サムスンの総帥の李健熙会長の容体は改善しているとのことで、お喜び申し上げます。たまたま、早稲田大学で名誉博士を授かられる場で、遠くの席からお元気な姿を拝見した機会がありましたが、一つの時代を築かれた企業人として、学ぶべきところは少なくないかたです。
直近の業績の急転落に、お元気であればいかに対処されるのか、手腕を拝見したいところです。
しかし、日本のメーカーが、米国を追撃して追いつき、次に、サムスンが日本のメーカーを追撃して追い越して駆逐したように、今、中国企業に猛追されているのですが、歴史は繰り返す定めの流れの渦中からの脱出は容易ではなさそうです。
サムスン失速 中国勢が仕掛けるスマホデフレ ~サムスンショックの底流(上) :日本経済新聞
この花の名前は、ギョリュゥバイ
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直近の業績の急転落に、お元気であればいかに対処されるのか、手腕を拝見したいところです。
しかし、日本のメーカーが、米国を追撃して追いつき、次に、サムスンが日本のメーカーを追撃して追い越して駆逐したように、今、中国企業に猛追されているのですが、歴史は繰り返す定めの流れの渦中からの脱出は容易ではなさそうです。
サムスン失速 中国勢が仕掛けるスマホデフレ ~サムスンショックの底流(上) :日本経済新聞
サムスン脅かす「中国のアップル」支える黒子たち ~サムスンショックの底流(下) :日本経済新聞
新たな「ITピラミッド」
米クアルコム、シャープ、台湾の鴻海精密工業と英業達――。中国で急成長の北京小米科技(シャオミ)が7月22日に北京で開いたスマートフォン(スマホ)の製品発表会。雷軍・董事長兼最高経営責任者(CEO)から「特に感謝したいサプライヤー4社」と持ち上げられた企業のロゴが会場の大型スクリーンに映し出されていた。創業5年目の中国新興企業を日・米・台湾の有力企業が支える「新ITピラミッド」を象徴する光景だった。
4社はどのようにして小米を支えているのか。
クアルコムはスマホの頭脳に当たるシステムLSI(大規模集積回路)で世界シェア首位の半導体メーカーだ。そのLSIは現在、アンドロイドOSの高性能スマホでは事実上の世界標準。極端に言えば、クアルコムの指定通りに周辺部品を調達すれば、基本的なスマホ開発は終わってしまう。
クアルコムは工場を持たないファブレス(工場無し)の経営形態をとる。LSIの生産は主に、台湾積体電路製造(TSMC)や聯華電子(UMC)など台湾のファウンドリー(半導体受託生産会社)に任せている。台湾勢は世界のファウンドリー市場でシェア55%を占める。
TSMCなどが生産したLSIは封止などの工程を経て、鴻海と英業達が中国に持つスマホ組み立て工場へと向かう。鴻海はEMS(電子機器の製造受託サービス)の世界最大手で、中国だけで100万人超いる従業員を使ってスマホを大量に組み立てる。英業達はそれを追う存在だ。
シャープはサプライヤーとして、組み立て工場へ高精細の液晶パネルを供給する立場。小米の新型スマホ「小米4」など多くの中国製スマホは、台湾企業をハブに出来上がったサプライチェーンに乗り、完成品として利用者の手元に届いているわけだ。
■14年は前年比3倍の6000万台へ
小米は自社工場を持たないファブレス会社。にもかかわらず、2014年に前年比3倍以上の6000万台以上のスマホを出荷すると約束できるのは、サプライチェーンが業界のインフラのように確立しているからだ。同じくファブレスの米アップルも、iPhoneの生産でTSMCや鴻海に依存している。
<中略>
パソコンとスマホが似てきたことは、ソフトや基幹部品の構成を比べても分かる。大多数のパソコンのOSはマイクロソフトの「ウィンドウズ」、LSIは米インテル製と全く同じ。液晶パネルや半導体メモリーは日米韓台の数社が同じ規格で供給する。
■400社超える中国スマホメーカー
<中略>
無償OSであるアンドロイドの普及、デジタル機器の新サプライチェーンの確立によってスマホ参入のハードルが一気に下がり、中国勢が雪崩を打って参入した。中国ではスマホメーカーが政府公認だけで400社も存在し、2~3年前まで「山寨機」と呼ばれるノンブランドのスマホが大量に生産・販売される状況が生まれた。そこから抜け出したのが小米だ。
