毎日がしあわせ日和

ほんとうの自分に戻れば戻るほど 毎日がしあわせ日和

続 ・ あらゆる問題の根底に潜む お金 ・ 時間 ・ 法律にまつわる催眠を解く ~ その8

2020年12月09日 21時25分14秒 | 貴秋の視点、すなわち偏見
このところやたら不安を煽るような報道等はシャットアウトして、一週間分のテレビ番組予定表から 氣を惹かれた番組のみ予約録画し 時間のあるときに見ていますが、これが当たりが多い。

当たりとは タイムリーな情報が得られたり内側から刺激されたりするような番組のことで、あのユヴァル ・ ノア ・ ハラリ氏や森政弘先生の番組などがそうですが、今回またひとつ大当たりに出くわしました。

BSプレミアム 「ヒューマニエンス ・ 49億年のたくらみ」 の 「自由な意志 それは幻想なのか?」

私たち人間は どんな選択も決定も行動も自分の自由意志で行なっていると思っているが、脳科学の世界から見れば それは錯覚であり幻想であるというお話です。




番組内では脳にまつわるいくつかの実験が紹介されていましたが、なかでも人間の意志が無意識によって簡単に曲げられてしまうことを示した実験はインパクトがありました。

ヘッドホンのような特殊な装置をつけた被験者は、地面にまっすぐに引かれた赤い線に沿って歩くよう指示されます。

普通ならなんでもない簡単な動作ですが、ここで当人も氣づかないほどの微弱な電気刺激を装置に流されただけで 線を大きく右に左に外れていってしまうのです。

これは 前庭という平衡感覚を司る感覚器に弱電流が流れたことで 重力の方向が斜めに変わったように伝えられ、重心が斜めになったと感じた被験者が倒れないよう踏ん張ったため横にそれるように動いてしまったのだとか。

ひとつの塊に見える私たちの脳は 実はそれぞれ働きの異なる何百ものパーツに分かれていて、呼吸や心臓の拍動など生命維持に必要な働きは いちいち意識して動かそうとしなくても 自動化されて無意識で処理されており、この無意識の領域は私たちの自由意志の管轄外。

意識全体のうち 私たちが知覚できる部分は1割程度に過ぎず、あとの9割は知覚できない無意識領域なので、圧倒的多数の無意識によって 私たちの自由意志は簡単にくつがえされ得るというのです。




また別の実験では、さらに厄介な脳の特徴が露わになります。

男性被験者に二枚の女性の写真を見せ、好みのタイプのほうを選ばせます。

これを何度も繰り返しながら ときどきなぜそちらを選んだのか理由を尋ね、答えてもらいます。

実はこれには仕掛けがあって 写真を提示する実験者はプロのマジシャン、理由を尋ねる際に巧みに写真をすり替え 選んでないほうの写真を見せているのですが、被験者は示された写真にしっかり目をやっているにも関わらず 選んでないほうを見せられているとはまったく氣づかず 堂々と理由を答え、あとから種を明かされると信じられないと困惑の表情を浮かべます。

二枚の写真は目鼻立ちや髪型などの特徴は似せてありますが、並べれば違いはわかるのに、なぜかほとんどの被験者がこういう結果になってしまう。

これは脳の後付け再構成といわれる現象で、脳が自分の解釈を書き換えて 自分が選択したように思い込ませているということ。

こういう自分にとって価値があるかないかの判断は 側坐核という領域で無意識に行なわれ、理由は後付けなのだが、本人は自分の意志で決めたと思いたいので 「これこれこういう理由で自分が決めたんだ」 と思い込む、これが私たちの脳の仕組みなのだそうです。




私たちは 日常のさまざまな場面において、自分の意志で決断を下し行動することで 人生をコントロールしていると思っています。

が、私たちが知覚できるのは 全意識のたった10%に過ぎず、そのわずかな領域さえ外部から操作誘導されてあっさり手綱を奪われる可能性があるのですね。

貴秋はさらにここに、あの 「三つ子の魂百まで」 現象も加えたいと思います。

脳が未完で言葉を持たない幼児期に無条件に意識の奥深く入り込んで居座った他者の観念が、それと氣づかぬまま自分の意志としてその後の人生を左右し続けるという現象。

こう見てくると、自分の力で人生を切り回していると信じ込んでいる私たちの脳内イメージと 実際に起きていることのあいだに いったいどれほどの乖離があるのかと考えさせられてしまいます。

とりわけいまのようにウイルスの蔓延やら世界規模の経済危機やら桁外れの自然災害やらの複合カタストロフの時代、このような危なっかしいクセを持つ脳をどのように使って 私たちは生き抜いていけばいいのでしょう。

貴秋は その手がかりも番組内に見出せたように思います。