5月21日、北朝鮮は中距離弾道ミサイル「北極星2」を打ち上げた。ミサイルは小型カメラを搭載し、地上が徐々に遠ざかる様子を空中から撮影していた。映像は中国領内の地形を延々と映している。なぜ北朝鮮領内でなく、中国領の映像をあえて公開したのか。金正恩が量産を指示した中距離の『北極星2』は北京も標的にできる。言葉ではなく映像で意図を伝えた。
北朝鮮の意図の証拠ともいえる奇妙な映像で、金正恩は習近平を脅している。
米国を狙うICBMの「火星12,14}」が注目されていますが、すでに金正恩が量産を指示した中距離の『北極星2』は北京も標的にできるのですね。
北朝鮮の幹部が、「開発に成功した新型弾道ミサイルは中国全域を射程に収めた」と口にしたのだそうで、注目されている北朝鮮の米国への攻撃の影で、金正恩は習近平を脅していたのです。
北朝鮮経済が中国に依存していることは衆知のことで、記事でも石油だけでなく北朝鮮の市場には中国製の日用品があふれ、もはや中国なしに市民生活は成り立たないとまで指摘しています。
北朝鮮は中国による制裁に強く反発していて、金正恩は中国の“半植民地”になるのを避ける手段が核兵器だと考えているのだそうです。北が望んでいる米国との国交樹立も、中国依存から脱する手段でもあるのだと。
かつて中国が、1964年10月に原爆実験に成功させ。67年に水爆実験へと進み、70年には弾道ミサイルで人工衛星を打ち上げ、その結果、72年のニクソン訪中による国交正常化に漕ぎつけた手法の再現を謀る北朝鮮。
ミサイル開発が急速に進んだのは、ロシアの支援が大きいと言われています。
中国一辺倒から、接近する露との関係強化を進め脱中国支配を進める金正恩。更に、米国とも国交樹立をすすめ、核保有国として自立したいのですね。
しかし、国民生活を犠牲にして先軍政治をすすめる金一族の王朝国家。日本国民等を拉致したテロ国家です。
核兵器で他国を牽制して、その力で国を存立させる。そんなテロ国家の存立が許容されてよいのでしょうか。国連で、世界の国々が制裁を認める所以ですね。
かといって、トランプ政権による硬軟織り交ぜた核とミサイル開発への牽制も、現状では効いてこない。
先の国連の経済制裁強化では、さしもの中露も、その核とミサイルが自国にも脅威になり始めて決議に反対はしませんでした。
中露がこのテロ国家にどれだけ真剣に対峙し、核とミサイルの開発を阻止できるかが、金正恩の暴走阻止にかかっています。まずは、今日のミサイル開発推進の原動力となっている、ウクライナ製エンジンの供給ルート遮断に、関連各国が一致連携することが望まれます。中国からの経済制裁に加え、ロシアの原油とミサイルエンジンと技術の売却停止が必要です。
# 冒頭の画像は、「北極星2」から中国を望む画像
キジュの果実
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北朝鮮の意図の証拠ともいえる奇妙な映像で、金正恩は習近平を脅している。
「中国全土を射程に」習近平氏を脅す金正恩氏 編集委員 中沢克二 :日本経済新聞 2017/8/16 6:30
「開発に成功した新型弾道ミサイルは中国全域を射程に収めた」。北朝鮮の幹部が内部で口にしたという極秘の話の一部が、中朝国境をまたいで中国側に流れてきている。日本上空を通過して米国領グアムのアンダーセン空軍基地周辺を狙うミサイル発射があるのか。これが世界の関心の的だが、実は「中国全土が北朝鮮の核ミサイルの照準に入った」という事実も、現在の緊張状態を読み解くには極めて重要だ。
北朝鮮の意図の証拠ともいえる奇妙な映像が公表された。5月21日、北朝鮮は朝鮮労働党委員長の金正恩も立ち会うなか、内陸部の平安南道の北倉(プクチャン)から、固体燃料を使った中距離弾道ミサイル「北極星2」を打ち上げた。ミサイルは小型カメラを搭載し、地上が徐々に遠ざかる様子を空中から撮影していた。北朝鮮の国営放送は翌日、かなり長い映像を大々的に公開した。
■あえて北京方向を映した弾道ミサイルの映像
軍事専門家らの分析によると、映像は中国領内の地形を延々と映している。北朝鮮内陸部から発射したミサイルは東方の日本海に落ちたにもかかわらず、映像は西側を映していた。
「中国遼寧省の大連や旅順がある遼東半島がくっきり見える。西は中国の内海である渤海。南は黄海だ。ここまで雲はない。渤海の西方には首都北京が見えるはずだったが、大気汚染を含む分厚い雲が邪魔した。最後に映像は、わざわざアングルを北京上空に移し、照準を合わせた形を示した」
