遊爺雑記帳

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終了どころかさらに強化、中国人を絶望させる「ゼロコロナ文革」という大厄災

2022-11-05 01:33:55 | 中国 全般
 第20回中国共産党大会後、中国ではゼロコロナ政策がますます徹底され、そしてますます暴力的になっていると、元産経新聞の中国駐在記者で、中国に入出国禁止となった福島香織さん。
 ゼロコロナ政策の被害者と、文革の被害者の事項比率が同等になってきていると!
 
終了どころかさらに強化、中国人を絶望させる「ゼロコロナ文革」という大厄災 餓死を恐れて封鎖から脱出、凄惨な事件も続出 | JBpress (ジェイビープレス) 2022.11.3(木) 福島 香織:ジャーナリスト

 10月22日に閉会した第20回中国共産党大会後、中国ではゼロコロナ政策がますます徹底され、そしてますます暴力的になっている

 
ユニバーサル・スタジオ北京や上海ディズニーランドでは、それぞれ10月26日、31日に突然閉鎖が発表された。中にいた数万人の観光客は全員PCR検査を受けさせられ、陰性でなくては外に出してもらえず、全員が外に出してもらえるまで一晩かかったりした。園内には幼い子供、家族連れもいるが、容赦はない。

 だが、こんなのはもはや厳しいうちに入らない。
鄭州、武漢、広州では、党大会前に増して厳しいロックダウンと全民PCR検査が繰り返されているチベット自治区のラサはすでに80日以上、新彊ウイグル自治区イリでは90日以上のロックダウンが続き、住民の中に餓死者が出ているらしい。また、大量の家畜の世話ができないために安値で売り払われたり、餓死したり、中には家畜も「隔離」措置を受けたりしているという。

動画が拡散した3つの凄惨な事件
 
10月8日から始まった河南省鄭州市のロックダウンではいくつもの凄惨な事件が起きた。たとえば、10月23日には3つの大事件が、動画の拡散によって目撃されている。

 
1つは鄭州市のアパート17階の居宅から出ることを禁じられた母親が高熱の子供のために医者を呼びに行こうと、手製のロープを使ってベランダから降りようとしたところ、ロープが切れて墜落し亡くなった事件。

 
もう1つが、鄭州市港区のフォックスコン(ホンハイ)従業員用のアパートで従業員が防疫職員をナイフで殺害した事件。防疫職員はアパートの外に出ようとした従業員を押しとどめようとして殺害された。

 この
殺人事件は午後1時に発生したが、その夜、このアパートではフォックスコン従業員と、アパートを封鎖中の防疫職員らとの大乱闘が起きている。理由は封鎖後に食事や生活物資の供給もなく、また外出のために必要なPCR検査を実施する検査員も派遣されず、ただただ閉じ込められることに恐怖を感じた従業員が封鎖を突破しようとしたらしい。この動画はフォックスコン従業員の家族が投稿したものだった。

 
3つ目の事件は、鄭州市白墳区の封鎖中のアパートのベランダから女性のバラバラ遺体が投げ捨てられた事件。この事件は、バラバラ遺体がアパート上層から降ってきたという写真がネットで拡散されているだけで、詳細は不明。だが、ロックダウンのストレスに耐えかねて住民がガールフレンドを殺害した事件が他にも発生しているので、同様の事件ではないかと見られている。

フォックスコン従業員が大脱走
 
フォックスコンの主要製造拠点、鄭州工場の封鎖式管理を巡っては、10月下旬から従業員の集団脱走が断続的に報じられてきた。従業員やその親族のSNSの投稿を総合すると、工場内で10月8日から感染が出始め、14日に突然封鎖管理方式が通達された。20万人が同じ空間で暮らす状況で、感染は瞬く間に広がり、2万人の陽性者が出たという。

 最初は、陽性確定診断者(確診)と濃厚接触者をわけて隔離していたが、陽性者が増え続け、そのうち隔離場所が確保できず、陽性者と濃厚接触者を一緒くたにして宿舎内に隔離するようになったという。また、工場内の食堂は営業停止となり宿舎の部屋内でしか食事ができなくなったが、与えられる食事は当初からカップ麺やパンなどで、不満が高まっていたともいう。要隔離者が増えると、隔離場所も建築途中の野ざらしビルなど劣悪な環境だったり、十分な医薬品や食料、水が与えられない放置状態が常態化したりするようになったという。

 こうした劣悪な隔離環境の中で宿舎の726号と呼ばれる部屋に隔離されていた8人の女子従業員が全員死亡したという噂が工場内に広がった。従業員の1人とみられる女性が「みんな死んでしまった」と号泣する動画や、「10月29日」という日付のついた封鎖シールが張られた726号部屋のドアの写真などがネット上で拡散していた。また宿舎周りにPCR検査の廃棄物やゴミが山積みになった状況や、そのゴミの間で倒れている人が映っているような動画もあり、封鎖式管理のフォックスコン鄭州工場で何が起きているのか想像ばかりが広がった。

