Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ザ・ホワイトタイガー

2021-03-11 | 外国映画(さ行)
★★★★ 2020年/インド・アメリカ 監督/ラミン・バーラニ

インド製ポップチューンに載せテンポよく進むエンタメ感は楽しく、一発下克上のノリに前のめりになる。しかし、立ちはだかるカースト制の実情はあまりに厳しく呑気に見てるとビンタを食らう。染み付いた「使用人根性」の絶望感。パラサイトにも通じる現代インドの格差映画。

本当に今でもインドこんななの?と驚くことの連続。超高級マンションの地下駐車場にはお抱えドライバーたちが暗闇と湿気の中で日々を過ごしている。誰もがそれを当然と思っている恐ろしさ。そして、どこまでもまとわりついてくる家族という地獄。ヘビィな内容だが娯楽作として見応え十分。

ザ・ファイブ・ブラッズ

2021-03-11 | 外国映画(さ行)
★★★★☆ 2020年/アメリカ 監督/スパイク・リー

退役軍人が戦時に埋めた金塊と友の遺骨を取り戻しにベトナムへやってくる。帰還兵のPTSD。未だ残る地雷。アメリカとベトナムに残る遺恨。黒人差別の現在・過去・未来。これほどのテーマを散りばめながら、全てが際立ち、融合する。これぞ監督の手腕ありという見事な1本。

154分の尺に腰が引けていたが、これは早く見るべきだった。本作の肝は黒人のポールがトランプ支持者であること。搾取され続けてきた彼が固執するものとは何か。とことん考えさせられる。 そして、今となっては亡き友を演じるのがチャドウィック・ボーズマンであることがことさら胸にしみた。