露・ラブロフ外相が来日し、玄葉氏と会談をしました。北方領土返還や平和和条約締結について積極的に交渉に応じるよう玄葉氏が求めたのに対し、「双方が前提条件や一方的な歴史的条件をやめるなら進展は可能だ」とロシアペースを崩さなかったそうですが、「棚上げせずに静かな環境で議論する」ことで一致したのだそうですね。(ニューヨークでの会談時と同じレベル)
北方領土での共同開発については進展がなく、玄葉氏は「四島の帰属の問題の解決に資するのなら検討しなければならないが、日本の法的立場を害してはならない。その意味では隔たりがある」と強調したのだそうです。
菅時代とは変わり、一線を画した姿勢はロシアのガス田開発の行きづまり(高コストの北極圏・極東での開発と販路減少)状況にある中、当然の外交姿勢と評価できます。
その、高コストでの開発を迫られているサハリンで、ついにBPが撤退に踏み切ったのだそうです。
この花の名前は、シクラメン・ヘデリフォリウム 撮影場所=六甲高山植物園
↓よろしかったら、お願いします。
北方領土での共同開発については進展がなく、玄葉氏は「四島の帰属の問題の解決に資するのなら検討しなければならないが、日本の法的立場を害してはならない。その意味では隔たりがある」と強調したのだそうです。
菅時代とは変わり、一線を画した姿勢はロシアのガス田開発の行きづまり(高コストの北極圏・極東での開発と販路減少)状況にある中、当然の外交姿勢と評価できます。
その、高コストでの開発を迫られているサハリンで、ついにBPが撤退に踏み切ったのだそうです。
BP、サハリン事業撤退へ 石油・ガス開発 「採算見込めず」 (1/28 読売朝刊)
【モスクワ=貞広貴志】英石油大手BPは、ロシア極東サハリン沖での石油・ガス開発事業から全面撤退する。BPロシア社のジェレミー・ハック社長が、読売新聞の取材に対して明らかにした。
ハック社長は、撤退理由として、寒冷地サハリンの「極限の条件」などを挙げ、世界の他の鉱区と比較して「十分に有力な投資候補ではない」との判断を示した。膨大な資源を有するサハリン近海では、国際資本と日本の商社などが共同で石油・ガスの生産や開発を進めている。国際メジャーの撤退は、別の鉱区「サハリン3」への参画を目指す日本勢にも影響を及ぼすことになりそうだ。
BPは東アジア市場の需要拡大をにらみ、サハリン北部「サハリン5」「サハリン4」鉱区で露国営石油大手ロスネフチとの合弁で開発に当たってきた。約10億ドル(約780億円)の巨費を投じて探査・試掘を行い、いくつかの地点で資源を発見したものの、「ロシアの現行税制と地質学上の特性から見て、さらなる開発費用をかけるだけの力強さに欠ける」(ハック社長)との結論に達した。
BPはすでに合弁解消をロスネフチに通告、法的手続きを経て18か月以内に正式撤退する。将来、有力鉱区があれば復帰することに含みは残したものの、現時点で検討中の案件はないとしており、サハリン事業からの全面撤退を意味する。
ハック社長はサハリンの課題について、開発費がかさむため、限られた地点の試掘でまとまった資源量を発見する必要がある。極限の条件下での安全確保も困難だ」と指摘した。
厳しい気象・地理環境にあるサハリン事業の見通しや採算性をめぐっては、これまでも不透明さが指摘されてきた。サハリン1では天然ガスの販売先が確保できず大部分を地中に再圧入している。三井物産などが参画を図るサハリン3は、年内にも稼働を開始するにもかかわらず、外国資本の参加を認めるかどうかさえ明確になっていない。
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サハリン石油・ガス開発
島を取り巻く形で「サハリン1」から「9」までの地域に分けられ、多数の鉱区が設定されている。資源の存在はソ連時代から知られていたが、1990年代以降、本格的な開発に入った。2009年2月には、サハリン2の液化天然ガス(LNG)生産が始まるなど、日本のエネルギー事情にも大きな影響を及ぼしている。
