Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

聖なる鹿殺し

2021-03-22 | 外国映画(さ行)
★★★★☆ 2017年/イギリス・アイルランド 監督/ヨルゴス・ランティモス

ギリシャ悲劇が元ネタらしいだが、それを知らなくても観た人がそれぞれにこれはなんの寓話かと思い巡らせる面白さに溢れている。マーティンは神か悪魔か。次々と呪いを成功させるホラー的な展開に胸糞ここに極まれりな結末。だが嫌いじゃない。いや大好きだ。ニコールの佇まいも最高。

北欧の監督は「気まずい」を描くのがうまい。彼らが描く関係性の気まずさは日本映画にも通じると思う。あとは突拍子もないエピソードの挿入。全身麻酔ごっこ、爆笑だし。脇毛見せて欲しいとかさあ。もう何なのの連続。宗教や哲学モチーフにヘンテコエピソードをぶっこむ離れ技。誰にも真似できません。