★★★★ 2020年/イギリス 監督/レミ・ウィークス
スーダンの難民夫婦。英国政府に家を提供されるが怪奇現象が次々と起こる。
呪われた家ホラーの仮面を被った社会派。静かでアート作品のような佇まい。そして徐々に明かされる夫婦の秘密。生きる事を選択した人の苦悩が胸に迫る。ダルデンヌやケンローチを見た時のような余韻。
なぜ怪奇現象が起きるのかという興味を、この難民夫婦の秘密へとスライドさせる技法が見事。ドラマチックに見せない非常に抑制の効いた演出で、夫婦が抱える秘密が明らかになるシーンは真相を捉えられない人もいるのではと心配になる程だ。しかしそのあまりに静かな筆致が本作の個性でもある。