日銀の植田和男総裁が就任して 1年が経過した。想定内だった点と想定外だった点について考えてみたいと、アベノミクス創設メンバーの一員だった高橋洋一氏。
このコラムで、元日銀審議委員の原田泰氏の著作を元に「植田総裁は金融機関重視のスタンスかもしれない」と書いた。
これまでの記者会見を聞いても、雇用についてあまり言及しないが、金融システムの安定や金融緩和の副作用については話している。やはり雇用より金融機関重視なのかもしれないということで、想定より早く金融引き締めに入ると予想していたと、高橋氏。
植田総裁は、金融緩和策のレビューを実施している 1年から 1年半の間に政策変更が行われる可能性を問われ、「その時々に必要な政策変更は、1年半の間であっても、毎回の政策決定会合で議論して必要があれば、実行するというスタンスだ」とし、レビュー途中での政策変更はあり得るとした。
植田総裁が相当「前のめり」なのがうかがえたと、高橋氏。
日銀がマイナス金利政策解除で17年ぶりの利上げ|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)
インフレ率の上昇に対して利上げのタイミングを意図的に遅らせる「ビハインド・ザ・カーブ(後追い)」は世界標準の方法。
それに従えば、昨年 4月から 1年半後に当たる今年10月31日の「経済・物価情勢の展望」以降で政策変更だったはずだと、高橋氏。
植田総裁が前のめりだったことは想定外だった。ただし、雇用より金融機関重視というのは想定内だ。金融政策の観点では、「ビハインド・ザ・カーブ」を守っていないので、評価できる点はないと。
想像を超えたのは、政策決定会合前の「ブラックアウト・ルール」(会合の2営業日前から金融政策について外部に発信しないという申し合わせ)を守らなかったとみられることだ。事前報道でも日銀からの情報はダダ漏れだったと、高橋氏。
金融関係者からみれば収益につながるので評価できるだろうが、ルールを守らないのはまずい。いくら関係者とのコミュニケーションが重要だといっても、ルール違反はいけないと。
日銀は政府に事前説明しており、その過程で情報漏れがあるとも言われる。中央銀行には真の意味での独立性(手段の独立性)があるのだから、事前説明は不要だと、高橋氏。
今後、期待したいのは植田総裁が世界の中銀総裁と会って雇用重視の「ビハインド・ザ・カーブ」に目覚めることだ。一方、懸念されるのは、相変わらず金融機関重視の金融政策をすることだとも!
雇用指標を重視しておられる高橋氏とすれば、金融機関重視で「ブラックアウト・ルール」を守っていないとみられる植田日銀に対しては、当然の評価となるのですね。
日本経済の復興の為に、高橋氏の辛口査定を、今後も期待します。
ブレーンが貧弱と推定される岸田内閣。余命は先が見えてきていますが、日本を沈没させないために、高橋氏の内閣官房参与(経済・財政政策担当)復帰を希望します。
# 冒頭の画像は、日銀の植田和男総裁
この花の名前は、ドイツスズラン
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【日本の解き方】日銀・植田総裁就任 1年の評価 想定より「前のめり」だった利上げ 金融機関重視の姿勢は想定内 情報ダダ漏れのルール違反も - zakzak:夕刊フジ公式サイト 元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一 2024.4/13
日銀の植田和男総裁が就任して 1年が経過した。想定内だった点と想定外だった点について考えてみたい。
このコラムで、元日銀審議委員の原田泰氏の著作を元に「植田総裁は金融機関重視のスタンスかもしれない」と書いた。これまでの記者会見を聞いても、雇用についてあまり言及しないが、金融システムの安定や金融緩和の副作用については話している。やはり雇用より金融機関重視なのかもしれないということで、想定より早く金融引き締めに入ると予想していた。
