選挙制度改革の内の「一票の格差」に関する裁判結果が出始めてきました。選挙が終わり、アベノミクス旋風ですっかり置き去りにされていた(メディアが取り上げなかった)、司法が「違憲状態」と指摘していた立法府の怠慢の課題でしたが、「違憲状態」から「違憲」の判決が連続しています。
札幌高裁は、「違憲」の他に、「0増5減」についても、「格差が2倍未満になるよう最小限の改定にとどめるもの。最高裁判決が求めた改正とは質的に異なる」と批判しています。
立法府・国会の自律が求められますが、選挙制度改革は「一票の格差」の他にもう一つ、「得票数と獲得議席数の乖離」という民意の反映が不十分な現行制度の改革も重要で、こちらも改革を推進していただかねばなりません。
「0増5減」を肯定的にとらえていた東京高裁と異なる、踏み込んだ見解は、評価されて良いと考えます。従って、選挙制度の基本的な見直しがなされることが求められています。
今後も続く、他裁判の判決や控訴審の判決が待たれます。
「民意の反映」での、得票数と獲得議席数の乖離については、小泉郵政改革選挙、民主党の政権交代マスコミ誘導旋風選挙、今回のダメ民主党から目覚め選挙といずれも発生している現象ですね。
2009年の政権交代の時は、民主党は得票率が44.9%に対し、議席獲得率は64.2%で、自民党は得票率32.7%に対し、議席率は24.8%でした。過半数の得票に至っていない民主党が、議席では過半数どころか64.2%も占めたのでした。
今回は、自民党の得票率は、35.28%で、獲得議席率が、61.25%。以下民主は、得票率=19.39%、獲得議席率=11.88%。維新は、得票率=16.03%、獲得議席率=11.25%となり、公明党とみんなでは、みんなの方が投票数・率が多いにも関わらず、公明の獲得議席は31で、みんなはその半分ちかくの18議席となっています。
自民党大勝 考 - 遊爺雑記帳
【追伸】自民党大勝 考 - 遊爺雑記帳
得票数と獲得議席数の乖離の解決策などの民意の反映を改善する選挙制度としては、過去に当blog内でご教授いただいた誠司様が提唱される「単記移譲式」があります。
好ましい人から3名までに順番1,2,3を記入する方法を提唱されています。
どの選挙制度が良いかを考察する/誠司のブログ
【注】リンク文中にお急ぎの場合は、まとめ からお読みくださいとされています。
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関連リンク
選挙制度改革 誠司の提案 衆議院議員、知事・市町村長選挙について
誠司のブログ 政治・選挙関連リンク
産経の主張は、「政治家が決断できないのであれば、休眠中の政府の選挙制度審議会を開き、抜本改革を諮問することが必要」と言っていますが、立法府が動かないのであれば、司法が強く指導する必要があります。
# 冒頭の画像は、2012年10月に参議院が違憲状態と判決を下した最高裁
この花の名前は、アケボノソウ 撮影場所;六甲高山植物園(2012年10月撮影)
↓よろしかったら、お願いします。
札幌高裁は、「違憲」の他に、「0増5減」についても、「格差が2倍未満になるよう最小限の改定にとどめるもの。最高裁判決が求めた改正とは質的に異なる」と批判しています。
立法府・国会の自律が求められますが、選挙制度改革は「一票の格差」の他にもう一つ、「得票数と獲得議席数の乖離」という民意の反映が不十分な現行制度の改革も重要で、こちらも改革を推進していただかねばなりません。
衆院選、札幌高裁も「違憲」 1票の格差:日本経済新聞
最大2.43倍の「1票の格差」を是正せずに実施された昨年12月の衆院選は憲法違反だとして、升永英俊弁護士らのグループが北海道3区の選挙無効を求めた訴訟の判決で、札幌高裁の橋本昌純裁判長は7日、前日の東京高裁に続いて、小選挙区の現行区割り規定を違憲と判断した。原告側が求めた選挙無効は認めなかった。弁護士側は上告する。
小選挙区の議員定数の「0増5減」など格差是正に向けた国会の取り組みを札幌高裁判決は「最小限の改定で最高裁判決が求めた改正とは質的に異なる」と批判。「違憲状態を解消する対応」と評価した東京高裁とは対照的な姿勢を示した。国会は格差是正により一層の努力を迫られる。
2009年の衆院選について、最高裁大法廷は11年3月、47都道府県にあらかじめ1議席を配分する方式を否定し、最大格差2.30倍の区割りを違憲状態とした。
橋本裁判長はこの日の判決で「最高裁が投票価値の平等を要請したのに、合理的期間内に是正しなかった」として違憲と判断。その上で「0増5減」などの是正策を「格差が2倍未満になるよう最小限の改定にとどめるもの。最高裁判決が求めた改正とは質的に異なる」と批判し改革が不十分だと指摘した。
さらに、是正策に基づき衆院選挙区画定審議会が進めている区割りの見直しも「同様の改定の域を出ない」と断じた。
一方で「最高裁判決後、何の立法措置も取らずに漫然と放置していたとまではいえない」とし、東京高裁と同様、「事情判決の法理」を適用し選挙無効は回避した。
6日の東京高裁判決は是正策を「違憲状態を解消する対応で、格差も2倍未満になる」と肯定的にとらえていた。
