遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

小川法相の死刑執行は当然の責務

2012-03-30 23:43:58 | my notice
 最高裁で違憲状態と判決を下されても、ぐだぐだ言って一向に判決に従った行動を起さない国会議員。法律を作るけど、法律を平気で守ろうとしていないのです。国歌を起立斉唱と定められているのに、教え子の前で規則を破る先生。日本国は、もっとも遵法の範を示すべき人々が法を護らず平気でその職に留まれる、およそ法治国家とは言えない国に堕落してきてしまっています。
 その最たるものが、法務大臣がその職務を放棄して、死刑執行を行わないという法を無視する行動でした。
 小川大臣については国会内で携帯で私用の競馬サイトを見るという、低次元の弛緩振りでしたが、千葉氏が最後にしぶしぶサインして以来の死刑執行を実施したことは、法治国家に戻った正当な行為がなされたと言えます。こんなあたりまえのことを、大騒ぎせねばならない国になってしまっていることが、亡国への道を進んでいると気づかされます。
 
死刑執行 法相が重い職責を果たした : 社説 : YOMIURI ONLINE
 
死刑執行周到に準備 民主政権1年8か月ぶり 積極派法相登用・勉強会は廃止 (3/30 読売朝刊)

 死刑の執行が29日、1年8か月ぶりに再開された。死刑に消極的ともみられていた民主党政権
下で2度目となる執行の背景に、何があったのか。舞台裏を検証する。 (社会部・稲垣信、政治部・萩原栄太)

 「裁判員も含めて苦しんで死刑判決を下したのに、執行されなければ何も意味がない」。今月16日の衆院法務委員会。自民党議員から問いただされると、小川法相は「執行が職責であるということは、しっかり認識している」と答えた。
 さらに28日、参院法務委で、死刑の執行命令書にサインするのかと迫られた法相は、「考えに変わりはない」と繰り返した。実はこの時には既にサインを終え、翌朝の執行に向けた準備が始まっていた。
 小川法相は今年1月の内閣改造で、問責決議も出ていなかった平岡秀夫前法相の後任に指名された。民主党内には
「執行ゼロの状態を嫌った野田政権が、積極派の法相を送り込んだ」
との見方がある。
 2009年9月の政権交代後、死刑執行は千葉景子元法相の時の1回(2人)だけで、その後は
平岡氏まで4人にわたりゼロだった。特に昨年は19年ぶりに執行がなく
、犯罪被害者団体からは「執行しない法相には問責決議を出す運動をするべきだ」との声さえ出た。
 そんな状況下で小川法相が就任。この時点で既に死刑囚は130人を超えており、危機感を募らせた法務省側は、執行の必要性について説明を重ね、法相も理解を示した。死刑廃止派だった千葉氏が設置した死刑制度の存廃に関する省内勉強会の存在が、その後の執行回避の理由ともなっていたが、法相は早々に議論の打ち切りを示唆し、3月6日には廃止を決めた。
 就任から3か月での執行について、省内には「意外に早かった」との受け止めもあるが、幹部の一人は「大臣に慎重に検討してもらう時間はとった」と明かし、周到な準備があったことをうかがわせた。

裁判員判決も重視

 今回の執行で特徴的なのは、小川法相が執行後の記者会見で、
裁判員裁判で死刑判決が13件言い渡されていることを決断の理由に挙げたことだ。過去に死刑が執行された際は、凶悪犯罪の抑止や被害者遺族への配慮、世論調査での「死刑支持」の多さが理由とされることが多かった。これに対し、死刑廃止団体
などは「死刑に犯罪の抑止効果はなく、遺族感情を理由にすれば国家によるあだ討ちになってしまう。世論調査も感情的な意見の表れだ」と反発していた。
 しかし、裁判員裁判では、一般市民が被告の死を選択する苦しみに直面しながら判断を下す。大阪地裁で昨年9~10月にあった放火殺人事件の審理では「絞首刑は残虐か」が争点になったが、
裁判員らは「死刑囚はそれに値する罪を犯しており、多少の苦痛は甘受するべきだ」と判断
した。小川法相は、これらの判断を死刑に対する強い支持として前面に押し出すことで、廃止論を封じようとしたとみられる。
 小川法相が会見で、「刑罰権は国民にある」という表現を使ったことには、直後に記者会見した「死刑廃止を推進する議員連盟」の議員から、「執行という重い判断を国民に転嫁している」との批判も出た。
 ただ、法務・検察内部では「国民の負託を受けて刑罰権を行使したということを言い換えただけで、裁判員が重い判断をしている以上は執行から逃げられないという考え方は当然のことだ」などと、法相を支持する声が相次いだ。

 「内閣府の世論調査では、死刑制度を容認する国民が85・6%に達している。多くの国民が、死刑を廃止すれば、遺族の感情が癒やされず、凶悪犯罪が増えると懸念している事実は重い」と社説で書かれている通りです。
 対象者年齢の引き下げや、複数人の殺人でなければ死刑にならないことの改善など、被害者の命と加害者の命に差別があることは加害者の過保護で逆不平等で改革が進められています。人の命は重いものです。しかし、殺人犯罪を犯した犯人の命が、善意の被害者の一人の命より重く扱われるのは、その逆があってもおかしくないくらいで、全く逆の人の命の扱いです。
 犯罪者に過ちを反省し更生を期待すると言っても、その犯罪者によって消された被害者の命は、戻ってこないのです。
 人の命は重たいと主張すればするほど、人の命を死刑で人が奪ってはいけないと言え言うほど、善意の人の命を消してしまった罪の重たさがいかに重いものか理解できるはずです。自らの命で償っても償いきれないほど重いのです。
 一人くらい殺しても大丈夫。未成年なら罪が軽い。ではなく、殺人はしてはならないと。人の重たい命を消すことは、償いきれない犯罪なのだと知らしむべきです。

 死刑の判決が下される実績推移のデータが下記の収監中の死刑囚一覧でしかみつかりませんでしたが、無差別殺人犯罪など命を軽んじる犯罪は増えている感覚があります。
 
日本における収監中の死刑囚の一覧 - Wikipedia

 小川大臣が、裁判員裁判のことを持ち出したことに、テレビ朝日の某番組のコメンテータは法の論理で判断すべきを、感情に判断をゆだねようとしていると批判していました。小川大臣の死刑執行は、法を守るべく職務を執行したのであって、そのコメンテータが感情で喋っていて、しかも裁判員裁判を愚ろうしているとは気づいていないのです。しょせんはテレビ朝日が雇っているコメンテータですから、しかたのないことですが。

 小川大臣の他の行為は別として、本件に関しては批判が目立つので、当たり前のことをしただけとする読売の記事や社説に賛同するとともに、小川大臣の本件の行動には賛意を一票投じます。

 <参考> 世界の死刑制度の現状 - Wikipedia



 # 冒頭の画像は小川法務大臣





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