遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

豊洲移転か築地再整備か

2017-04-10 23:58:58 | my notice
 浜渦元副知事が、百条委員会での偽証指摘に対する反論記者会見をしました。
 その会見について、読売テレビ・ミヤネ屋がユニークな着眼をしていましたね。豊洲移転を推進したのは、副都心開発がバブル崩壊で赤字をかかえ、その資金穴埋めに、築地を売却してあてることにした。なので、石原・浜渦都政の前から豊洲移転ありきで話が進められていたというのです。
 副都心開発の赤字補填に市場会計の資金を一般会計に回し、築地を移転売却して資金を獲得するという構想で、現千代田区長で、臨海副都心開発部長だった前川氏等が推進していたというのです。

 
小池劇場では解明不能?豊洲移転問題の「複雑すぎる人間模様」(伊藤 博敏) | 現代ビジネス | 講談社
 
築地市場移転、なぜ「最もふさわしくなかった」はずの豊洲が選ばれたのか

<前略>
都の中央卸売市場は、1986年の第4次再整備基本方針に基づき、91年1月から築地での再整備工事を進めていた。
基本方針では、「老朽化」「狭溢・過密化」などによって、再整備が緊急な課題になっているとして、次のように必要性を示している。

<築地市場を他の場所に移転することは、流通の実体、社会的要因から極めて難しい。現在地は隅田川の河口に面し、周辺には豊海などの冷蔵庫群が控えるという優れた地理的条件下にありながら、しかも22.5haという都心部としては広い敷地を有している>

つまり、この時までは、
市場は移転するのではなく、あくまでも築地での再整備が前提だった


■「豊洲ならば可能性がある」 急浮上した移転案

88年11月、当時の鈴木俊一都政は、庁議に諮り、再整備基本計画を決定している。それは、基幹施設が「平面」という卸売市場業界の常識を破る「水産1階、青果2階」という前例のない大規模立体化計画だった。

築地で再整備だったはずが、東京魚市場卸協同組合(以下、東卸)が02年11月に発行した『東京魚市場卸協同組合五十年史』によると
、95年8月、市場当局が、前月に調査に出かけた港湾局と「協議」した
という記述がある。港湾局からは、<臨海部に市場が立地できる場所は城南島(東京都大田区)、豊洲、外防(※筆者注:中央防波堤外側)であれば可能性がある>ことを示唆されたという。

翌9月、
港湾局と協議した市場当局は、内部で、<再整備基本方針の見直しと並行して移転の可能性を検討>している。
その後、城南島と外防の記述はないが、豊洲と比べれば「遠い」立地だけに、立ち消えになったのであろう。

翌96年になると、当時の番所宏育市場長が「年頭会見」で、「移転を検討するとすれば、豊洲ならば可能性がある」と発言
。同年4月、東京都中央卸売市場審議会が「卸売市場基本方針」の中で、「築地市場は、現行計画を見直す必要がある」と答申した。
この年、
築地での再整備工事は約380億円を注ぎ込みながら、なぜか途中でストップしてしまった


こうした移転候補地の実施調査を始めたことについて、当時の東卸組合・築地市場再開発特別委員会の伊藤宏之委員長は、今年9月、テレビ番組の取材に「後で聞きました」と証言。当時の番所宏育市場長も「覚えていません」と答えている。結局誰が「豊洲」の話を持ちかけたのか、わからない状況なのは、消えた盛り土問題と同じような構図だ。

<中略>

■バブル経済のツケを押しつけた

例えば、2000年11月、都庁職中央市場支部の鈴木清司支部長が、
「苦しい市場会計から、東京都の一般会計に2400億円も貸し出した財政運営について理解に苦しむ。なぜ、このような財政運営をするのか」
という公開質問状を出している。これに対し、当時の大矢寛市場長は「今日は回答できない」と述べるに留まった。

当時、市場業界の関係者は、筆者に対してこう説明した。

「当初、築地での再整備計画で、都は約2400億円の予算を組んでいたんです。しかし、バブルが崩壊して、臨海再開発も失敗し、財政が悪化した。本来は、築地再整備のための独立会計予算をその穴埋めで使ってしまい、資金が不足した。だから築地を売却して、移転するしかなくなってしまったのです」


これを裏付けるように、前出の「五十年史」でも、こう記述されている。
<都の路線変更にあったのは、バブル経済の破綻で都市場の財政事情が極めてひっ迫してきたことがある。都市場は企業会計方式を採用しており、施設整備費の大部分は起債に依存していた。使用料で賄うことなどは殆ど不可能である。起債残高が1000億円もある中で、すべてを築地市場に投入するわけにはいかない事情があった>

その後、都知事選に立候補した
青島幸男氏は、臨海副都心計画は実施しないことを公約に掲げて当選した。

<平成7年(95年)の夏、
都の港湾局から臨海部に築地市場を移転させるべく、都市場当局に盛んにシグナルが送られていた。当時の港湾局が、一大商業機能を持つ築地市場を移転させ、臨海部開発とリンクさせたい意向
があったことは容易に想像がつく>

<「豊洲なら可能性があると聞いている」と無責任であるが業界にサインを送るのが精一杯だったようである>つまり、
都の失政の尻拭いを築地市場の人たちが被せられたという格好になった
のだ。
しかも、
その押し付けられた土地こそ、ベンゼンやシアン、水銀などの有害物質が土壌や地下水から検出されている汚染地だった
のだ。