朝鮮半島の安全保障に詳しい国際関係筋は指摘する。なぜ北朝鮮領内でなく、中国領の映像をあえて公開したのか。北朝鮮の基地周辺は軍事機密だからという理屈は成り立つ。だが、中国が制止する弾道ミサイルから中国を“盗撮”し、公開するのは「血で固めた友誼(ゆうぎ)」を結ぶ中国への信義にもとる。
「中距離弾道ミサイル、大陸間弾道ミサイル(ICBM)『火星12、14』は米国を狙うが、すでに金正恩が量産を指示した中距離の『北極星2』は北京も標的にできる。言葉ではなく映像で意図を伝えたのは巧妙だ。金正恩は(中国国家主席の)習近平を脅している」
先の国際関係筋の見方だ。北朝鮮は「ICBMは米本土も視野に入れた」とうそぶく。だが、今の技術ではワシントンをピンポイント攻撃する能力には乏しい。しかし、平壌に近い北京や上海なら比較的容易だ。
北朝鮮は中国による制裁に強く反発した。「レッドラインを越えた」とかつてない非難に踏み切ったのは、映像を公開する前のことだった。とはいえ、経済的な中国頼みは明らかだ。石油だけでない。北朝鮮の市場には中国製の日用品があふれる。もはや中国なしに市民生活は成り立たない。
■中朝有力者2人の失脚で崩れた信頼
「金正恩は中国の“半植民地”になるのを避ける手段が核兵器だと考えている。多様な弾道ミサイルと合わせれば、経済的にかなわない中国とも対等に話せる」。別の中朝関係者の見方だ。北朝鮮が最後に狙う米国との国交樹立も、中国依存から脱する手段になりうる。
それは中国自身が歩んだ道でもある。1964年10月の東京オリンピックの最中、まだ国連に加盟していない中国は原爆実験に成功した。67年に水爆実験へと進み、70年には弾道ミサイルで人工衛星を打ち上げた。
その結果が、世界を驚かせた72年のニクソン訪中による国交正常化だった。米国は核・ミサイルを持つ中国の力を認め、旧ソ連と対立する双方の利害も一致した。北朝鮮は60年代の中国と同じ戦略で動いている。当時、悲惨な文化大革命の発動で国際社会から孤立した中国の状況も、今の北朝鮮と似ていた。
中朝関係はここ数年、かなりこじれた。要因は中国の内政にもある。北朝鮮側の主役は、金正恩の叔父で、処刑された張成沢(チャン・ソンテク)だ。中国とのパイプ役だった張成沢は2012年8月17日、当時の中国トップ、胡錦濤と北京で会談した際、ある陰謀を口にした。
正統性なき金正恩を排し、中国の後ろ盾を得て兄の金正男を擁立したい――。重大な提案だった。胡錦濤は数日前、共産党大会を控えた「北戴河会議」で、長老の江沢民に自分の側近、令計画の不祥事を暴かれてタジタジになっていた。決断力が衰えていた胡錦濤は即答を避け、「最高指導部会議に諮る」と伝えるしかなかった。これが張成沢と金正男が死に至る運命を決めたといってよい。
「開発に成功した新型弾道ミサイルは中国全域を射程に収めた」。北朝鮮の幹部が内部で口にしたという極秘の話の一部が、中朝国境をまたいで中国側に流れてきている。日本上空を通過して米国領グアムのアンダーセン空軍基地周辺を狙うミサイル発射があるのか。これが世界の関心の的だが、実は「中国全土が北朝鮮の核ミサイルの照準に入った」という事実も、現在の緊張状態を読み解くには極めて重要だ。
北朝鮮の意図の証拠ともいえる奇妙な映像が公表された。5月21日、北朝鮮は朝鮮労働党委員長の金正恩も立ち会うなか、内陸部の平安南道の北倉(プクチャン)から、固体燃料を使った中距離弾道ミサイル「北極星2」を打ち上げた。ミサイルは小型カメラを搭載し、地上が徐々に遠ざかる様子を空中から撮影していた。北朝鮮の国営放送は翌日、かなり長い映像を大々的に公開した。
■あえて北京方向を映した弾道ミサイルの映像
軍事専門家らの分析によると、映像は中国領内の地形を延々と映している。北朝鮮内陸部から発射したミサイルは東方の日本海に落ちたにもかかわらず、映像は西側を映していた。
「中国遼寧省の大連や旅順がある遼東半島がくっきり見える。西は中国の内海である渤海。南は黄海だ。ここまで雲はない。渤海の西方には首都北京が見えるはずだったが、大気汚染を含む分厚い雲が邪魔した。最後に映像は、わざわざアングルを北京上空に移し、照準を合わせた形を示した」
朝鮮半島の安全保障に詳しい国際関係筋は指摘する。なぜ北朝鮮領内でなく、中国領の映像をあえて公開したのか。北朝鮮の基地周辺は軍事機密だからという理屈は成り立つ。だが、中国が制止する弾道ミサイルから中国を“盗撮”し、公開するのは「血で固めた友誼(ゆうぎ)」を結ぶ中国への信義にもとる。
「中距離弾道ミサイル、大陸間弾道ミサイル(ICBM)『火星12、14』は米国を狙うが、すでに金正恩が量産を指示した中距離の『北極星2』は北京も標的にできる。言葉ではなく映像で意図を伝えたのは巧妙だ。金正恩は(中国国家主席の)習近平を脅している」
