落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

恋はうたかた

2005年07月17日 | movie
『ターンレフト・ターンライト』
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000IU4N6Y&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>

男(金城武)と女(梁詠[王其]ジジ・リョン)は隣同士に住んでいるが顔をあわせたことがない。ある偶然から互いにひと目で恋に堕ちるが、運命のイタズラか、なかなか再会することができない。やがてふたりとも仕事の都合で引越すことになり・・・と云う、徹頭徹尾「偶然」をモチーフにした物語。
おとぎ話ですね。少女マンガです。いまどき携帯電話もネットも出てこない、主人公ふたりに家族も友人もいないなんて設定、リアルワールドではまずあり得ません。まあ当り前ですね。原作は中華圏で人気の絵本作家幾米の『君のいる場所』。もともと大人向けの恋の寓話だった話を映像化しただけですから。
同じ金城武の『アンナ・マデリーナ』が好きな人なら楽しめるでしょーね。てゆーか雰囲気はすごく『アンナ〜』に似てる。衣装とか美術とかカメラワークとか音楽とか。勿論この映画は『アンナ〜』の奚仲丈(ハイ・チョンマン)ではなくて杜[王其]峰(ジョニー・トー)(!)とワイ・ガーファイ(韋家輝)の共同演出だし、舞台も香港ではなく台北。なんでこんなに似てるんだろ?スタッフとか全然かぶってないのに。でもあそこまで完成度高くないけどね。ボイスオーバーだし。

ぐりはこの映画キライじゃないです。どっちかと云うと好き。けどなんか物足りない。なんでしょーね?なんかもひとつパンチが足りない。どっか散漫な感じがする。
ファンタジーに徹しきれてないのにファンタジーに頼ってるよーなとこもあるし、金城くんとジジのアイドル映画以上のナニか、みたいな作品独自の魅力みたいなものに欠けている。アイドル映画にしてはもうひとつ地味だし、ストーリーやキャラクター描写なんかはハリウッドのロマンチックコメディを意識してるんだろうけど、どことなくなんとなく中途半端。
せっかく金城くんがバイオリニストと云う設定なのにそれがイマイチ活かしきれてなかったり。ジジが翻訳家ってのはなかなか活きてたと思うけど。
思うに恋愛映画らしくもうちょっと大人っぽい、色っぽい演出があってもよかったのかな?でも香港映画でこういう女性向け恋愛映画ってホント色気ないよねー。なんで?

そう云えば観終わった後でHPを観たらちゃんと役名がついてたけど、作中には人名が出て来ませんでした。少なくとも字幕には出てなかった。字幕に出てたのは女の中学時代の学生番号784533と男の学生番号763092。電話番号交換するのに名前も書かないってとこが映画っぽい。
杜[王其]峰がこーゆー女性向け映画を撮ってるってのが意外だったけど、常連の林雪(ラム・シュ)がしっかり出ててニヤリとしちゃいました。今回はさすがにヤクザでも警察官でもなくて、びしっときちっとした格好で別人みたいだったよー。こうして見るとこの人なかなか体格良いね。
金城くんにつきまとう女の子役で出てた關穎(テリー・クァン)はベッキーに見えてしょーがなかったな・・・。

しかし金城くんはそろそろこう云うアイドル映画は役不足になって来ましたねー(正しい意味での“役不足”ね)。
陳可辛(ピーター・チャン)の『如果愛』がどんな塩梅か、楽しみになって来ましたです。