【ワシントン=佐々木類】米国防総省は18日、中国の軍事行動に関する年次報告書を発表した。中国海軍は、新型の晋級弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)の建造を進め、2年以内に、海上からの核攻撃能力を初めて保有する可能性を示した。
昨年の報告書(84ページ)に比べると、分量はほぼ半減した。だが、冒頭の概略説明では、接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略の具体化に向け、各種ミサイルの開発や、サイバー空間を使った能力向上を図ったと指摘した。また、レーダーに捕捉されにくい第5世代のステルス戦闘機J20(殲20)などを列挙、警戒感を前面に打ち出した点が特徴だ。
報告書は晋級SSBNについて、海上発射による核攻撃能力を有するのは、射程7400キロ以上の潜水艦発射型ミサイル「巨浪2」を搭載するからだとした。
「巨浪2」は、大陸間弾道ミサイル「東風31」の潜水艦発射型で、晋級SSBNに12基搭載されるとみられる。「巨浪2」配備計画は、開発の度重なる遅れに直面したが、2年以内に実戦配備につくとの分析を示した点が新しい。
また、商級攻撃型原子力潜水艦(SSN)については、2隻がすでに実戦配備につき、さらに新型のSSN5隻が数年以内に追加配備されるとした。
昨年の年次報告で初めて具体的に言及した中国国産空母については、すでに建造中とみられ、2015年以降に実戦配備可能で、今後10年間に複数の空母と随伴艦を保有すると強調、改めて警戒感を示した。
中国軍はまた、昨年10月までに短距離弾道ミサイル(SRBM)を1000~1200発、台湾海峡の対岸に配備。A2AD戦略に沿って中距離弾道ミサイル「東風21」改良型の対艦弾道ミサイル(ASBM)の開発を進めているとした。
接近阻止・領域拒否(Anti-Access/Area Denial, A2AD) - Wikipedia
中国共産党は、長きにわたり台湾併合作戦を推進してきており、2012年の今年を目標としてきたとされています。(文末のリンク「暴かれた中国の極秘戦略」を参照ください)
「世論戦」、「心理戦」、「法律戦」の「三戦」が人民解放軍の戦略として有名で、諸兄がご承知のことですが、覇権拡大の基本の支えは軍事力の拡充による、米空母艦隊に対する「接近阻止・領域拒否」戦略ですね。
着々と進められてきたこの戦略は、今では対艦弾道ミサイル (ASBM)の配備により、米空母艦隊は第一列島線はおろか、第二列島線内での行動も危険を伴うこととなり、A2(地上基地対象)では、沖縄他の地上基地もミサイルの標的として危険にさらされていることも衆知のことですね。
なので、米軍は、沖縄の海兵隊を中国のミサイルの射程距離外への分散配置を進め、「エアシーバトル(空海軍統合作戦)」を進めていますね。
【中国海洋覇権に包囲網(2)】米国 中東から軸足「一正面」戦略 - MSN産経ニュース
この中国の「接近阻止・領域拒否」戦略が、更に進化し続けていて、新型の晋級弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)の建造を進め、海上からの核攻撃能力を初めて保有することになるとか、日本のFXで大幅に遅れているF35をしり目に、第5世代のステルス戦闘機J20(殲20)の開発を進めるとか、試験航海中のワリャーグの本格就航が来年に見込まれる他に国産空母の建造も進めているのですね。
米国としては、この報告にもとづき更なる対応を進める事でしょう。
第二列島線の中にすっぽり包まれている日本。領土の尖閣は核心的利益と勝手に宣言されている日本。国内で足の引っ張り合いに明け暮れていていいのでしょうか。
# 冒頭の画像は、晋級弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)
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