百島百話 メルヘンと禅 百会倶楽部 百々物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

前兆の物語。

2022年07月24日 | 百会倶楽部(日本「百」歴史探訪)
百会倶楽部です。

今日の県民福井、東京新聞のコラムから抜粋。

『西遊記』の孫悟空が天界から追放されたきっかけは「桃」だった。孫悟空の天界での仕事は蟠桃(ばんとう)と呼ばれる桃の管理人。この桃には不思議な力があり、三千年に一度だけ熟すものを食べれば仙人になれる。六千年に一度だけ熟すものなら空を飛べ、長生不老の身となれる▼桃管理人の悟空さん、まじめに働いていればよかったが、この桃を勝手に食べるわ、「蟠桃勝会」なる桃の宴会に招待されなかったと腹を立てて大暴れするわ、とやりたい放題。天界の怒りを買い、結局、釈迦如来(しゃかにょらい)によって五行山に五百年にわたって、閉じ込められる▼その桃に長生不老の不思議な力はなかろうが、不届き者に勝手に持ち去られてはたまるまい。桃の名産地山梨県。高級品種「日川白鳳」「みさか白鳳」などの桃が大量に盗まれる事件が相次いでいる▼収穫前に畑に侵入し、まだ青い実をもいでいってしまうらしい。暑い日に寒い夜。丹精込めて育てた桃が持ち去られる。生産者にとってはわが子を連れ去られたも同じだろう。許し難い▼同県では桃に続いて今度は高級スモモの盗難被害も報告されているそうだ。季節に応じて狙いを定めているのか、どこまでも人を食った盗人である▼農家を泣かせる一味が悟空のように退治されることを願おう。桃の香りが漂う平和な「桃源郷」が盗みによって、「桃減郷」となってはしゃれにもなるまい。

先日、山梨県まで出掛けて参りましたが、ちょっと手を伸ばせば桃の掴み取りも可能、そんな桃の果樹園が延々と広がる地域です。

桃泥棒は、ダメです。

今日のコラムは、桃を食べて長生不老となる伝説とモモの時間泥棒を連想させるような内容に感心しました。

桃と百は、より善い「兆」となる共通性があるような気がします。

今は、茅の輪くぐりの季節。

悪疫退散、災難除、夏越大祓いの神事です。

全国の祇園祭も含まれます。

宮中行事においては、百官男女ヘのお祓い。

今に繋がる庶民信仰として、天下万民ヘのお祓い。

息を吹きかける人形代(ひとがたしろ)も登場。

最近、その由来を説明する神社も増えてきて嬉しくなります。

広島県、備後の国の風土記に登場する蘇民将来の子孫也が原典となります。

伊勢でも出雲でも高千穂でもなく、備後の国なのです。

水無月に行う神事なのに、茅という植物は、水辺に生えます。

そして、穢れを茅とともに百々という水に流します。

多分、備後国の桃という水辺または海辺がルーツとなります。

百と桃のより近い善き兆となる前兆の物語です。