
全国人民代表大会に提出した2025年予算案と政府活動報告で、経済の低迷に苦しむ中でも軍の量的・質的強化を図る方針を打ち出した。習近平指導部は相次ぐ軍高官の汚職を受けて綱紀粛正も同時に行い、軍の精強化を有形無形の両面で進めている。
25年予算案で、国防費の前年比伸び率は7.2%と、4年連続で7%を超えた。中国の国防予算が前年を上回るのは1995年から31年連続だと、田中東京編集局副編集長。
国防予算が前年を上回るのは1995年から31年連続。国防は引き続き「重点」分野に指定され、中央政府予算の伸び率6.9%を上回った。
国防予算額1兆7846億元(約36兆7600億円)は日本の令和7年度防衛関係予算案(米軍再編関係費除く)の4.3倍だと、田中副編集長。
婁勤倹(ろう・きんけん)報道官は4日の記者会見で、国防予算は2016年から1桁の伸び率が続いている上、「国内総生産(GDP)比は1.5%以下で、世界の平均より低い」と正当化。
ただ、中国の国防予算は内訳が公表されず、研究開発費などを含めると公表額を上回ると指摘されると、田中副編集長。
政府活動報告での記述はわずかだが、今年は「新たな質の戦闘力」の発展が明記されたのだそうです。
情報技術や人工知能(AI)で精密攻撃など作戦能力を強化し、サイバー空間を含む「新興領域」での能力向上も図る概念で、量的な拡充だけでなく質の面でも軍を強化する構えだと。
一方、昨年の報告で「使命と任務を見事に全うした」と軍を評価した文言が今年は削除されたと。
ロケット軍や装備調達部門の汚職が拡大。昨年6月に国防相経験者2人が共産党籍を剝奪(はくだつ)され、11月には軍の最高指導機関、中央軍事委員会の苗華委員が調査を受けていると発表された。
今年2月には軍の規律に関する規定が改定され、政府活動報告には訓練と同時に規律強化を意味する「政治教育」を重視する方針が明記されたと、田中副編集長。
軍の腐敗撲滅は「習国家主席が軍を重視している表れだ」(中国人研究者)ともされる。動向が報じられない現役の軍高官も複数おり、綱紀粛正はさらに進むとみられるとも。
防衛研究所の杉浦康之主任研究官は「軍の腐敗は習氏が重視する戦略部門で起きており、綱紀粛正は必須だ。政治思想教育と同時に訓練も重視する方針を示し、台湾有事を念頭に軍の実戦能力の強化を進めている」と指摘。
軍高官の汚職とされる粛清が絶えないのが中国。
何故?
# 冒頭の画像は、全人代

