“華為技術(ファーウェイ)殺し”で、ファーウェイは、米国企業から部品調達が出来なくなるのです。
米企業のみならず、日本企業を含む外国企業も、米企業の技術を25%以上使った部品をファーウェイ企業に売ることはできない。
米国は、ファーウェイを筆頭にした中国ハイテク企業をグローバルサプライチェーンから完全に締め出そうとしていて、中興通訊(ZTE)は昨年(2018年)早々、同様の禁輸措置を課されて、あわや倒産というところまで追い込まれました。
今回の禁輸措置は、たぶん本気の“ファーウェイ帝国”潰し。
“中国製造2025”戦略を頓挫させ、中国の通信覇権の野望を打ち砕く米中ヘゲモニー(覇権)争いの勝敗に影響を及ぼすと。
もはやこれは経済上の摩擦でも、市場の奪い合いでもなく、世界を巻き込む戦争だと福島氏。
この“戦争”はどちらが勝つのか。
米中の経済規模の力量から言えば、米国の方がパワーがあり、米国が勝つ見通しの方が高いが、米国が完全勝利を収められるほどの力量差かというと、なかなか意見の分かれるところだと。
ファーウェイの部品調達は、取引先数や重要度において圧倒的に米国に依存。そこを押さえられたらファーウェイは絶対絶命。
しかし、ファーウェイ側は、「数年前から今回のようなすべての米国の先進的半導体やその技術を得られない事態を想定して準備していた。」のだと。
核心的半導体の在庫が将来1年分くらいあり、米大統領選までの1年くらいは頑張るつもりで、在庫も代替技術もいろいろできることは準備していた、という話なのだと。
米国サイドの最大の強みは、ファーウェイを含め中国企業の半導体設備装置および検査装置、材料などがまだ内製化に至っていないこと。
ただ、5年から10年もあれば中国も自前の製造設備を完成できる。
5年といえばトランプがもう一期大統領になったとして丸々の任期。
この間、中国ハイテク企業が米国主導のサプライチェーンから締め出され、地を這う経済の中での大衆の不満を力で抑え込み、苦境を生き抜き、自国主導のグローバルサプライチェーンを築いて生き残るかどうかが勝負の分かれ目。
今後の展開として、世界の通信システム・インフラが二分化される状況への突入が論じられているのだそうです。
この二分化は、単に通信システム・インフラが米国標準と中国標準に二分されるだけではなく、鉄のカーテンで隔てられた冷戦構造のように経済・貿易・金融のみならず価値観、安全保障、秩序、ルールでも世界を2つに分けることになるのだと。
米中の覇権争いに、福島氏は政権の安定性からいえば、習近平の足元の方が、トランプよりも危ういと思っているのだが、欧米リベラルメディアの中にはトランプの足元を心配する声も少なくないのだと。
双方が消耗戦に入り、長期の混沌と消耗の世界的停滞時代を経験するかもしれない。中国の体制が経済の悪化に耐えかねて瓦解する、というシナリオだってないとはいえないとも。
先行きが混沌とする「新冷戦」の時代に突入しています。
米国は、与野党一致して国益優先の行動をしています。
日本の野党の多くは、蛸壺の中での政局争いの足の引っ張り活動にご執心。=国力を削ぐ活動に専進。
福島さんのご指摘のとおり、来たる国政選挙では、我々国民がオールド偏向メディアに惑わされることのない投票をすることが必要となってきていますね。
# 冒頭の画像は、発表会で新型スマートフォンを掲げるファーウェイデバイスの呉波日本・韓国地域プレジデント
ファーウェイ製スマホの発売延期=KDDIとソフトバンク-ドコモは予約中止(時事通信) - Yahoo!ニュース
この花の名前は、マメザクラ
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