「山寨機の外観を洗練させ、ブランド力をつけたのが小米だ」。中国メディアにはこんな分析記事も載る。小米の功績は中国独自のミニブログ「微博(ウェイボ)」などネットをフル活用し、コモディティーにすぎない中国製スマホをアップルやサムスンに対抗しうる魅力ある製品に仕立て上げた点にある。
インド市場で成長するマイクロマックス、カルボンなど地元の新興メーカーもスマホの基幹部品や完成品を中国から調達している。基本的には小米などが躍進したのと同じ構図と言える。
■動きが鈍くなってきたサムスン
世界のスマホ市場を再びスポーツの試合に例えてみよう。サムスンは前半戦に現れ、アップルに立ちはだかった好敵手といえる。半導体や液晶パネルなどの「道具」はみんな自前でピカピカだ。中国やインドといった新興国など、アップルの手の回らない市場で大量得点に成功した。
ところが小米、マイクロマックスなどの若手選手が中盤戦から途中出場してきた。道具はみんな借り物だが、若者が好む格好いいユニホームを着ている。ベンチには台湾出身で、世界でも一流とされるコーチやトレーナーが座り、道具の使い方を指南してくれる。
アップルは自分の得意なプレーに集中しており、大崩れはない。しかし、身軽な若手と真っ向から戦うことになったサムスンは振り回され、動きがみるみる鈍くなってきた。自前の道具が足手まといに見えるようになり、ファンは若手の方を応援し始めた。
世界の電機業界は、90年代まで日本メーカーが席巻していた。サムスンは半導体や液晶パネルで短期の収益を度外視した投資を続け、好況のたびに巨額の利益を上げた。その資金をブランド力や研究開発力の強化に充て、日本メーカーを衰退に追い込んだ。当時はサムスンこそがゲームチェンジャーだった。
サムスンは3月末時点で約6兆円の手元資金を持ち、スマホ事業が少々不振でも直ちに経営が揺らぐわけではない。豊富な資金を元手にスマホでゲームチェンジャーの挑戦を退けるのか。それともほかの成長分野を見つけ出すのか。世界の投資家や電機業界関係者はそこを注視している。 (北京=山田周平、ソウル=小倉健太郎、台北=山下和成)
新たな「ITピラミッド」
米クアルコム、シャープ、台湾の鴻海精密工業と英業達――。中国で急成長の北京小米科技(シャオミ)が7月22日に北京で開いたスマートフォン(スマホ)の製品発表会。雷軍・董事長兼最高経営責任者(CEO)から「特に感謝したいサプライヤー4社」と持ち上げられた企業のロゴが会場の大型スクリーンに映し出されていた。創業5年目の中国新興企業を日・米・台湾の有力企業が支える「新ITピラミッド」を象徴する光景だった。
4社はどのようにして小米を支えているのか。
クアルコムはスマホの頭脳に当たるシステムLSI(大規模集積回路)で世界シェア首位の半導体メーカーだ。そのLSIは現在、アンドロイドOSの高性能スマホでは事実上の世界標準。極端に言えば、クアルコムの指定通りに周辺部品を調達すれば、基本的なスマホ開発は終わってしまう。
クアルコムは工場を持たないファブレス(工場無し)の経営形態をとる。LSIの生産は主に、台湾積体電路製造(TSMC)や聯華電子(UMC)など台湾のファウンドリー(半導体受託生産会社)に任せている。台湾勢は世界のファウンドリー市場でシェア55%を占める。
TSMCなどが生産したLSIは封止などの工程を経て、鴻海と英業達が中国に持つスマホ組み立て工場へと向かう。鴻海はEMS(電子機器の製造受託サービス)の世界最大手で、中国だけで100万人超いる従業員を使ってスマホを大量に組み立てる。英業達はそれを追う存在だ。
シャープはサプライヤーとして、組み立て工場へ高精細の液晶パネルを供給する立場。小米の新型スマホ「小米4」など多くの中国製スマホは、台湾企業をハブに出来上がったサプライチェーンに乗り、完成品として利用者の手元に届いているわけだ。
■14年は前年比3倍の6000万台へ
小米は自社工場を持たないファブレス会社。にもかかわらず、2014年に前年比3倍以上の6000万台以上のスマホを出荷すると約束できるのは、サプライチェーンが業界のインフラのように確立しているからだ。同じくファブレスの米アップルも、iPhoneの生産でTSMCや鴻海に依存している。
