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南シナ海で、中国と領有権の対立で奮闘しているベトナム。ドイモイ政策を採り、中国と同様に市場経済路線へと転換し、GDP成長率は、2007年8.5%、2008年6.3%、2009年5.3%、2010年6.8%と安定成長が続いているのだそうで、電力が不足しているのだそうですね。 原発を導入して補うとし、日本も売り込みをし、ロシアに続いて受注に成功していました。
東日本大震災と、その福島第一原発事故の発生で、ベトナムでも対応を苦慮しているのだそうです。
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↓よろしかったら、お願いします。
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東日本大震災と、その福島第一原発事故の発生で、ベトナムでも対応を苦慮しているのだそうです。
電力増強はかるベトナム 対中国を念頭に原発政策 坪井善明(早大教授・ベトナム政治史) (5/30 読売朝刊)
現在ベトナムは極度の電力不足に悩んでいる。20%を中国から買電していて、国家の安全保障上の観点からも、産業を急速に発展させる必要からも、原発導入は不可避と判断している。そこで、南部のニントゥアン省に建設用地を確保して、2020年稼働予定の第1期2基の原発をロシアに発注した。この決定に日本の関係者はショックを受けた。当然日本が受注すると考えていたからである。
水面下で猛烈な運動もあり、昨年10月のアセアン+3 会合の最終日に、グエン・タン・ズン首相は、「政治的戦略的見地から2021年稼働予定の第2期2基の原発は日本企業に受注させる」という決定を菅直人首相に通告した。日中・日ロ関係が緊張する中、菅首相の唯一の外交的成果として、注目された。
東日本大震災から約2週間後の3月24日、ベトナムのチュオン・タン・サン次期国家主席は二十数名の社会科学者を参集して、「大震災後の日本が東アジアに与える影響」と題する国家戦略会議を非公式に開催したという。そのテーマは三つあった。?日本が弱体化すると中国が強大化する。強大化した中国にベトナムはどう対応するか。?日本のODA(政府開発援助)の減額は不可避的だ。その減額がベトナムに与える影響は??この状況を踏まえて、日越戦略的パートナーシップをベトナムはどうすべきか。結論は、「中国との関係も踏まえて、日越戦略的パートナーシップは強化すべき」というものだったという。
この討議を踏まえて、原発推進維持も確認された。ベトナム政府に近い親しい友人は、個人的な意見として留保をつけた上で、「被災者の方には申し訳ないが、原発事故を起こした国の方が、その後の安全技術は飛躍的に向上するし、より徹底した安全政策が取られると思うので、日本の技術を導入したい。何よりも交渉相手としてより強い立場で臨める」という見解を述べた。
4月下旬、ベトナムを再訪して福島第一原発事故の詳細を伝えた。関係者は一様に顔を曇らせた。件の友人は、深刻な顔で「ベトナムにとっての最重要課題は中国からの"独立"だ。歴史的に見て、200年に一回位の割合で中国と戦争をしている。万一戦争が起こり、原発に中国のミサイル攻撃があると、原発事故が発生する可能性が高い。これほどの甚大な被害が原発事故で起こるのなら、原発建設は再考する必要があるだろう」と述べた。
ベトナム人のリアリズムとしたたかさに舌を巻いた。とまれ、日本側では、送電を担当する東電が降りるので、ベトナムの原発を予定通り受注することは出来ない。それよりも、戦争で原発事故が起こる可能性を含めて、日本でも原発の安全性を根底から議論する必要がある。
現在ベトナムは極度の電力不足に悩んでいる。20%を中国から買電していて、国家の安全保障上の観点からも、産業を急速に発展させる必要からも、原発導入は不可避と判断している。そこで、南部のニントゥアン省に建設用地を確保して、2020年稼働予定の第1期2基の原発をロシアに発注した。この決定に日本の関係者はショックを受けた。当然日本が受注すると考えていたからである。
水面下で猛烈な運動もあり、昨年10月のアセアン+3 会合の最終日に、グエン・タン・ズン首相は、「政治的戦略的見地から2021年稼働予定の第2期2基の原発は日本企業に受注させる」という決定を菅直人首相に通告した。日中・日ロ関係が緊張する中、菅首相の唯一の外交的成果として、注目された。
東日本大震災から約2週間後の3月24日、ベトナムのチュオン・タン・サン次期国家主席は二十数名の社会科学者を参集して、「大震災後の日本が東アジアに与える影響」と題する国家戦略会議を非公式に開催したという。そのテーマは三つあった。?日本が弱体化すると中国が強大化する。強大化した中国にベトナムはどう対応するか。?日本のODA(政府開発援助)の減額は不可避的だ。その減額がベトナムに与える影響は??この状況を踏まえて、日越戦略的パートナーシップをベトナムはどうすべきか。結論は、「中国との関係も踏まえて、日越戦略的パートナーシップは強化すべき」というものだったという。
この討議を踏まえて、原発推進維持も確認された。ベトナム政府に近い親しい友人は、個人的な意見として留保をつけた上で、「被災者の方には申し訳ないが、原発事故を起こした国の方が、その後の安全技術は飛躍的に向上するし、より徹底した安全政策が取られると思うので、日本の技術を導入したい。何よりも交渉相手としてより強い立場で臨める」という見解を述べた。
4月下旬、ベトナムを再訪して福島第一原発事故の詳細を伝えた。関係者は一様に顔を曇らせた。件の友人は、深刻な顔で「ベトナムにとっての最重要課題は中国からの"独立"だ。歴史的に見て、200年に一回位の割合で中国と戦争をしている。万一戦争が起こり、原発に中国のミサイル攻撃があると、原発事故が発生する可能性が高い。これほどの甚大な被害が原発事故で起こるのなら、原発建設は再考する必要があるだろう」と述べた。
ベトナム人のリアリズムとしたたかさに舌を巻いた。とまれ、日本側では、送電を担当する東電が降りるので、ベトナムの原発を予定通り受注することは出来ない。それよりも、戦争で原発事故が起こる可能性を含めて、日本でも原発の安全性を根底から議論する必要がある。
G8の中でも原発維持派と、脱原発派に別れました。G8以外の世界中の国々でも、電力エネルギーについて決断を迫られることになっています。
ベトナムは、「大震災後の日本が東アジアに与える影響」と題する国家戦略会議を非公式に開催し、「中国との関係も踏まえて、日越戦略的パートナーシップは強化すべき」と結論を出し、一旦は原発推進維持の方向で、日本製の原発導入を決めたのだそうです。
しかし、坪井教授の福島第一の状況の詳細説明を聞いた方は、中国と戦争の可能性があるベトナムは、中国の攻撃による原発事故がありうることから、事故の被害の大きさに原発建設を再検討するとの意見もでてきたのだそうです。
ベトナム政府がどのような結論を出すのか、東電が身動きとれない現状で日本の原発の売り込みは出来なくなっているのだそうですが、今後もベトナムの悩みは続きそうです。
ただ、ベトナムの対中関係を踏まえた日本への期待はあるのですから、これに応えていかねばなりません。日本にとっても、南シナ海の問題は、シーレーンの安全保障問題であり、東シナ海の問題でもあり共有する脅威なのです。
ベトナム外務省 中国に抗議 領海問題で: The Voice of Russia
民主党の閣僚(仙谷氏、前原氏)が訪問するなど、日本もいくらかは力を入れていますが、ASEAN + 米国などと連携し、一層の関係強化が望まれます。
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