Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

切腹

2018-02-27 | 日本映画(さ行)
★★★★☆ 1962年/日本 監督/小林正樹

(U-NEXT)

蜘蛛巣城の三船に対抗できるのは、この仲代達矢か。
それくらい大立ち回りが始まってからの仲代がカッコいい。
美術が戸田重昌、音楽が武満徹の作品は全部傑作に違いないのだが、
惜しむらくは仲代の立ち回りに行くまでの身の上話のくだりがやや長いと感じられること。

武家屋敷や日本家屋をスタイリッシュに撮影するということ。
これは、邦画にとって殺陣同様、継承してくべきもの。
歴史的背景など深い知識のもとに美術をセレクトし、正しく配置すること。
そして、それらを美しく撮るテクニック。
アクション全盛の今、殺陣よりむしろこちらの方が危機的状況かもと思わされる。

それにしても、リマスターされたモノクロ映像が美しい。
どんどんこういうクラシックをリマスターして配信してほしい。