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日豪のEPAが、4月のアボット首相の来日時の決着に向け進展しています。
TPPでは、議会選挙を控えた米国が「大統領貿易促進権限(TPA)」も政府に与えられず、硬直的な姿勢とならざるを得ず、交渉が進んでいません。
また、中国の海洋覇権の行動が強まるばかりで、米国依存から「アジア版NATO」での抑止力構築も必要となってきていて、日豪の「安全保障協力に関する日豪共同宣言」の強化が必要となってきています。
日豪EPAが合意にいたれば、TPPの進展にも、日豪の絆の強化による東アジアの安全保障の安定化にも好転する良い影響が及ぼされることになります。
厳しい外交情勢が多く生まれているなかで、桜の開花とともに、明るい話も咲いてきそうで、わくわくしてきますね。
日豪EPA、4月大筋筋合意へ 牛肉関税は協議継続 - MSN産経ニュース
世界の警察を取り下げたオバマ政権。米国の内向きへの姿勢転換は、ロシアによるウクライナのクリミア半島併合に見られる、世界の平和に変化を産んでいますね。
東シナ海、南シナ海で軍事力を強化し、他国の領海・領空を犯している国があり、そちらへの飛び火が懸念されることは諸兄がご承知の通りです。
日本や東南アジアに、アジア版NATOの必要性が唱えられる所以ですね。
ご承知の通り、日本が安全保障条約を締結している同盟国は、米国です。ついで、「安全保障協力に関する日豪共同宣言」を交わした豪州が、同盟国に近い関係の国です。外務・防衛閣僚会議の関係を持つ国は、米国、オーストラリア、ロシア、フランスと開催予定のインドネシアの 5ヵ国があり、東南アジアではインドネシアも準同盟国と言えます。
2プラス2を検討 日・インドネシア首脳会談 :日本経済新聞
つまり、日本が二国間関係で強い連携の具体的形を持っている国としては、米国に次いではオーストラリアとなるのですね。
米国が、オバマ氏の能力か米国自体の能力かはべつとして、かつてのリーダーシップを発揮しなくなった(発揮出来なくなった)今日では、その同盟国など連携国が力を合わせて、平和を護らねばなりません。
その時、連携をとれる絆があるのはオーストラリアと言えるでしょう。
言い換えれば、日豪が東アジアや、環太平洋国家での米国との連携を補強しうる国の兄貴分とも言えます。
日豪EPAの最大の焦点は牛肉とのこと(砂糖もTPPでは話題になっていますが?)ですが、これは、TPPでも同様のことで、避けて通れない課題で、いずれにしても日本国内での対策が急がれるものです。そして、TPPでの米国の強硬な要求に比べ、現実路線を目指すオーストラリアの姿勢の方が、双方歩み寄りやすく実現の可能性があります。
日豪の連携(捕鯨問題はありますが)がとれれば、東アジアや、環太平洋国家での課題へのリーダーシップへの影響力も増します。
遊爺の独断の余談ですが、国産牛や米国産牛は脂肪(霜降)が多くその味を好む方々には競合しますが、脂肪が比較的少なくて美味しいオーストラリア牛(主力はOGビーフで、日本向け霜降り牛もある)は、ヘルシー志向の遊爺には価格の問題より、品質の上で選択しています。
必ずしも価格だけではないことを念頭に、国内の対策を構築して、波及効果の大きい日豪EPAの成立が実現されることを願います。
# 冒頭の画像は、EPA交渉の合意に向け会談するオーストラリアのロブ貿易・投資相(左端)と林農水相(右端)
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この花の名前は、ダキバアレチハナガサ
↓よろしかったら、お願いします。
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TPPでは、議会選挙を控えた米国が「大統領貿易促進権限(TPA)」も政府に与えられず、硬直的な姿勢とならざるを得ず、交渉が進んでいません。
