遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

進む中国の尖閣領有作戦

2012-03-29 23:50:32 | 東シナ海尖閣諸島
 3月16日に「海監50」と「海監66」の二隻が尖閣近海の巡視活動を行い、内1隻が日本の領海侵犯をした後、17日には、東シナ海のEEZ境界付近のガス田「白樺」と「平湖」の周辺で、他の巡視船4隻と合流し、巡視ヘリも加わった海空合同訓練を実施していました。
 そしてこれは、日本の実効支配の「打破」を目的にした「定期」巡視だと、中国国家海洋局の東シナ海管轄当局者が発表しました。つまり、中国は尖閣の領有に向けた作戦の実行を開始したと宣言したのでした。開戦布告と受け取るべきでしょう。
 有言実行の中国は、次々と行動を起してくるはずですが、先ずは地図の徹底と、定期巡回実施の強化を重ねて宣言しています。
 

中国「領有権」へ布石 東・南シナ海地図で指示 巡視を常態化 (3/29 読売朝刊)

 【北京=大木聖馬】中国の胡錦濤政権が、東シナ海や南シナ海で中国が主張する領海、領土の地図化に乗り出し、巡視活動も常態化させるなど、実効支配に向けた動きを本格化
させている。将来や現在の領有権争いをにらみ、有利に立とうとする思惑とみられる。

 27日付の国際問題専門紙「環球時報」によると、中国外務省や共産党中央宣伝部など13機関は「南シナ海の島々に関する地図を作製し、
我々の(領有権の)主張を示す
」と発表した。
 発表は、東シナ海についても、「釣魚島(日本名・尖閣諸島)などの
重要な島々を書き漏らした『問題地図』がいまだに存在
し、ネットなどで使われ、国益を損なっている」と指摘した。中国の主張通りの南シナ海の地図をまず作製し、中国側から見た不正確な東シナ海の地図も追放する意思を示したものだ。
 一方、中国紙「南方週末」(22日付)は、「国際法が島の帰属を判断する際、どちらの証拠が十分であるかが主な根拠となる。証拠が不十分なら、どちらが実効支配しているかをみる」との海軍系研究員の分析を載せた。現実には起こりにくいが、中国が仮に、国際海洋法裁判所に提訴されて争うことになった場合、
地図の表記や、巡視活動などで海域を管理しているという実態
が「根拠」となるとの見方だ。
 こうした考えから、胡政権は、地図を「正確な表記」で統一するよう、国内に号令をかけたとみられる。
 南シナ海については、ボルネオ島沖まで伸びる舌のような形状の広範囲な海域の領有を示す地図が、中国にはある。今回は発表されていないが、東シナ海についても将来、
沖縄・尖閣諸島と周辺海域を明瞭に組み込んだ地図の作製・利用を徹底
させるはずで、日本の領土である重要な島を中国名とともに表示することは、その一歩となる。
 さらに、東シナ海や南シナ海での
巡視活動を活発化させ、各国が実効支配している現状を少しずつ突き崩しておく
思惑だ。
 国家海洋局の巡視船が東シナ海で3月中旬、尖閣諸島沖の日本の領海に侵入し、ガス田「白樺」(中国名・春暁)の周辺で訓練を行った後、同局幹部は共産党機関紙「人民日報」に対し、「
釣魚島の周辺海域での巡視活動は日本の実効支配を打破する
のに役立つ」と明言した。
 AP通信によると、ベトナムと領有権を争う南シナ海の西沙諸島の海域でも3月以降、中国側が実弾演習や海底油田開発の入札を進め、「違法操業」した
ベトナム漁民21人も拘束
した。
 同時に、南シナ海の領有権問題が深刻化しないよう、東南アジア諸国連合
(ASEAN)の"分断工作"も進めている
。領有権を争わないカンボジアに対しては、胡主席が30日、訪問するなどして、関係強化を図る。

 中国には「実効支配が50年続くと国際法の判例で尖閣諸島が日本の領土として定着しかねない」との強い危機感があり、定期巡回によって「(50年の)実効支配によって(日本の領有権を定着させる)『時効』を取得し、釣魚島を窃取しようとする(日本の)たくらみを打破する」と国家海洋局当局者が力説していたことは、既に以下で触れさせていただいていました。
 
「海監」の尖閣巡視活動は、「日本の実効支配」打破が目的 - 遊爺雑記帳

 つまり、国際世論に向けて環境実績の構築を着々と進めているのです。それは今や、南シナ海、東シナ海の差はなくなり同時進行のレベルに格上げされ、尖閣=沖縄の危機も切迫してきているのです。
 
 対する日本国は、さしたる反応はなく、輿石などは朝貢外交をして媚を売っている始末ですね。
 中国は、段階的に攻勢し反応を見ながらそのレベルを上げてきます。今の民主党政権の反応は、中国の侵略を容認すると言っている反応になっています。
 増税に懸けていただくのは結構ですが、国を護るのは財政だけではありませんし、隙を見せれば、虎視眈々と隙あらばと伺っている隣国を複数持っている日本では、その虚を突かれるのは当然で、同時進行形で各方面に対応がなされなければ政府とは言えません。
 なので、国際会議で各国首脳と数分の立ち話(通訳を入れたら挨拶で終わり)しか出来ず、つんぼさじきにはじかれてしまうのです。(もっとも、米国には普天間もTPPも何ら進展がなく、中国には侵略に対する抗議をする度胸もない現状では、こちらからも会わせる顔もないのが実情。)

 そんな頼りにならない日本を見限ると共に、中国のミサイルの射程から逃れようと、米軍再編の方向を転換した米国は、もっぱらオーストラリアとの連携に注力し次々と実行に移そうと計画をしている様ですね。

 
米軍、インド洋に新拠点も 豪と軍事協力拡大協議  :日本経済新聞 ←日本からの眼線

 
米偵察機、オーストラリアから中国監視か | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト  ←米からの眼線では豪の反応は微妙?

 無人島を巡回管理するという外観では、日中の差はなくなってきていると第3者から観られかねない状況になりつつあります。日本の実効支配強化が緊急を要します。
 難破や故障した漁船を接岸上陸させその救助で艦船が出動上陸し、居座られたら、取り返しのつかないことになります。


 # 冒頭の画像は、グローバルホーク



  白玉梅のつぼみ

↓よろしかったら、お願いします。





Fotolia


中国は日本を併合する
続 中国の海洋戦略





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« シャープ 液晶の斜陽でEM... | トップ | 小川法相の死刑執行は当然の責務 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

東シナ海尖閣諸島」カテゴリの最新記事