<中略>
パソコンとスマホが似てきたことは、ソフトや基幹部品の構成を比べても分かる。大多数のパソコンのOSはマイクロソフトの「ウィンドウズ」、LSIは米インテル製と全く同じ。液晶パネルや半導体メモリーは日米韓台の数社が同じ規格で供給する。
■400社超える中国スマホメーカー
<中略>
無償OSであるアンドロイドの普及、デジタル機器の新サプライチェーンの確立によってスマホ参入のハードルが一気に下がり、中国勢が雪崩を打って参入した。中国ではスマホメーカーが政府公認だけで400社も存在し、2~3年前まで「山寨機」と呼ばれるノンブランドのスマホが大量に生産・販売される状況が生まれた。そこから抜け出したのが小米だ。
「山寨機の外観を洗練させ、ブランド力をつけたのが小米だ」。中国メディアにはこんな分析記事も載る。小米の功績は中国独自のミニブログ「微博(ウェイボ)」などネットをフル活用し、コモディティーにすぎない中国製スマホをアップルやサムスンに対抗しうる魅力ある製品に仕立て上げた点にある。
インド市場で成長するマイクロマックス、カルボンなど地元の新興メーカーもスマホの基幹部品や完成品を中国から調達している。基本的には小米などが躍進したのと同じ構図と言える。
■動きが鈍くなってきたサムスン
世界のスマホ市場を再びスポーツの試合に例えてみよう。サムスンは前半戦に現れ、アップルに立ちはだかった好敵手といえる。半導体や液晶パネルなどの「道具」はみんな自前でピカピカだ。中国やインドといった新興国など、アップルの手の回らない市場で大量得点に成功した。
ところが小米、マイクロマックスなどの若手選手が中盤戦から途中出場してきた。道具はみんな借り物だが、若者が好む格好いいユニホームを着ている。ベンチには台湾出身で、世界でも一流とされるコーチやトレーナーが座り、道具の使い方を指南してくれる。
アップルは自分の得意なプレーに集中しており、大崩れはない。しかし、身軽な若手と真っ向から戦うことになったサムスンは振り回され、動きがみるみる鈍くなってきた。自前の道具が足手まといに見えるようになり、ファンは若手の方を応援し始めた。
世界の電機業界は、90年代まで日本メーカーが席巻していた。サムスンは半導体や液晶パネルで短期の収益を度外視した投資を続け、好況のたびに巨額の利益を上げた。その資金をブランド力や研究開発力の強化に充て、日本メーカーを衰退に追い込んだ。当時はサムスンこそがゲームチェンジャーだった。
サムスンは3月末時点で約6兆円の手元資金を持ち、スマホ事業が少々不振でも直ちに経営が揺らぐわけではない。豊富な資金を元手にスマホでゲームチェンジャーの挑戦を退けるのか。それともほかの成長分野を見つけ出すのか。世界の投資家や電機業界関係者はそこを注視している。 (北京=山田周平、ソウル=小倉健太郎、台北=山下和成)
自前主義の日本企業が、サムスンに敗れたのは、コモディティ化した組み立て産業への企業構造対応の転換が出来なかったから。
そのサムスンが、更にファブレスとファウンドリーやEMSに徹した企業の組み合わせでのビジネスモデルに、コモディティ製品で猛追にあっている。
記事が指摘するように、スマホがテレビと同じ様にコモディティ化してきていることが、その流れを加速させているのですね。
ウォン安を政府が支援してきていましたが、それも効かなくなってきている。
日本企業は懸命の事業統廃合で、生き残りを模索し、円安の追い風があり一息ついている状況ですが、成長の柱となるものを確立できているとはいえません。
サムスンも同じ霧の中に迷い込んで来るということでしょう。
カリスマ経営者の入院で、持ち前のスピード経営がこれまで通りに実践できるかは未知の世界です。
スマホの雄としてこだわるのか、新事業を模索するのか、注目です。そして、その結果は韓国経済の行方を左右することになります。
# 冒頭の画像は、北京小米科技 雷軍・董事長兼最高経営責任者
この花の名前は、ギョリュゥバイ
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