Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

アウトレイジ 最終章

2017-10-29 | 日本映画(あ行)
★★★★ 2017年/日本 監督/北野武

(映画館)

ピカピカの黒塗りの車が映るだけで感じるこの恍惚感は何だろう。
そしてスクリーンの下に錘が付いているのかのような重厚感。
物語はビヨンドで終わっており、最終章は老人たちの諦念を映し出す看取り映画だ。
つまらないという感想も多いようだがそれもわかる。
ピエール瀧はミスキャストだし、大杉蓮の死に様もありきたり。
それでも、作品から漂う絶望感や死の匂いは北野映画でしか味わえないものであり、
それをスクリーンで体感することにこの上ない喜びを感じる。
アウトレイジ1作目で大衆娯楽に舵切ったが、ここにきていつもの北野映画でシリーズを終えた。
冒頭の釣りシーンからして、北野ファンは「ソナチネ」を思い出しただろう。
椎名桔平、加瀬亮に続く衝撃死がなかったのはやや残念。
とにかく、本シリーズの最大の貢献者は音楽の鈴木慶一だとしつこく主張したい。