この花の名前は、ラナンキュラス ラックス ミノアン
↓よろしかったら、お願いします。

遊爺さんの写真素材 - PIXTA
中国軍「新たな質の戦闘力」強化打ち出す、相次ぐ高官汚職で政治教育も重視 全人代開幕 - 産経ニュース 2025/3/6 田中 靖人
【北京=田中靖人】中国政府は北京で開会中の立法機関、全国人民代表大会に提出した2025年予算案と政府活動報告で、経済の低迷に苦しむ中でも軍の量的・質的強化を図る方針を打ち出した。習近平指導部は相次ぐ軍高官の汚職を受けて綱紀粛正も同時に行い、軍の精強化を有形無形の両面で進めている。
国務院(政府)が提出した25年予算案で、国防費の前年比伸び率は7・2%と、4年連続で7%を超えた。中国の国防予算が前年を上回るのは1995年から31年連続。国防は引き続き「重点」分野に指定され、中央政府予算の伸び率6・9%を上回った。国防予算額1兆7846億元(約36兆7600億円)は日本の令和7年度防衛関係予算案(米軍再編関係費除く)の4・3倍となる。
全人代の婁勤倹(ろう・きんけん)報道官は4日の記者会見で、国防予算は2016年から1桁の伸び率が続いている上、「国内総生産(GDP)比は1・5%以下で、世界の平均より低い」と正当化した。ただ、中国の国防予算は内訳が公表されず、研究開発費などを含めると公表額を上回ると指摘される。
国務院の軍に対する権限は限られ、政府活動報告での記述はわずかだが、今年は「新たな質の戦闘力」の発展が明記された。情報技術や人工知能(AI)で精密攻撃など作戦能力を強化し、サイバー空間を含む「新興領域」での能力向上も図る概念で、量的な拡充だけでなく質の面でも軍を強化する構えだ。
一方、昨年の報告で「使命と任務を見事に全うした」と軍を評価した文言が今年は削除された。軍では戦略ミサイルを運用するロケット軍や装備調達部門の汚職が拡大。昨年6月に国防相経験者2人が共産党籍を剝奪(はくだつ)され、11月には軍の最高指導機関、中央軍事委員会の苗華委員が調査を受けていると発表された。
今年2月には軍の規律に関する規定が改定され、政府活動報告には訓練と同時に規律強化を意味する「政治教育」を重視する方針が明記された。軍の腐敗撲滅は「習国家主席が軍を重視している表れだ」(中国人研究者)ともされる。動向が報じられない現役の軍高官も複数おり、綱紀粛正はさらに進むとみられる。
中国の軍事情勢に詳しい防衛研究所の杉浦康之主任研究官は「軍の腐敗は習氏が重視する戦略部門で起きており、綱紀粛正は必須だ。政治思想教育と同時に訓練も重視する方針を示し、台湾有事を念頭に軍の実戦能力の強化を進めている」と指摘している。
---------------------------------------
田中 靖人 東京編集局副編集長
平成12年入社。政治部、外信部を経て26~令和 2年に台北支局長。外信部編集委員を経て現職。慶応大大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
【北京=田中靖人】中国政府は北京で開会中の立法機関、全国人民代表大会に提出した2025年予算案と政府活動報告で、経済の低迷に苦しむ中でも軍の量的・質的強化を図る方針を打ち出した。習近平指導部は相次ぐ軍高官の汚職を受けて綱紀粛正も同時に行い、軍の精強化を有形無形の両面で進めている。
国務院(政府)が提出した25年予算案で、国防費の前年比伸び率は7・2%と、4年連続で7%を超えた。中国の国防予算が前年を上回るのは1995年から31年連続。国防は引き続き「重点」分野に指定され、中央政府予算の伸び率6・9%を上回った。国防予算額1兆7846億元(約36兆7600億円)は日本の令和7年度防衛関係予算案(米軍再編関係費除く)の4・3倍となる。
全人代の婁勤倹(ろう・きんけん)報道官は4日の記者会見で、国防予算は2016年から1桁の伸び率が続いている上、「国内総生産(GDP)比は1・5%以下で、世界の平均より低い」と正当化した。ただ、中国の国防予算は内訳が公表されず、研究開発費などを含めると公表額を上回ると指摘される。
国務院の軍に対する権限は限られ、政府活動報告での記述はわずかだが、今年は「新たな質の戦闘力」の発展が明記された。情報技術や人工知能(AI)で精密攻撃など作戦能力を強化し、サイバー空間を含む「新興領域」での能力向上も図る概念で、量的な拡充だけでなく質の面でも軍を強化する構えだ。
一方、昨年の報告で「使命と任務を見事に全うした」と軍を評価した文言が今年は削除された。軍では戦略ミサイルを運用するロケット軍や装備調達部門の汚職が拡大。昨年6月に国防相経験者2人が共産党籍を剝奪(はくだつ)され、11月には軍の最高指導機関、中央軍事委員会の苗華委員が調査を受けていると発表された。
今年2月には軍の規律に関する規定が改定され、政府活動報告には訓練と同時に規律強化を意味する「政治教育」を重視する方針が明記された。軍の腐敗撲滅は「習国家主席が軍を重視している表れだ」(中国人研究者)ともされる。動向が報じられない現役の軍高官も複数おり、綱紀粛正はさらに進むとみられる。
中国の軍事情勢に詳しい防衛研究所の杉浦康之主任研究官は「軍の腐敗は習氏が重視する戦略部門で起きており、綱紀粛正は必須だ。政治思想教育と同時に訓練も重視する方針を示し、台湾有事を念頭に軍の実戦能力の強化を進めている」と指摘している。
---------------------------------------
田中 靖人 東京編集局副編集長
平成12年入社。政治部、外信部を経て26~令和 2年に台北支局長。外信部編集委員を経て現職。慶応大大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
25年予算案で、国防費の前年比伸び率は7.2%と、4年連続で7%を超えた。中国の国防予算が前年を上回るのは1995年から31年連続だと、田中東京編集局副編集長。
国防予算が前年を上回るのは1995年から31年連続。国防は引き続き「重点」分野に指定され、中央政府予算の伸び率6.9%を上回った。
国防予算額1兆7846億元(約36兆7600億円)は日本の令和7年度防衛関係予算案(米軍再編関係費除く)の4.3倍だと、田中副編集長。
婁勤倹(ろう・きんけん)報道官は4日の記者会見で、国防予算は2016年から1桁の伸び率が続いている上、「国内総生産(GDP)比は1.5%以下で、世界の平均より低い」と正当化。
ただ、中国の国防予算は内訳が公表されず、研究開発費などを含めると公表額を上回ると指摘されると、田中副編集長。
政府活動報告での記述はわずかだが、今年は「新たな質の戦闘力」の発展が明記されたのだそうです。
情報技術や人工知能(AI)で精密攻撃など作戦能力を強化し、サイバー空間を含む「新興領域」での能力向上も図る概念で、量的な拡充だけでなく質の面でも軍を強化する構えだと。
一方、昨年の報告で「使命と任務を見事に全うした」と軍を評価した文言が今年は削除されたと。
ロケット軍や装備調達部門の汚職が拡大。昨年6月に国防相経験者2人が共産党籍を剝奪(はくだつ)され、11月には軍の最高指導機関、中央軍事委員会の苗華委員が調査を受けていると発表された。
今年2月には軍の規律に関する規定が改定され、政府活動報告には訓練と同時に規律強化を意味する「政治教育」を重視する方針が明記されたと、田中副編集長。
軍の腐敗撲滅は「習国家主席が軍を重視している表れだ」(中国人研究者)ともされる。動向が報じられない現役の軍高官も複数おり、綱紀粛正はさらに進むとみられるとも。
防衛研究所の杉浦康之主任研究官は「軍の腐敗は習氏が重視する戦略部門で起きており、綱紀粛正は必須だ。政治思想教育と同時に訓練も重視する方針を示し、台湾有事を念頭に軍の実戦能力の強化を進めている」と指摘。
軍高官の汚職とされる粛清が絶えないのが中国。
何故?
# 冒頭の画像は、全人代

この花の名前は、ラナンキュラス ラックス ミノアン
↓よろしかったら、お願いします。

遊爺さんの写真素材 - PIXTA