Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

クワイエット・プレイス

2019-07-24 | 外国映画(か行)
★★★☆ 2018年/アメリカ 監督/ジョン・クラシンスキー

軍が全く介入しないので極限状態での家族の生き様こそが本作の肝だろう。一度失った信頼を父と娘が取り戻す話であり、命がけで子を産み守り通す母の話であり、耳に障害を持つ長女こそが怪物退治を経てトラウマを乗り越える話と言える。

が、一方これは憶測だが、立派な地下室に様々な備蓄を蓄えているのを見るに彼らは以前町山智浩氏がヴィルヌーブの「プリズナーズ」の解説で言及していたキリスト教原理主義のサバイバリストではないか。避妊しないから妻も身籠ったのだろう。亡くなった子供を取り戻したいという強い思いも音を立てたら死ぬという状況ではあまりに異様だもの。

その生への執着さをサバイバル本能と取るか、気味悪いと思うか、観客を試すよね。私なんぞ、ぶっちゃけ家族しか交流のない世界で生き残ってもそんな人生楽しいかね?と思ってしまう。

果たして地球は彼らに救われるのか、それとも…。示唆に富んだラストだと思う。臆病者の私はあれだけいっぺんに襲って来たら、どんなに対抗策あってもダメでしょと思っちゃうんだが。