先の国際関係筋の見方だ。北朝鮮は「ICBMは米本土も視野に入れた」とうそぶく。だが、今の技術ではワシントンをピンポイント攻撃する能力には乏しい。しかし、平壌に近い北京や上海なら比較的容易だ。
北朝鮮は中国による制裁に強く反発した。「レッドラインを越えた」とかつてない非難に踏み切ったのは、映像を公開する前のことだった。とはいえ、経済的な中国頼みは明らかだ。石油だけでない。北朝鮮の市場には中国製の日用品があふれる。もはや中国なしに市民生活は成り立たない。
■中朝有力者2人の失脚で崩れた信頼
「金正恩は中国の“半植民地”になるのを避ける手段が核兵器だと考えている。多様な弾道ミサイルと合わせれば、経済的にかなわない中国とも対等に話せる」。別の中朝関係者の見方だ。北朝鮮が最後に狙う米国との国交樹立も、中国依存から脱する手段になりうる。
それは中国自身が歩んだ道でもある。1964年10月の東京オリンピックの最中、まだ国連に加盟していない中国は原爆実験に成功した。67年に水爆実験へと進み、70年には弾道ミサイルで人工衛星を打ち上げた。
その結果が、世界を驚かせた72年のニクソン訪中による国交正常化だった。米国は核・ミサイルを持つ中国の力を認め、旧ソ連と対立する双方の利害も一致した。北朝鮮は60年代の中国と同じ戦略で動いている。当時、悲惨な文化大革命の発動で国際社会から孤立した中国の状況も、今の北朝鮮と似ていた。
中朝関係はここ数年、かなりこじれた。要因は中国の内政にもある。北朝鮮側の主役は、金正恩の叔父で、処刑された張成沢(チャン・ソンテク)だ。中国とのパイプ役だった張成沢は2012年8月17日、当時の中国トップ、胡錦濤と北京で会談した際、ある陰謀を口にした。
正統性なき金正恩を排し、中国の後ろ盾を得て兄の金正男を擁立したい――。重大な提案だった。胡錦濤は数日前、共産党大会を控えた「北戴河会議」で、長老の江沢民に自分の側近、令計画の不祥事を暴かれてタジタジになっていた。決断力が衰えていた胡錦濤は即答を避け、「最高指導部会議に諮る」と伝えるしかなかった。これが張成沢と金正男が死に至る運命を決めたといってよい。
米国を狙うICBMの「火星12,14}」が注目されていますが、すでに金正恩が量産を指示した中距離の『北極星2』は北京も標的にできるのですね。
北朝鮮の幹部が、「開発に成功した新型弾道ミサイルは中国全域を射程に収めた」と口にしたのだそうで、注目されている北朝鮮の米国への攻撃の影で、金正恩は習近平を脅していたのです。
北朝鮮経済が中国に依存していることは衆知のことで、記事でも石油だけでなく北朝鮮の市場には中国製の日用品があふれ、もはや中国なしに市民生活は成り立たないとまで指摘しています。
北朝鮮は中国による制裁に強く反発していて、金正恩は中国の“半植民地”になるのを避ける手段が核兵器だと考えているのだそうです。北が望んでいる米国との国交樹立も、中国依存から脱する手段でもあるのだと。
かつて中国が、1964年10月に原爆実験に成功させ。67年に水爆実験へと進み、70年には弾道ミサイルで人工衛星を打ち上げ、その結果、72年のニクソン訪中による国交正常化に漕ぎつけた手法の再現を謀る北朝鮮。
ミサイル開発が急速に進んだのは、ロシアの支援が大きいと言われています。
中国一辺倒から、接近する露との関係強化を進め脱中国支配を進める金正恩。更に、米国とも国交樹立をすすめ、核保有国として自立したいのですね。
しかし、国民生活を犠牲にして先軍政治をすすめる金一族の王朝国家。日本国民等を拉致したテロ国家です。
核兵器で他国を牽制して、その力で国を存立させる。そんなテロ国家の存立が許容されてよいのでしょうか。国連で、世界の国々が制裁を認める所以ですね。
かといって、トランプ政権による硬軟織り交ぜた核とミサイル開発への牽制も、現状では効いてこない。
先の国連の経済制裁強化では、さしもの中露も、その核とミサイルが自国にも脅威になり始めて決議に反対はしませんでした。
中露がこのテロ国家にどれだけ真剣に対峙し、核とミサイルの開発を阻止できるかが、金正恩の暴走阻止にかかっています。まずは、今日のミサイル開発推進の原動力となっている、ウクライナ製エンジンの供給ルート遮断に、関連各国が一致連携することが望まれます。中国からの経済制裁に加え、ロシアの原油とミサイルエンジンと技術の売却停止が必要です。
# 冒頭の画像は、「北極星2」から中国を望む画像
キジュの果実
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