Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

スリー・ビルボード

2018-02-21 | 外国映画(さ行)
★★★★☆ 2018年/アメリカ 監督/マーティン・マクドナー

(映画館)

広告看板の告発から、ビリヤードの玉突きのように関係性が変化し、キャラクター性が反転していく。
観客を次々と裏切る脚本が巧い。
誰もが100%善人でもなければ、100%悪人でもない。
そのグレー部分こそが人間らしさであるという一種の人間讃歌。
レイシスト警官はある意味おいしい役どころで別の俳優でもできたと思うが、
フランシス・マクドーマンドの存在感は唯一無二。
共感と反感、どちらに傾いていいかわからない底知れなさがあり
彼女なくしてこの世界観は成り立たないと思う。
息子の同級生の股間(しかも女子!)に蹴り入れるんだよ。あれは笑った。

レイシスト警官がイヤホンで聴いているのがABBAのチキチータで、
それはとても重大な秘密なのだが、これに気づく人はなかなかいないかもしれない。