千早振る 神代もきかず 龍田川
から紅に 水くくるとは
(在原業平825~880)
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は
龍田の川の にしきなりけり
(能因法師998~1050)
平安の代に、もみぢ葉を浮かべ、唐くれないに染めた龍田川。
令和の今、龍田川を緑で染めて騒がれたのは、入浴剤の成分フルオレセイン ナトリウムを何者かが廃棄した為という。
百人一首のカルタ絵。
業平の装束の黄色と、能因の衣の緑色。
平安の人々も仰ぎみた天の川。
天動説の千年の昔。
時間は、もっとゆっくり流れていたに違いない。
在原業平 生誕1198年。
能因法師 生誕1025年。
七夕や 千年うつす 笹のつゆ
バスクリンの湯船につかれば、思いは、平安時代の龍田川かな。