また、中国の海洋覇権の行動が強まるばかりで、米国依存から「アジア版NATO」での抑止力構築も必要となってきていて、日豪の「安全保障協力に関する日豪共同宣言」の強化が必要となってきています。
日豪EPAが合意にいたれば、TPPの進展にも、日豪の絆の強化による東アジアの安全保障の安定化にも好転する良い影響が及ぼされることになります。
厳しい外交情勢が多く生まれているなかで、桜の開花とともに、明るい話も咲いてきそうで、わくわくしてきますね。
日豪EPA、4月大筋筋合意へ 牛肉関税は協議継続 - MSN産経ニュース
日豪EPAをTPP交渉打開のテコに :日本経済新聞
日本とオーストラリアが2国間で進めてきた経済連携協定(EPA)交渉が、最終的な局面に入った。来日したロブ貿易相と林芳正農相らの閣僚協議で意見調整が進展し、4月上旬の安倍晋三首相とアボット首相による首脳会談で決着する可能性が見えてきた。
国内に痛みを伴う自由貿易を進め、互いに歩み寄る日豪双方の政権の努力を評価したい。それぞれ米国と同盟関係にある日豪両国の絆が太くなれば、アジア太平洋地域の安定にもつながる。
日豪EPAは第1次安倍政権の2006年に、国内の農業協同組合や農林族の反対を押し切り、首相自身が交渉開始を決断した経緯がある。長年の交渉が、ようやくあと一歩のところまで来た。この機を逃さず、合意に向けて集中的に努力を倍加してほしい。
最大の焦点は、日本が輸入牛肉に課す現在38.5%の関税だ。対日輸出を増やしたい豪州は20%前後への引き下げを求め、国内畜産農家への悪影響を心配する日本は削減幅を縮めようとしている。
豪州国内には、関税ゼロを目指して、もっと強硬に交渉すべきだという声もある。日豪はともに環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉国であり、TPPは原則的に全品目の関税撤廃を掲げているからだ。日豪EPAで安易に妥結を急がず、TPP交渉の決着を待つべきだという意見だ。
だが2013年9月に発足したアボット政権は、多国間のTPPより2国間のEPAを優先する方針を採った。日本の牛肉市場では豪州産と米国産が激しくシェアを競っており、米国産に先んじて豪州産だけの関税が下がれば、競争で有利になるからだ。
この豪州の方針転換を、安倍政権は最大限に活用すべきだ。日豪が妥当な関税率で先行して合意すれば、牛肉で強硬姿勢を崩さない米国の立場に少なからず影響を与えるだろう。ライバルの豪州に後れを取るとなれば、米国は対日要求の水準を下げてくる可能性もある。TPP交渉の膠着を打開するテコになるかもしれない。
ただし豪州産への関税削減の幅が小さければ、米国を焦らせる効果は弱くなってしまう。国内の畜産農家への影響を抑える方策は欠かせないが、TPP交渉の前進を目指すならば、まず日豪EPAで深掘りの関税削減が必要である。安倍首相は指導力を発揮し、強力な日豪合意を実現してほしい。
日本とオーストラリアが2国間で進めてきた経済連携協定(EPA)交渉が、最終的な局面に入った。来日したロブ貿易相と林芳正農相らの閣僚協議で意見調整が進展し、4月上旬の安倍晋三首相とアボット首相による首脳会談で決着する可能性が見えてきた。
国内に痛みを伴う自由貿易を進め、互いに歩み寄る日豪双方の政権の努力を評価したい。それぞれ米国と同盟関係にある日豪両国の絆が太くなれば、アジア太平洋地域の安定にもつながる。
日豪EPAは第1次安倍政権の2006年に、国内の農業協同組合や農林族の反対を押し切り、首相自身が交渉開始を決断した経緯がある。長年の交渉が、ようやくあと一歩のところまで来た。この機を逃さず、合意に向けて集中的に努力を倍加してほしい。
最大の焦点は、日本が輸入牛肉に課す現在38.5%の関税だ。対日輸出を増やしたい豪州は20%前後への引き下げを求め、国内畜産農家への悪影響を心配する日本は削減幅を縮めようとしている。