また、2023年 4月28日には、日銀は1990年代後半以降続けてきた過去25年間の金融緩和策について、1年から 1年半程度をかけて多角的にレビューを行うことを決めた。
こうした政策レビューは、日銀、米連邦制度準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)も行っており、政策変更の契機になることもしばしばだ。ただし、植田総裁は、金融緩和策のレビューを実施している 1年から 1年半の間に政策変更が行われる可能性を問われ、「その時々に必要な政策変更は、1年半の間であっても、毎回の政策決定会合で議論して必要があれば、実行するというスタンスだ」とし、レビュー途中での政策変更はあり得るとした。植田総裁が相当「前のめり」なのがうかがえた。
インフレ率の上昇に対して利上げのタイミングを意図的に遅らせる「ビハインド・ザ・カーブ(後追い)」は世界標準の方法である。それに従えば、昨年 4月から 1年半後に当たる今年10月31日の「経済・物価情勢の展望」以降で政策変更だったはずだ。
多少前のめりだったとしても、1年後に当たる 4月26日に出る予定の「経済・物価情勢の展望」で政策変更するのだろうと予測していた。昨年4月段階で「1年から 1年半」と言ったので、1年より前にはやらないだろうと思っていたからだ。
植田総裁が前のめりだったことは想定外だった。ただし、雇用より金融機関重視というのは想定内だ。金融政策の観点では、「ビハインド・ザ・カーブ」を守っていないので、評価できる点はない。
想像を超えたのは、政策決定会合前の「ブラックアウト・ルール」(会合の2営業日前から金融政策について外部に発信しないという申し合わせ)を守らなかったとみられることだ。事前報道でも日銀からの情報はダダ漏れだった。これは、金融関係者からみれば収益につながるので評価できるだろうが、ルールを守らないのはまずい。いくら関係者とのコミュニケーションが重要だといっても、ルール違反はいけない。
一説によると、日銀は政府に事前説明しており、その過程で情報漏れがあるとも言われる。中央銀行には真の意味での独立性(手段の独立性)があるのだから、事前説明は不要だ。
今後、期待したいのは植田総裁が世界の中銀総裁と会って雇用重視の「ビハインド・ザ・カーブ」に目覚めることだ。一方、懸念されるのは、相変わらず金融機関重視の金融政策をすることだ。
日銀の植田和男総裁が就任して 1年が経過した。想定内だった点と想定外だった点について考えてみたい。
このコラムで、元日銀審議委員の原田泰氏の著作を元に「植田総裁は金融機関重視のスタンスかもしれない」と書いた。これまでの記者会見を聞いても、雇用についてあまり言及しないが、金融システムの安定や金融緩和の副作用については話している。やはり雇用より金融機関重視なのかもしれないということで、想定より早く金融引き締めに入ると予想していた。
また、2023年 4月28日には、日銀は1990年代後半以降続けてきた過去25年間の金融緩和策について、1年から 1年半程度をかけて多角的にレビューを行うことを決めた。
こうした政策レビューは、日銀、米連邦制度準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)も行っており、政策変更の契機になることもしばしばだ。ただし、植田総裁は、金融緩和策のレビューを実施している 1年から 1年半の間に政策変更が行われる可能性を問われ、「その時々に必要な政策変更は、1年半の間であっても、毎回の政策決定会合で議論して必要があれば、実行するというスタンスだ」とし、レビュー途中での政策変更はあり得るとした。植田総裁が相当「前のめり」なのがうかがえた。
インフレ率の上昇に対して利上げのタイミングを意図的に遅らせる「ビハインド・ザ・カーブ(後追い)」は世界標準の方法である。それに従えば、昨年 4月から 1年半後に当たる今年10月31日の「経済・物価情勢の展望」以降で政策変更だったはずだ。
多少前のめりだったとしても、1年後に当たる 4月26日に出る予定の「経済・物価情勢の展望」で政策変更するのだろうと予測していた。昨年4月段階で「1年から 1年半」と言ったので、1年より前にはやらないだろうと思っていたからだ。
