Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ルーム

2017-08-15 | 外国映画(や・ら・わ行)
★★★★ 2015年/カナダ・アイルランド 監督/レニー・アブラハムソン

(WOWOW)

閉ざされた世界が前半、解放後の苦悩が後半の明確な二部構成。
前半クライマックスの脱出のスリリングさも醍醐味だが、
テーマ的には後半部に重きを置くことで人間ドラマとしての深みが増している。
誘拐され、幽閉されレイプされ続けた主人公を思うとやり切れないが、
彼女の悲惨な境遇をことさら強調して見せない演出がいい。
そこを強調するとどうしても共感深度が強くなり、観客の感情もヒステリックになりがちだ。
しかし、そこをセリフではなく、繊細な演技や演出で見せることで
我々も彼女の7年間の苦悩にしっかりと、深く寄り添えるようになっている。

それにしても、子役の演技がすばらしい。主演男優賞は彼じゃないのか。