【モスクワ=貞広貴志】英石油大手BPは、ロシア極東サハリン沖での石油・ガス開発事業から全面撤退する。BPロシア社のジェレミー・ハック社長が、読売新聞の取材に対して明らかにした。
ハック社長は、撤退理由として、寒冷地サハリンの「極限の条件」などを挙げ、世界の他の鉱区と比較して「十分に有力な投資候補ではない」との判断を示した。膨大な資源を有するサハリン近海では、国際資本と日本の商社などが共同で石油・ガスの生産や開発を進めている。国際メジャーの撤退は、別の鉱区「サハリン3」への参画を目指す日本勢にも影響を及ぼすことになりそうだ。
BPは東アジア市場の需要拡大をにらみ、サハリン北部「サハリン5」「サハリン4」鉱区で露国営石油大手ロスネフチとの合弁で開発に当たってきた。約10億ドル(約780億円)の巨費を投じて探査・試掘を行い、いくつかの地点で資源を発見したものの、「ロシアの現行税制と地質学上の特性から見て、さらなる開発費用をかけるだけの力強さに欠ける」(ハック社長)との結論に達した。
BPはすでに合弁解消をロスネフチに通告、法的手続きを経て18か月以内に正式撤退する。将来、有力鉱区があれば復帰することに含みは残したものの、現時点で検討中の案件はないとしており、サハリン事業からの全面撤退を意味する。
ハック社長はサハリンの課題について、開発費がかさむため、限られた地点の試掘でまとまった資源量を発見する必要がある。極限の条件下での安全確保も困難だ」と指摘した。
厳しい気象・地理環境にあるサハリン事業の見通しや採算性をめぐっては、これまでも不透明さが指摘されてきた。サハリン1では天然ガスの販売先が確保できず大部分を地中に再圧入している。三井物産などが参画を図るサハリン3は、年内にも稼働を開始するにもかかわらず、外国資本の参加を認めるかどうかさえ明確になっていない。
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サハリン石油・ガス開発
島を取り巻く形で「サハリン1」から「9」までの地域に分けられ、多数の鉱区が設定されている。資源の存在はソ連時代から知られていたが、1990年代以降、本格的な開発に入った。2009年2月には、サハリン2の液化天然ガス(LNG)生産が始まるなど、日本のエネルギー事情にも大きな影響を及ぼしている。
ウレンゴイ・ガス田等の主力ガス田の枯渇が迫っているロシアは、北極圏や極東のガス田開発を迫られていますが、高度な技術と、高コストを背負わねばならない事情を抱えています。
露のガス田生産量減 20年後には6割減 - 遊爺雑記帳
サハリン1, 2の開発同様に外資にリスクのある開発をさせ、成果が得られそうと見るや横取りする手法でこの開発を進めようとしています。
露、今度はサハリン1にも見直し要求 - 遊爺雑記帳
思い起こすのは、露の条約破棄対日宣戦布告 - 遊爺雑記帳
また、天然ガスは、カザフスタンなどでの開発が進んだり、米国がシェールガスで輸出国に転じる動きがあるなど、中長期的には市場価格の低迷が見込まれます。
欧州諸国のエネルギー安全保障の見地からの脱露が進んでおり、販売も苦しくなっています。
BPがようやく脱サハリンを決断したのは、素人の遊爺が言うのは失礼かもしれませんが、遅すぎたくらいです。
日本の企業も見習うべきです。
日本政府も、毅然とした態度で、ロシアがエリツィン時代の様に、頭を下げて来るのを待てばいいのです。
ラブロフ氏が来日した日にBP撤退のニュースが流れた(両国政府は事前に知っていたことでしょうが)のは、ロシア外相の苦しい来日目的を物語る証しとなりました。
玄葉氏が、これを踏まえて会談で北方領土問題の進展を話題に載せたことと思いますが、今後も日本の有利な状況をロシアにも認識させて交渉を進めることを期待します。
この花の名前は、シクラメン・ヘデリフォリウム 撮影場所=六甲高山植物園
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