豪州国内には、関税ゼロを目指して、もっと強硬に交渉すべきだという声もある。日豪はともに環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉国であり、TPPは原則的に全品目の関税撤廃を掲げているからだ。日豪EPAで安易に妥結を急がず、TPP交渉の決着を待つべきだという意見だ。
だが2013年9月に発足したアボット政権は、多国間のTPPより2国間のEPAを優先する方針を採った。日本の牛肉市場では豪州産と米国産が激しくシェアを競っており、米国産に先んじて豪州産だけの関税が下がれば、競争で有利になるからだ。
この豪州の方針転換を、安倍政権は最大限に活用すべきだ。日豪が妥当な関税率で先行して合意すれば、牛肉で強硬姿勢を崩さない米国の立場に少なからず影響を与えるだろう。ライバルの豪州に後れを取るとなれば、米国は対日要求の水準を下げてくる可能性もある。TPP交渉の膠着を打開するテコになるかもしれない。
ただし豪州産への関税削減の幅が小さければ、米国を焦らせる効果は弱くなってしまう。国内の畜産農家への影響を抑える方策は欠かせないが、TPP交渉の前進を目指すならば、まず日豪EPAで深掘りの関税削減が必要である。安倍首相は指導力を発揮し、強力な日豪合意を実現してほしい。
世界の警察を取り下げたオバマ政権。米国の内向きへの姿勢転換は、ロシアによるウクライナのクリミア半島併合に見られる、世界の平和に変化を産んでいますね。
東シナ海、南シナ海で軍事力を強化し、他国の領海・領空を犯している国があり、そちらへの飛び火が懸念されることは諸兄がご承知の通りです。
日本や東南アジアに、アジア版NATOの必要性が唱えられる所以ですね。
ご承知の通り、日本が安全保障条約を締結している同盟国は、米国です。ついで、「安全保障協力に関する日豪共同宣言」を交わした豪州が、同盟国に近い関係の国です。外務・防衛閣僚会議の関係を持つ国は、米国、オーストラリア、ロシア、フランスと開催予定のインドネシアの 5ヵ国があり、東南アジアではインドネシアも準同盟国と言えます。
2プラス2を検討 日・インドネシア首脳会談 :日本経済新聞
つまり、日本が二国間関係で強い連携の具体的形を持っている国としては、米国に次いではオーストラリアとなるのですね。
米国が、オバマ氏の能力か米国自体の能力かはべつとして、かつてのリーダーシップを発揮しなくなった(発揮出来なくなった)今日では、その同盟国など連携国が力を合わせて、平和を護らねばなりません。
その時、連携をとれる絆があるのはオーストラリアと言えるでしょう。
言い換えれば、日豪が東アジアや、環太平洋国家での米国との連携を補強しうる国の兄貴分とも言えます。
日豪EPAの最大の焦点は牛肉とのこと(砂糖もTPPでは話題になっていますが?)ですが、これは、TPPでも同様のことで、避けて通れない課題で、いずれにしても日本国内での対策が急がれるものです。そして、TPPでの米国の強硬な要求に比べ、現実路線を目指すオーストラリアの姿勢の方が、双方歩み寄りやすく実現の可能性があります。
日豪の連携(捕鯨問題はありますが)がとれれば、東アジアや、環太平洋国家での課題へのリーダーシップへの影響力も増します。
遊爺の独断の余談ですが、国産牛や米国産牛は脂肪(霜降)が多くその味を好む方々には競合しますが、脂肪が比較的少なくて美味しいオーストラリア牛(主力はOGビーフで、日本向け霜降り牛もある)は、ヘルシー志向の遊爺には価格の問題より、品質の上で選択しています。
必ずしも価格だけではないことを念頭に、国内の対策を構築して、波及効果の大きい日豪EPAの成立が実現されることを願います。
# 冒頭の画像は、EPA交渉の合意に向け会談するオーストラリアのロブ貿易・投資相(左端)と林農水相(右端)
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この花の名前は、ダキバアレチハナガサ
↓よろしかったら、お願いします。
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