★★★★ 2018年/アメリカ 監督/ソフィア・コッポラ
(映画館)
考えてみれば、閉ざされた世界の女性を描くのはソフィアの一貫したテーマで、
この作品のリメイクを選んだのもさもありなん。
森の中を少女が彷徨うファーストカットからもはや巨匠の風格。
撮影も実に美しく、宗教画のようなカットにため息。
衣装や美術を見るだけでも十分満足できる。
旧作はもっと女性のえげつなさにスポットが当てられていたが、ソフィア版はその辺控えめ。
野蛮な外の世界と、囚われた女性たちの無垢(=残虐な幼稚性)な世界の裂け目を描くことにシフトしている。
傷ついて迷い込んだ鳥が散々弄ばれたあげく、無惨に捨てられたようなラストカットが秀逸。
とはいえ、終盤の男の運命を左右する出来事が改変されており、個人的には旧作の方が好みだ。
ソフィア版は一人ひとりの内面を描くことには目を向けていない。
それは意識的にそうなのだろうけど、あちらの方が、
こんな小さな少女にもオンナの嫉妬や怒りが芽生えるのかという恐ろしさにぞわぞわした。
(映画館)
考えてみれば、閉ざされた世界の女性を描くのはソフィアの一貫したテーマで、
この作品のリメイクを選んだのもさもありなん。
森の中を少女が彷徨うファーストカットからもはや巨匠の風格。
撮影も実に美しく、宗教画のようなカットにため息。
衣装や美術を見るだけでも十分満足できる。
旧作はもっと女性のえげつなさにスポットが当てられていたが、ソフィア版はその辺控えめ。
野蛮な外の世界と、囚われた女性たちの無垢(=残虐な幼稚性)な世界の裂け目を描くことにシフトしている。
傷ついて迷い込んだ鳥が散々弄ばれたあげく、無惨に捨てられたようなラストカットが秀逸。
とはいえ、終盤の男の運命を左右する出来事が改変されており、個人的には旧作の方が好みだ。
ソフィア版は一人ひとりの内面を描くことには目を向けていない。
それは意識的にそうなのだろうけど、あちらの方が、
こんな小さな少女にもオンナの嫉妬や怒りが芽生えるのかという恐ろしさにぞわぞわした。