Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

罪の声

2020-11-05 | 日本映画(た行)
★★★☆ 2020年/日本 監督/土井裕泰

あれだけの長編小説をまとめ上げた脚本が見事。もつれた糸が解けるように真相が明らかになるサスペンスの醍醐味。日本とロンドン、重要人物の告白をカットバックで繋ぎ、クライマックスを盛り上げる。さすが野木亜紀子、エンタメをわかってる。原作既読ゆえいろいろ心配したが大満足です。

役者陣がみんないい。宮下順子、塩見三省、若葉竜也、阿部純子、奥野瑛太…。数カットの出演でもキャスティングに並並ならぬこだわり。中でも宇野祥平、水澤紳吾両氏の役づくりは賞賛に値する。ネタバレゆえ事前に取り上げられていないのが実にもったいない。観客の心に爪痕残す演技。

思春期に大阪でグリコ事件を見聞きとした身としては「キツネ目の男」がスクリーンに映し出される事はかなりの衝撃なんです。それは小説でいくら描写されても脳内再生でしかない。キツネ目のアイツがいる。肉体を伴った人間として。背筋がゾワッ。本作の映像化はそれを体感することでもある。

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