百島百話 メルヘンと禅 百会倶楽部 百々物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

龍田川

2023年07月06日 | 空木宝剣

千早振る 神代もきかず 龍田川
から紅に  水くくるとは
  (在原業平825~880)

嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は
龍田の川の  にしきなりけり
  (能因法師998~1050)

平安の代に、もみぢ葉を浮かべ、唐くれないに染めた龍田川。

令和の今、龍田川を緑で染めて騒がれたのは、入浴剤の成分フルオレセイン ナトリウムを何者かが廃棄した為という。

百人一首のカルタ絵。

業平の装束の黄色と、能因の衣の緑色。

平安の人々も仰ぎみた天の川。

天動説の千年の昔。

時間は、もっとゆっくり流れていたに違いない。

在原業平 生誕1198年。

能因法師  生誕1025年。

七夕や  千年うつす  笹のつゆ 

バスクリンの湯船につかれば、思いは、平安時代の龍田川かな。