 オミクロン株は重症化率が低いと信じられているので、こうした死者情報は餓死ではないか、と多くの人たちが言い出した。こうした噂が真相不明なまま不安を拡大し、封鎖式管理下にいた従業員たちが大量に脱走し始めたようだ。夜の高速道路沿いにフォックスコン従業員が荷物を持ってぞろぞろと故郷に向かって数百キの道のりを歩いている様子、昼間の田畑の中を当局の目を避けるように逃亡している様子などの写真や動画がネットで拡散されていた。高速道路の行く手に、軍が待ち構えて封鎖しているような動画もあった。
このフォックスコン従業員の大脱走についてはBBCなど大手メディアも取り上げている

 一方で、
鄭州工場地域に、工場・宿舎内部からのSNSなどの発信を防ぐ無線妨害のための車両が派遣されているような写真や、軍の装甲車の列が鄭州大街を走っている動画なども拡散していた。こうしたことから、鄭州では軍も動員されて徹底的なロックダウンや情報封鎖体制が敷かれている、フォックスコンは軍の管理下に置かれているのだ、といった噂も広がった。

 ちなみにこうした噂話は、どれひとつ公式に確認されているものではない。フォックスコン側は、2万人隔離の話も「事実ではない」とし、726号の8人の女子従業員死亡の噂も悪質なデマであり、すでに警察に通報して処理を依頼しているという。

 ただ10月29日から、フォックスコン側と河南省の各地方政府は、故郷に戻りたい従業員は申請すれば専門の車両で故郷に送り届け、故郷で隔離措置を受けることができる、と発表している。工業パーク内に残留希望の場合は、宿舎で隔離され、そのかわり3食を保証、故郷での隔離を希望する場合は隔離施設の実費を自腹で支払うものとしている。

 こうした発表があるということは、つまり、大脱走問題が起きていることを認識しているということではあろう。

 鄭州のコロナ封鎖からの大脱走が中国人ネット民の心を揺さぶったのは、彼らの脱走の動機に「飢餓」が絡むからだろう。河南省は1942年にものすごい飢饉を体験し、300~500万人が餓死し、河南省から農民が飢餓から集団逃亡した歴史があった。これは河南省出身の作家、劉震雲の「一九四二」という小説にもなり、また馮小剛監督によって映画化もされている。また1959年から61年にかけての大飢饉は、まだ記憶に残る大厄災だ。3年自然大災害と呼ばれるこの飢饉は、本当は自然災害だけでなく人民公社・大躍進の政策が1つの大きな原因だった。だから、ゼロコロナ政策によって引き起こされた不条理な飢餓への共感が強いのだろう。

完全に裏切られたゼロコロナ政策緩和の期待
 
実は、かなり多くの中国人が党大会後にゼロコロナ政策は緩和されるであろうと期待していたなぜならゼロコロナ政策は、感染スピードが猛烈に早いオミクロンを封じ込めるには効果がほとんどなく、長く継続すればするほど経済を悪化させ人民を苦しめるものであることはわかり切っているからだ。

 党大会前、習近平が3期連任を固める前は、
ゼロコロナ政策に批判的な李克強ら共産主義青年団派勢力との権力闘争に勝利するためにゼロコロナ政策の過ちを認めることはできず、ゼロコロナ貫徹で路線闘争を争わねばならなかった。だが、党大会が終わり独裁者として足場を固めれば、ゼロコロナ政策のような科学的に誤った政策を無理に堅持する必要はないはずだ。

 
ところが、その期待は完全に裏切られ、ゼロコロナ政策はますます過酷に暴力的になった。それはなぜか。

 
1つ考えられるのは、上海市トップの李強の政治局常務委員への出世があるのではないか。李強は今年(2022年)3月から6月にかけて、多くの上海官僚や感染症専門家の反対意見を押し切って、徹底したロックダウンを実施した。このため第2四半期の上海市経済成長率は前年同期比マイナス13%に落ち込み、社会は動揺し、大混乱を来しただが、李強は出世し、来年3月には首相の任に着くとみられている。この人事が各地方官僚トップに誤ったメッセージを送ったかもしれない。官僚出世の早道はゼロコロナを徹底するのが一番だと今までは経済成長率が地方官僚の中央への出世の第一条件であったのが、もう経済は重視されないのだ、と。

 習近平も、ゼロコロナ政策をゆるぎなく堅持することが絶対的に正しいと一度言ってしまった手前、この流れにブレーキをかけることができないのかもしれない。

中国人民にとっての大厄災に
 だが、
もう1つの見方がある。それは、権力を掌握したという自信をまだ持てない習近平が、地方の官僚たちが自分の敵か味方かを見分ける判断材料として「ゼロコロナ政策への忠実度」を見ようとしている、という可能性だ。

 
これはなかなか恐ろしい。つまり、たとえ不条理な政策であっても習近平の命令なら率先してやるかどうかを、習近平は敵味方の基準にする。人民を苦しめ経済を悪化させる官僚ほど習近平は味方と認め、人民のためを考える官僚はパージされていく

 実際、
官僚にとって、これは最も頭を使わずに出世できる方法だ。高い学歴も高い行政手腕も必要ない。だから地方官僚たちは、上層部に上げるリポートでゼロコロナを誉め讃え、肯定する者だけになる

