今月、3日から始まった、「アジア安全保障会議」では、米・カーター国防長官が、終始強気で中国の南シナ海での覇権拡大を非難しました。パンダハガーのオバマ政権も、任期終了間際になって、ようやく米国らしさを取り戻した感がありますが、大統領選でのトランプ旋風に煽られたのでしょうか。元々、カーター米国防長官はパンダハガーではありませんでしたが。
勿論、中国は猛反発で、自分が波風をたてておいて、それを米国のせいにすりかえて反論しています。こうした中国の姿勢と、米国の毅然とした姿勢が、米国への信頼を得たのか、中国非難の声が広まっている様ですね。
中国の領海・領土侵入に対し、フィリピンが仲裁裁判所に提訴していた裁定が近く下される予定ですが、中国に不利な内容となる予測がされていますね。
これに対し、中国は、その裁定を無視すると宣言していることは、諸兄がご承知の通りです。
国際法を無視する中国の姿が、鮮明に露呈しています。そのうえで、「平和的」と言われても、だれも信じる筈がなく、無法国家として信頼を失うのは当然です。
ASEANの、南シナ海を巡り、ベトナムやフィリピンが主導する、領海・領土の対中対立に中立の立場だったインドネシアや、対立激化を抑えていた、マレーシアやシンガポールが、対中警戒を強めてきたのは当然のことですね。
フランスが、EU各国に対し、南シナ海などに海軍艦艇を派遣することを近く提案すると言い始めているのだと。
カーター長官の攻勢に対し、孫建国副参謀長は、「中国は孤立していない。彼の話は間違っている」と強く反発している様ですが、国際法を無視して、根拠を捏造した自国の主張をゴリ押しする姿勢は、自ら敵を増やしていますね。
韓国 THAAD配備 米中の狭間でいよいよ決断の時迫る - 遊爺雑記帳
カンボジア、ラオス、タイといった国々が、中国の札束外交で属国化させられていますので、ASEANの中での亀裂が深まる可能性が高まってきています。
国内経済成長が減速し、国内での格差拡大が進み、その対策にも追われる習近平。来年の、共産党中央政治局常務委員(トップ 7)の改選の椅子取り争いも過熱化し、政局争いでも忙しい習近平。
南シナ海は、ますます波が高くなっていく様相ですね。対抗軸としての日本への期待も高まる一方です。戦争法案云々で平和ボケの空論を唱えている場合ではありませんね。
# 冒頭の画像は、孫建国統合参謀部副参謀長
この花の名前は、ロウバイ
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勿論、中国は猛反発で、自分が波風をたてておいて、それを米国のせいにすりかえて反論しています。こうした中国の姿勢と、米国の毅然とした姿勢が、米国への信頼を得たのか、中国非難の声が広まっている様ですね。
アジア安保会議 ASEAN 中立国も警戒 仲裁裁「無視」の中国と距離 (6/6 読売朝刊)
【シンガポール=池田慶太、蒔田一彦】中国軍の孫建国・統合参謀部副参謀長は「アジア安全保障会議」最終日の5日、南シナ海問題を巡る常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判断を無視すると宣言した。東南アジア諸国連合(ASEAN)では、この問題で中立の立場を保ってきたインドネシアなどが、強引さを増すその手法に警戒を強め、距離を置き始めている。
「中国は紛争を平和的な話し合いで解決する知恵と忍耐がある」。孫氏は5日の演説で、野太い声を一段と張り上げた。3日間で15以上の国・機構と会談し、領有権問題は当事国で解決すべきだと説いて仲裁を無視する環境構築に奔走した孫氏。演説では、「平和的解決」を何度も強調した。
だが、演説後の質疑応答では、「昨年も『行動で示す』と言ったはずだ」と、むしろ海域の緊張を高めてきた言行不一致への指摘も出た。孫氏は、カーター米国防長官が中国の一方的な海洋進出を非難した4日の演説を受け、「冷戦の思考をもって色眼鏡で中国を見ている」と、南シナ海を緊張させているのは米国だとする主張を展開した。
妥協を見せない中国に対し、ベトナムのグエン・チー・ビン国防次官は5日の演説で「適切に解決しないと戦争に発展しかねない」と指摘した。当事国ながら、中国への表立った批判を控えてきたマレーシアのヒシャムディン国防相も「中国の今後の動向を心配している。軍事的な競合は危険だ」と、懸念を表明した。