北海道3区と高知3区の格差は2.20倍だった。道選挙管理委員会は「区割りの改定には時間が不十分だった」と反論していた。
「1票の格差」訴訟は2つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こしていて、判決は2件目。
北海道選挙管理委員会の高橋一史委員長の話 選挙は無効とされなかったものの、選挙区割りは違憲であるという厳しい内容だ。国とよく協議した上で、上告などの方針を決定したい。〔共同〕
最大2.43倍の「1票の格差」を是正せずに実施された昨年12月の衆院選は憲法違反だとして、升永英俊弁護士らのグループが北海道3区の選挙無効を求めた訴訟の判決で、札幌高裁の橋本昌純裁判長は7日、前日の東京高裁に続いて、小選挙区の現行区割り規定を違憲と判断した。原告側が求めた選挙無効は認めなかった。弁護士側は上告する。
小選挙区の議員定数の「0増5減」など格差是正に向けた国会の取り組みを札幌高裁判決は「最小限の改定で最高裁判決が求めた改正とは質的に異なる」と批判。「違憲状態を解消する対応」と評価した東京高裁とは対照的な姿勢を示した。国会は格差是正により一層の努力を迫られる。
2009年の衆院選について、最高裁大法廷は11年3月、47都道府県にあらかじめ1議席を配分する方式を否定し、最大格差2.30倍の区割りを違憲状態とした。
橋本裁判長はこの日の判決で「最高裁が投票価値の平等を要請したのに、合理的期間内に是正しなかった」として違憲と判断。その上で「0増5減」などの是正策を「格差が2倍未満になるよう最小限の改定にとどめるもの。最高裁判決が求めた改正とは質的に異なる」と批判し改革が不十分だと指摘した。
さらに、是正策に基づき衆院選挙区画定審議会が進めている区割りの見直しも「同様の改定の域を出ない」と断じた。
一方で「最高裁判決後、何の立法措置も取らずに漫然と放置していたとまではいえない」とし、東京高裁と同様、「事情判決の法理」を適用し選挙無効は回避した。
6日の東京高裁判決は是正策を「違憲状態を解消する対応で、格差も2倍未満になる」と肯定的にとらえていた。
北海道3区と高知3区の格差は2.20倍だった。道選挙管理委員会は「区割りの改定には時間が不十分だった」と反論していた。
「1票の格差」訴訟は2つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こしていて、判決は2件目。
北海道選挙管理委員会の高橋一史委員長の話 選挙は無効とされなかったものの、選挙区割りは違憲であるという厳しい内容だ。国とよく協議した上で、上告などの方針を決定したい。〔共同〕
「0増5減」を肯定的にとらえていた東京高裁と異なる、踏み込んだ見解は、評価されて良いと考えます。従って、選挙制度の基本的な見直しがなされることが求められています。
今後も続く、他裁判の判決や控訴審の判決が待たれます。
「民意の反映」での、得票数と獲得議席数の乖離については、小泉郵政改革選挙、民主党の政権交代マスコミ誘導旋風選挙、今回のダメ民主党から目覚め選挙といずれも発生している現象ですね。
2009年の政権交代の時は、民主党は得票率が44.9%に対し、議席獲得率は64.2%で、自民党は得票率32.7%に対し、議席率は24.8%でした。過半数の得票に至っていない民主党が、議席では過半数どころか64.2%も占めたのでした。
今回は、自民党の得票率は、35.28%で、獲得議席率が、61.25%。以下民主は、得票率=19.39%、獲得議席率=11.88%。維新は、得票率=16.03%、獲得議席率=11.25%となり、公明党とみんなでは、みんなの方が投票数・率が多いにも関わらず、公明の獲得議席は31で、みんなはその半分ちかくの18議席となっています。
自民党大勝 考 - 遊爺雑記帳
【追伸】自民党大勝 考 - 遊爺雑記帳
得票数と獲得議席数の乖離の解決策などの民意の反映を改善する選挙制度としては、過去に当blog内でご教授いただいた誠司様が提唱される「単記移譲式」があります。
好ましい人から3名までに順番1,2,3を記入する方法を提唱されています。
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【注】リンク文中にお急ぎの場合は、まとめ からお読みくださいとされています。
ブラウザが、google chrome の場合文字化けが出る可能性があります。
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選挙制度改革 誠司の提案 衆議院議員、知事・市町村長選挙について
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産経の主張は、「政治家が決断できないのであれば、休眠中の政府の選挙制度審議会を開き、抜本改革を諮問することが必要」と言っていますが、立法府が動かないのであれば、司法が強く指導する必要があります。
# 冒頭の画像は、2012年10月に参議院が違憲状態と判決を下した最高裁
この花の名前は、アケボノソウ 撮影場所;六甲高山植物園(2012年10月撮影)
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