Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

旅のおわり世界のはじまり

2021-01-08 | 日本映画(た行)
★★★☆ 2019年/日本 監督/黒沢清

遠く離れたウズベキスタンという全く見慣れぬ風景の連続。それがさらに葉子の孤独を際立たせている。撮影クルーの度重なる無茶ぶり、現地の人の好奇の目、警察にまで追われて、まるで受難の旅。その旅の最後で自由を手にした彼女の朗々と歌い上げる姿に女優魂を感じた。

葉子が追い込まれる様子はAKB時代を彷彿とさせるし、異国で黒沢組と撮影するプレッシャーをも想像させる。これが二階堂ふみや小松菜奈ならここまでの痛々しさはない。部屋で寝転ぶシーンは一番ギョッとしたシーンで無防備な姿で殺された少女のよう。しかしカメラが回った時のあの笑顔。この人、想像以上に芯が強いんだな。


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