ASEANで「中立」とみられてきた国もいらだちを募らせている。インドネシアは中国の海洋進出に軍備増強で対抗する姿勢を強め、最近発表した国防白書では「南シナ海での武力紛争の可能性」を指摘し、南シナ海南端のナトゥナ諸島の防衛力を強化すると明記した。シンガポールも、米軍の最新鋭哨戒機「P8」の巡回配備を受け入れ、抑止力とする戦略を描く。
中国が「受け入れ拒否」を宣言したとはいえ、ASEANの中では、今月にも下される仲裁裁の判断が問題解決の糸口になることへの期待は根強い。関係筋によると、仲裁裁が判断を示した後にASEANとして共同声明を出し、国際法順守を中国に促そうとする動きが出ている。フィリピンやベトナムに加え、インドネシアやシンガポールなどが賛同しているという。
だが、中国から多額の経済援助を受けるカンボジアのティア・バニュ国防相は本紙に「当事国の対話で解決すればいい」と述べ、共同声明は必要ないと強調。中国による分断工作で、ASEANが足並みをそろえられずにいるのも現実だ。
【シンガポール=池田慶太、蒔田一彦】中国軍の孫建国・統合参謀部副参謀長は「アジア安全保障会議」最終日の5日、南シナ海問題を巡る常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判断を無視すると宣言した。東南アジア諸国連合(ASEAN)では、この問題で中立の立場を保ってきたインドネシアなどが、強引さを増すその手法に警戒を強め、距離を置き始めている。
「中国は紛争を平和的な話し合いで解決する知恵と忍耐がある」。孫氏は5日の演説で、野太い声を一段と張り上げた。3日間で15以上の国・機構と会談し、領有権問題は当事国で解決すべきだと説いて仲裁を無視する環境構築に奔走した孫氏。演説では、「平和的解決」を何度も強調した。
だが、演説後の質疑応答では、「昨年も『行動で示す』と言ったはずだ」と、むしろ海域の緊張を高めてきた言行不一致への指摘も出た。孫氏は、カーター米国防長官が中国の一方的な海洋進出を非難した4日の演説を受け、「冷戦の思考をもって色眼鏡で中国を見ている」と、南シナ海を緊張させているのは米国だとする主張を展開した。
妥協を見せない中国に対し、ベトナムのグエン・チー・ビン国防次官は5日の演説で「適切に解決しないと戦争に発展しかねない」と指摘した。当事国ながら、中国への表立った批判を控えてきたマレーシアのヒシャムディン国防相も「中国の今後の動向を心配している。軍事的な競合は危険だ」と、懸念を表明した。
ASEANで「中立」とみられてきた国もいらだちを募らせている。インドネシアは中国の海洋進出に軍備増強で対抗する姿勢を強め、最近発表した国防白書では「南シナ海での武力紛争の可能性」を指摘し、南シナ海南端のナトゥナ諸島の防衛力を強化すると明記した。シンガポールも、米軍の最新鋭哨戒機「P8」の巡回配備を受け入れ、抑止力とする戦略を描く。
中国が「受け入れ拒否」を宣言したとはいえ、ASEANの中では、今月にも下される仲裁裁の判断が問題解決の糸口になることへの期待は根強い。関係筋によると、仲裁裁が判断を示した後にASEANとして共同声明を出し、国際法順守を中国に促そうとする動きが出ている。フィリピンやベトナムに加え、インドネシアやシンガポールなどが賛同しているという。
だが、中国から多額の経済援助を受けるカンボジアのティア・バニュ国防相は本紙に「当事国の対話で解決すればいい」と述べ、共同声明は必要ないと強調。中国による分断工作で、ASEANが足並みをそろえられずにいるのも現実だ。
南シナ海 中国「政策維持」 フィリピン提訴 仲裁裁判「従わない」 (6/6 読売朝刊)
【シンガポール=蒔田一彦、池田慶太】中国軍の孫建国・統合参謀部副参謀長は5日、シンガポールで開かれていたアジア安全保障会議(英国際戦略研究所主催)で演説し、南シナ海問題を巡るフィリピンの提訴を受けて常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が近く示すとみられる判断について、「これまでも言ってきたが、受け入れず、従わない」と改めて表明し、「中国の南シナ海政策は変わらない」と強調した。
