遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

英国の議会制民主主義 混迷を続けるのか安定を取り戻すのか 総選挙まで1週間

2015-05-01 23:58:58 | my notice
 二大政党の政権交代の形で、世界の範たる議会制民主主義を続けていた英国は、2010年の総選挙で過半数を獲得する政党がなく、二大政党の形が崩れ、戦後初めて連立与党の政権体制に変わりました。そして、昨年には、英国からの独立を掲げたスコットランド民族党(SNP)の躍進で、分離独立の住民投票が実施されるに至りました。
 数百年に渡り築きあげられた二大政党による議会制民主主義が、大きく揺れています。
 1週間後に迫った総選挙で、国民は多党乱立の混乱した政治を続けるのか、伝統の二大政党政治に戻すのかの結論を出すことになります。
 ちなみに、二大政党による政権交代の議会制民主主義が理想だと、真似た日本は、民主党に政権を持たせましたが見事に大失敗し、国の存亡が危うくなり、自民党に政権を戻し、公明党を加えた与党の圧倒的多数政治体制に戻すことで、政治の安定と経済の復調を取り戻しつつあります。
 

英混沌 総選挙まで1週間 (5/1 産経)

■前外相「分裂招く」/過半数政党ない「中ぶらりん」予測
 【ロンドン=内藤泰朗】英国で7日に投開票される総選挙(定数650)まで残り1週間となった。「第3勢力」の台頭が予測される中、与党・保守党と最大野党・労働党は支持集めに懸命だ。どのような枠組みになろうと、政策立案や実現性などの点で両党が重要な地位を占めることは事実で、小政党の支持者が不安定化を嫌い、二大政党に票を投じる可能性を指摘する声も出ている。
 「昨年の住民投票で英国からの独立を掲げたスコットランド民族党(SNP)が躍進し、二大政党に次ぐ第三党となって影響力を増せば、英国の分裂を招きかねない。国家の先行きが不透明な危機的状況を救えるのは保守党政権だけだ」
 キャメロン政権の前外相で、保守党党首も務めたヘイグ下院院内総務は4月中旬、こう強調した。

 
二大政党の潮流
は国王擁護派の「トーリー党」(保守党の前身)と、反国王派の「ホイッグ党」(自由党、自由民主党の前身)にさかのぼる。1920年代以降は国民の意識が変わり、保守党と労働党の二大勢力による政権交代の形へと変化した。
 しかし、
2010年の前回総選挙では、どの政党も過半数(326議席)を獲得できず、第一党となった保守党と第三党の自由民主党が連立内閣を組んだ
。連立政権は、第二次大戦中のチャーチル挙国一致内閣以来戦後初めてのことだった。
 単独政党の政権に慣れていた人々からは当初、「すぐに行き詰まり、崩壊するだろう」という懐疑的な見方が強かった。
 だが、キャメロン首相は自民党党首のクレッグ副首相からの要請を受け、総選挙は5年ごとに5月の第1木曜日に行うと定めた「議会会期固定法」を採決した。
 これにより、首相は連立政権を安定させることには成功した。半面、同法は首相が解散権を放棄したことを意味するため、専門家の間では首相の指導力低下は否めないと指摘する声もある。

 
世論調査はどの政党も過半数に達しない「ハング・パーラメント(中ぶらりん議会)」になると予測し、再び連立政権ができる可能性が高い
と伝えられる。
 「多党が乱立し、中ぶらりん議会や連立政権が誕生するのは、
二大政党に不満を持つ民意の証し
だ。それは政治がより混迷する原因にもなりかねない。だが、二大政党の変革につながれば、中ぶらりんも悪くない」。英国人記者からはこうした声も聞かれる。
 英国は1選挙区につき1人しか当選できない小選挙区制を導入した。死票を嫌って二大政党に投票する傾向が強いうえ、制度の特徴から第一党による安定した政権が生まれやすいシステムだ。
 「総選挙は人気投票ではない。誰に国の運営を任せるかの選択だ。ミリバンド(労働党党首)か、私かの選択肢しかない」。キャメロン氏はこう訴えて国民に選択を迫る。
 先のヘイグ氏も、「英国は数百年にわたり二大政党政治を築き上げてきた。(これについて)死亡記事を書くのはまだ早い」と述べる。
長い伝統を誇り、日本の政治制度にも影響を与えた英国の議会制民主主義。今回の総選挙はその方向性を決する重要な意味を持ちそうだ

 話題が逸れますが、こうした国内の混乱から、経済成長政策で支持率を挽回しようと焦る政府は、ウィリアム王子の実業団を大挙同道させた訪中を実施し、香港の民主化で軋轢があったのはどこへやら、周回遅れだった対中貿易の拡大に走りました。
 更に、世界の金融の拠点を自負し、その地位を護る為、中国の提唱するAIIBに、同盟国の米国の制止を振り切って率先加入し、G7諸国他のAIIB加入の雪崩現象を産み出す役割も演じました。

 余談ついでにもうひとつ。「たかじんのそこまで言って委員会」で、ヨーロッパで一番悪な国は何処かと題した放送をしていました。
 一番の悪は、イギリスとの多数決での結論。理由は二枚舌。
 
そこまで言って委員会NP4月26日欧州ワルぃードカップ

   ↑
  (視聴は自己責任でお願いします。)

 EUに加盟し、独仏と共にリーダーシップをとる様に見えながらも、ユーロは参加せず、伝統あるポンドを継続。最近では、EU脱退の声も高まっている状況です。

 今回の総選挙も、世論調査ではどの政党も過半数に達しない「ハング・パーラメント(中ぶらりん議会)」になると予測されているのだそうですね。それは、これまでの二大政党の政治に民意がNOをつきつけているから。二大政党の変革への産みの苦しみは続くことになるのでしょうか。

 

 # 冒頭の画像は、キャサリン妃の第二子誕生を待つ人々に王子夫妻から配られる暖かいコーヒーと、クロワッサン、デニッシュ




  アサギリソウ


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