 
習近平はますますゼロコロナに自信をもち、継続し、それは実に長い「闘争」になるかもしれない。なにせ、オミクロンの後にはケルベロスやグリフォン、バジリスクといくらでもコロナ株が登場し続けてくるのだから。

 
10月中下旬、ロックダウンの影響を受けた中国人はざっくり2億人あまり。これを14億人中国のほんの一部と考えるかどうか。それは文革の被害者1億人が当時の8億人口にとって多いか少ないか、というのと似ている

 私たちは、ゼロコロナ政策が中国経済にどれだけ悪影響を与えるか、ということに注視しがちだが、これは
もはや経済への影響以上に、人民にとっての「浩劫」(大厄災)になりつつある。新型コロナのパンデミックは人類の大厄災だが、中国人民にとっての大厄災は間違いなくゼロコロナ政策だ。そしてコロナ・パンデミックの大厄災が終わっても、ゼロコロナから始まる浩劫は文革のように10年単位で継続するかもしれない

 任期が来る第20回中国共産党大会での、任期延長を期し準備し成功した習近平。
 鄧小平が毛沢東の専制世辞の弊害がもたらした文化大革命の嵐の再発防止で導入した集団指導体制と、定年制度。
 この中国独自の社会主義体制が、日本を遥かに追い越し、米国に迫ろうかという大経済成長をもたらし、米国と覇権争いをする大国となった中国。
 憲法より共産党が上位にある中国で、憲法を変えて、定年制度廃止し、3期目の続投を決め、更に 4期目もうかがう人事も強行した習近平。
 向かうところ敵なしで、「飛ぶ鳥を落とす」勢いを得た党大会の結果となりました。

 世界はコロナと共存して経済も延ばす方向に転換しつつありますが、打ち出した「ゼロコロナ政策」を、少なくとも党大会までは継続せざるを得ない。党大会を乗り切れば、習近平批判となりつつある経済低迷脱却の為、政策転換がなされるとの見方が多かったのですが、なんと、ゼロコロナ政策がますます徹底され、そしてますます暴力的になっていると、福島さん。

 それはなぜか。
 1つ考えられるのは、上海市トップの李強の政治局常務委員への出世があるのではないかと。
 李強は今年3月から6月にかけて、多くの上海官僚や感染症専門家の反対意見を押し切って、徹底したロックダウンを実施した。このため第2四半期の上海市経済成長率は前年同期比マイナス13%に落ち込み、社会は動揺し、大混乱を来した。
 
 だが、党大会の人事で、と李強は出世し、来年3月には首相の任に着くとみられている。この人事が各地方官僚トップに誤ったメッセージを送ったかもしれない。官僚出世の早道はゼロコロナを徹底するのが一番。今までは経済成長率が地方官僚の中央への出世の第一条件であったのが、もう経済は重視されないのだと認識させたと、福島さん。

 習近平も、ゼロコロナ政策をゆるぎなく堅持することが絶対的に正しいと一度言ってしまった手前、この流れにブレーキをかけることができないのかもしれないと。

 だが、もう1つの見方がある。それは、権力を掌握したという自信をまだ持てない習近平が、地方の官僚たちが自分の敵か味方かを見分ける判断材料として「ゼロコロナ政策への忠実度」を見ようとしている、という可能性だ。これはなかなか恐ろしいと、福島さん。

 たとえ不条理な政策であっても習近平の命令なら率先してやるかどうかを、習近平は敵味方の基準にする。人民を苦しめ経済を悪化させる官僚ほど習近平は味方と認め、人民のためを考える官僚はパージされていく。

 官僚にとって、これは最も頭を使わずに出世できる方法だ。高い学歴も高い行政手腕も必要ない。だから地方官僚たちは、上層部に上げるリポートでゼロコロナを誉め讃え、肯定する者だけになる。

 10月中下旬、ロックダウンの影響を受けた中国人はざっくり2億人あまり。これを14億人中国のほんの一部と考えるかどうか。それは文革の被害者1億人が当時の8億人口にとって多いか少ないか、というのと似ていると。

 私たちは、ゼロコロナ政策が中国経済にどれだけ悪影響を与えるか、ということに注視しがちだが、これはもはや経済への影響以上に、人民にとっての「浩劫」(大厄災)になりつつあると、福島さん。
 
 私たちは、ゼロコロナ政策が中国経済にどれだけ悪影響を与えるか、ということに注視しがちだが、中国人民にとっての大厄災は間違いなくゼロコロナ政策だ。そしてコロナ・パンデミックの大厄災が終わっても、ゼロコロナから始まる浩劫は文革のように10年単位で継続するかもしれないと。。

 独裁政治は必ず破綻することは、歴史が証明していますし、中国の長い歴史も例外ではない。まして直近では毛沢東が証明。
 その毛沢東を目指す習近平。命令を聴くことが出世の近道と従うスタッフだけを重用する習近平独裁政治。終わりも毛沢東と同等の終わりになるでしょうか。



 # # 冒頭の画像は、習近平政権を批判する横断幕




  この花の名前は、シマカンギク


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