“ さっきの秘密をいおうかね。
なに、なんでもないことだよ。
心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
かんじんなことは、目に見えないんだよ ”
(サン・テグジュペリ作 内藤 濯訳 「星の王子さま」より)
一見なんでもなさそうな植物が しおれたり元氣がなかったり枯れかかったりしていたら、原因は幹や茎の中、または土中の根っこにある確率が高い。
何度合わせても時間が狂ったり止まったりしてしまう時計があったら、問題は針ではなく 中の機械にある。
心臓を動かしてる力の源って 目に見えるかな?
地球を動かしてる力は?太陽を動かしてる力は?
目に見えない世界をもっと大切にするときが来てるんじゃないかな。
どんな美しい世界も、その本質は見えないところにある。
美しさは、目や耳じゃなく 心で感じているんだ。
目や耳、私たちのかたちある部分は、心の窓口。
私たちの本質は、ずっと奥の、五感を超えたところにある。
そこをもっともっと感じて 大切にすることが、表の世界に表れているねじれや歪みを正して 生きやすい世界を取り戻す いちばん確かな手段なんじゃないかな。
奈良に行く少し前に、久々に「星の王子さま」が読みたくなって 図書館で借りてきました。
以来、ことあるごとに 冒頭のキツネの言葉が頭をよぎります。
すべてを目に見える・手で触れられる範囲で解決しようとする。
度量衡で計れる世界ばかりが重んじられる。
そして あちこちで行き詰まってる。
そういう体験も必要だったのだろうけど、そろそろそれを超えたところに目を向ける時期が来てるんじゃないかなぁ。
“ かんじんなことは、目に見えないんだよ ”