Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

さらば愛しきアウトロー

2021-02-18 | 日本映画(あ行)
★★★★ 2018年/アメリカ 監督/デビッド・ロウリー

何とも心地いい、肩の力の抜け具合。フォレストタッカーの振る舞いと同様に映画も紳士的でやさしい語り口。まさにレッドフォードのフィナーレにふさわしいエレガンスを纏った作品。力みゼロ、80%程度の出力の演技でレッドフォードに合わせるケイシーアフレックもナイス。

サバハ

2021-02-18 | 日本映画(あ行)
★★★★ 2019年/韓国 監督/チャン・ジェヒョン

オカルトにホラーやミステリーの要素をぶっ込み、見事にエンタメに昇華した力作。コクソンほど難解ではなく結末もスッキリしているが、事件の背景にはマニアックな仏教の教義を巧みに織り込んでいる。カルト宗教のおぞましさもがっつり見せる胆力は流石の韓国産。見応え十分。

1987、ある闘いの真実

2021-02-18 | 日本映画(あ行)
★★★★☆ 2017年/韓国 監督/チャン・ジュナン

警察、検察、報道、市民。それぞれの人間ドラマが濃密に描かれ、互いに絡み合い、国家を揺るがす事態に突入する。これらを130分という尺に収めていることに驚く。歴史的事実の重みもあるが、群像劇としての「うねり」の凄みに圧倒された。傑作。

娯楽作にするためドラマチックに盛っている部分は多少なりあるのだろうが、それが全く雑音にならない。容赦ない暴力や悲惨な現実にエンタメとして盛り上げる演出を加える。これが韓国映画は実にうまい。「工作」しかし「国家が破産する日」しかり。また、作品の持つ説得力は役者の力も大きいのだろう。