仲裁裁はすでにフィリピンの提訴を受理しているが、孫氏は、「仲裁裁には管轄権がなく、仲裁の結果は中国に拘束力を持たない」と一方的に主張した。また、南シナ海で「航行の自由作戦」を展開する米国を念頭に、「中国は主権と安全・利益が侵されることを許さず、少数の国が南シナ海で騒ぎを起こすことを座視しない」と強くけん制した。
また、米最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の在韓米軍への配備について、「戦略上の安定を破壊するものだ」として、「断固反対」の立場を示した。
一方、ルドリアン仏国防相も同日演説し、南シナ海での「法の支配」や「航行の自由」の重要性を強調した。「欧州各国の海軍は、アジアの海域で定期的かつ目に見える形で存在感を確保するために協調できる」と述べ、欧州連合(EU)各国に対し、南シナ海などに海軍艦艇を派遣することを近く提案する考えを明らかにした。
同会議は5日、3日間の日程を終えて閉幕した。
【シンガポール=蒔田一彦、池田慶太】中国軍の孫建国・統合参謀部副参謀長は5日、シンガポールで開かれていたアジア安全保障会議(英国際戦略研究所主催)で演説し、南シナ海問題を巡るフィリピンの提訴を受けて常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が近く示すとみられる判断について、「これまでも言ってきたが、受け入れず、従わない」と改めて表明し、「中国の南シナ海政策は変わらない」と強調した。
仲裁裁はすでにフィリピンの提訴を受理しているが、孫氏は、「仲裁裁には管轄権がなく、仲裁の結果は中国に拘束力を持たない」と一方的に主張した。また、南シナ海で「航行の自由作戦」を展開する米国を念頭に、「中国は主権と安全・利益が侵されることを許さず、少数の国が南シナ海で騒ぎを起こすことを座視しない」と強くけん制した。
また、米最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の在韓米軍への配備について、「戦略上の安定を破壊するものだ」として、「断固反対」の立場を示した。
一方、ルドリアン仏国防相も同日演説し、南シナ海での「法の支配」や「航行の自由」の重要性を強調した。「欧州各国の海軍は、アジアの海域で定期的かつ目に見える形で存在感を確保するために協調できる」と述べ、欧州連合(EU)各国に対し、南シナ海などに海軍艦艇を派遣することを近く提案する考えを明らかにした。
同会議は5日、3日間の日程を終えて閉幕した。
中国の領海・領土侵入に対し、フィリピンが仲裁裁判所に提訴していた裁定が近く下される予定ですが、中国に不利な内容となる予測がされていますね。
これに対し、中国は、その裁定を無視すると宣言していることは、諸兄がご承知の通りです。
国際法を無視する中国の姿が、鮮明に露呈しています。そのうえで、「平和的」と言われても、だれも信じる筈がなく、無法国家として信頼を失うのは当然です。
ASEANの、南シナ海を巡り、ベトナムやフィリピンが主導する、領海・領土の対中対立に中立の立場だったインドネシアや、対立激化を抑えていた、マレーシアやシンガポールが、対中警戒を強めてきたのは当然のことですね。
フランスが、EU各国に対し、南シナ海などに海軍艦艇を派遣することを近く提案すると言い始めているのだと。
カーター長官の攻勢に対し、孫建国副参謀長は、「中国は孤立していない。彼の話は間違っている」と強く反発している様ですが、国際法を無視して、根拠を捏造した自国の主張をゴリ押しする姿勢は、自ら敵を増やしていますね。
韓国 THAAD配備 米中の狭間でいよいよ決断の時迫る - 遊爺雑記帳
カンボジア、ラオス、タイといった国々が、中国の札束外交で属国化させられていますので、ASEANの中での亀裂が深まる可能性が高まってきています。
国内経済成長が減速し、国内での格差拡大が進み、その対策にも追われる習近平。来年の、共産党中央政治局常務委員(トップ 7)の改選の椅子取り争いも過熱化し、政局争いでも忙しい習近平。
南シナ海は、ますます波が高くなっていく様相ですね。対抗軸としての日本への期待も高まる一方です。戦争法案云々で平和ボケの空論を唱えている場合ではありませんね。
# 冒頭の画像は、孫建国統合参謀部副参謀長
この花の名前は、ロウバイ
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