植田総裁が前のめりだったことは想定外だった。ただし、雇用より金融機関重視というのは想定内だ。金融政策の観点では、「ビハインド・ザ・カーブ」を守っていないので、評価できる点はない。
想像を超えたのは、政策決定会合前の「ブラックアウト・ルール」(会合の2営業日前から金融政策について外部に発信しないという申し合わせ)を守らなかったとみられることだ。事前報道でも日銀からの情報はダダ漏れだった。これは、金融関係者からみれば収益につながるので評価できるだろうが、ルールを守らないのはまずい。いくら関係者とのコミュニケーションが重要だといっても、ルール違反はいけない。
一説によると、日銀は政府に事前説明しており、その過程で情報漏れがあるとも言われる。中央銀行には真の意味での独立性(手段の独立性)があるのだから、事前説明は不要だ。
今後、期待したいのは植田総裁が世界の中銀総裁と会って雇用重視の「ビハインド・ザ・カーブ」に目覚めることだ。一方、懸念されるのは、相変わらず金融機関重視の金融政策をすることだ。
このコラムで、元日銀審議委員の原田泰氏の著作を元に「植田総裁は金融機関重視のスタンスかもしれない」と書いた。
これまでの記者会見を聞いても、雇用についてあまり言及しないが、金融システムの安定や金融緩和の副作用については話している。やはり雇用より金融機関重視なのかもしれないということで、想定より早く金融引き締めに入ると予想していたと、高橋氏。
植田総裁は、金融緩和策のレビューを実施している 1年から 1年半の間に政策変更が行われる可能性を問われ、「その時々に必要な政策変更は、1年半の間であっても、毎回の政策決定会合で議論して必要があれば、実行するというスタンスだ」とし、レビュー途中での政策変更はあり得るとした。
植田総裁が相当「前のめり」なのがうかがえたと、高橋氏。
日銀がマイナス金利政策解除で17年ぶりの利上げ|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)
インフレ率の上昇に対して利上げのタイミングを意図的に遅らせる「ビハインド・ザ・カーブ(後追い)」は世界標準の方法。
それに従えば、昨年 4月から 1年半後に当たる今年10月31日の「経済・物価情勢の展望」以降で政策変更だったはずだと、高橋氏。
植田総裁が前のめりだったことは想定外だった。ただし、雇用より金融機関重視というのは想定内だ。金融政策の観点では、「ビハインド・ザ・カーブ」を守っていないので、評価できる点はないと。
想像を超えたのは、政策決定会合前の「ブラックアウト・ルール」(会合の2営業日前から金融政策について外部に発信しないという申し合わせ)を守らなかったとみられることだ。事前報道でも日銀からの情報はダダ漏れだったと、高橋氏。
金融関係者からみれば収益につながるので評価できるだろうが、ルールを守らないのはまずい。いくら関係者とのコミュニケーションが重要だといっても、ルール違反はいけないと。
日銀は政府に事前説明しており、その過程で情報漏れがあるとも言われる。中央銀行には真の意味での独立性(手段の独立性)があるのだから、事前説明は不要だと、高橋氏。
今後、期待したいのは植田総裁が世界の中銀総裁と会って雇用重視の「ビハインド・ザ・カーブ」に目覚めることだ。一方、懸念されるのは、相変わらず金融機関重視の金融政策をすることだとも!
雇用指標を重視しておられる高橋氏とすれば、金融機関重視で「ブラックアウト・ルール」を守っていないとみられる植田日銀に対しては、当然の評価となるのですね。
日本経済の復興の為に、高橋氏の辛口査定を、今後も期待します。
ブレーンが貧弱と推定される岸田内閣。余命は先が見えてきていますが、日本を沈没させないために、高橋氏の内閣官房参与(経済・財政政策担当)復帰を希望します。
# 冒頭の画像は、日銀の植田和男総裁
この花の名前は、ドイツスズラン
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