しかし、この地の土壌汚染の存在については、2001年1月に東京ガスがプレスリリースを出すまで、一般に公表されることはなかった。

卸業界の中央魚類元社長であり、東京都卸売市場業者協会の会長も務めていた千草秋夫氏(ペンネーム)は、東卸組合の図書館「銀鱗会」の雑誌「銀鱗」の中で、こう記録に残している。
<築地の場合も当初発表された計画通り進んでいれば、平成16、7年(2004、05年)には完成であったが、行政の不手際によって「百年河清を待つ」状態に置かれている。
今日、移転・非移転の状況を招いて、骨肉相食む争いを業者間に生んだのも、すべて行政の責任である>



 浜渦武生元副知事、偽証の指摘に反論「嘘をついていると言うなら根拠を」【豊洲市場問題】

 浜渦氏の今日の会見の報道は、おおむね上記リンクの様であるか、浜渦批判ですが、ミヤネ屋は、鈴木、青島時代に浜渦氏が触れ、前川氏に言及したところから、副都心開発のバブル崩壊による赤字補てんの為の築地売却・豊洲移転に焦点を当てたのでした。
 前川、浜渦両氏のバトル。今後もつづくのでしょうか。百条委員会の再開で、両氏の食い違い証言の追及はあるのでしょうか。記者が、浜渦氏に百条委員会の開催を要求するのかと質問をしていましたが、浜渦氏は「百条委員会の開催は議会が決める事。私は待つ立場。呼ばれればいつでも出席する。」と答えています。その通りで、記者の無知さが露呈された場面でした。他にも、低レベルの勝手な推測話の質問が少なくなく、真相を問いただそうとするより、売れる見出しづくり用の質問がありましたね。メデイアの質が低下していると感じさせられました。
 同様に、真相追及より、都議選に向けたパフォーマンスに走る議会の百条委員会ではなく、メディアが浜渦、前川両氏の対談を企画すれば良いだけの話です。

 都議選に向け、自民党が小池知事との対決姿勢を鮮明に打ち出して、豊洲移転早期決断を迫っています。石原氏が喚問で、小池知事に移転の決断を迫ったことと連動したものかは定かでありませんが、石原氏の発言以来、科学的に安全なので、豊洲移転を早期に決断すべきとの声が高まってきたことが背景にあるのでしょう。
 しかし、科学的に地下の汚染対策として、盛り土が必要とされていたのに、盛り土がなされていないという、そもそもの発端への科学的対策がなされたのでしょうか。地下水に、飲料水の基準を適用して論じるのが間違いと言った論が根拠になっているだけでいいのでしょうか。科学的に盛り土が必要とされたのですから、盛り土に代わる科学的対策がなされてこそ、科学的に安全・安心となるのだと考えます。

 他方、忘れられているのが、豊洲が開業すれば、100億円/年の赤字が続くという、豊洲市場の財務体質への対策。市場独立会計が原則で、都民や国民の税金は使われないはずですから、どうやって赤字解消するのでしょう。原価償却は出金にはならない(それでも赤字にはなる)との乱暴論。将来の補修・建て替えへの備えはどうするつもりなのでしょう。

 その中で、市場問題プロジェクトチームの座長が、築地再整備の私案を公表されています。
 

築地再整備「土壌」除き734億円 都PTが座長私案  :日本経済新聞

 東京都の築地市場(中央区)の移転問題を検証する市場問題プロジェクトチーム(PT)の小島敏郎座長(弁護士)は8日、築地市場を現在地で再整備する私案について仲卸業者らに説明。総事業費を700億円余と見込んでいることなどを明らかにした。

 小島座長の説明では、再整備の総事業費は土壌汚染対策などを除いて約734億円と見込んでいる。調査・企画に1年半、工事に5年半の計7年間かけるとしているが、環境影響評価(アセスメント)は含まれていない。既存の建物を解体して種地を確保し、場内で移転を繰り返しながら工事をする「ローリング工法」を採る。
 豊洲市場(江東区)は約150億円かけて解体し、跡地は約3200億~4370億円で売却するとした。跡地の評価額の具体的な算定根拠は示さなかった。都の用地取得費は1900億円弱だった。
 説明会では、豊洲移転に慎重な仲卸から賛同する意見があがった。移転推進派は欠席した。

 築地の再整備は1990年代前半に工事に着手したが、頓挫した経緯がある。
 業界団体で構成する築地市場協会の伊藤裕康会長は説明会に先立って記者会見し、私案について「市場を知らない人が書いた」と批判した。泉未紀夫副会長は「30年間、できもしないことにさんざん振り回されてきた。これ以上移転が遅れるのは時間、カネ、マンパワーのロス」と再整備に反対する考えを強調した。

 下村氏「判断先送りは税金の無駄」 豊洲移転巡り  :日本経済新聞

 豊洲で開業したら、100億円/年の赤字が発生する。誰がこれを負担するのか。その解決策なしで、風に吹かれるままに、豊洲移転してよいのでしょうか。
 五輪費用負担も未解決のまま。東京都のお役人様は、お金の支出のことは、考える習慣は希薄なご様子。メディアも考えが至らず、風のふくまま、騒いで視聴率や売上が優先?
 小池都知事、踏ん張りどころですね。



 # 冒頭の画像は、偽証反論会見する浜渦氏




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