ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

桃李満門

2025年01月28日 | 百伝。

福井県を含めた中部圏の消費市場は、各県のスーパー、ドラッグストアが乱立して、今日はどこで買い物をしようか?と、毎日迷う日々です。

最近の買い物の支払い方法は、時代の流れに乗り殆どがスマホ使用、そうなると自動的に二重取りのポイ活となります。

ところが、九州、西日本を地盤とするコスモスというドラッグストアが本格的に北陸地方に進出してきました。

先日、僕がよく通う買い物圏で2店がオープン、大激戦となっています。

コスモスの商品の値札は全て税込み、ポイントカード無し、現金支払いのみの全国展開です。

ネット決済、ポイ活の時代に逆行しているのに、勢いがあります。

世界には約200程の国があり、商売は国内外全てがデジタル化したネットワークで繋がるビジネス社会の時代です。

ちょっと驚きました。

コスモスの現金商売、どこまでランニングできるのかな?

資本主義、自由経済、消費市場での多様性のある公平な企業経営競争、歓迎します。

ただ、利益分配においては、資本家(経営者)と労働者(従業員)との格差拡大は、反対です。

かつての贅沢品は、今や必需品の消費社会。

消費主義は、ロマン主義と似ていると誰かか言っていました。

現代人は、ロマンという体験を求めているのでしょう。

お金に賞味期限を! 

お金に使用期限を!

そうなると、分配せざるを得ない世界に少しは変わるはず。

出来る限り、公平な分配をしないと、世界は永遠に「楽しくない世界」です。

最近、テレビ、映画で俳優松坂桃李さんをよく観かけます。

TBSの日曜劇場は「御上先生」・・文科省の東大卒のエリート官僚が派遣高校教師となり、上級国民予備軍となるエリートの受験競争、日本教育再生に立ち向かうドラマです。

主演は、松坂桃李さん。

「熱血教師のドラマ番組が放映される年は、学校は荒れる」と御上先生は言っていました。

「実際の日本の教育現場には先生は約25万人、その中にドラマに出てくるような熱血先生はどれぐらい存在するのか? 生徒たちは現実の教育現場の教室に失望するからだ」という理由です。

学校、先生に何を期待するのかな? 

生まれ育ち、家庭環境、学歴、職歴、経歴、その中で大事なのは、生き抜く力、稼ぐ力、笑いあえる力、出し抜く力、助け合う力、求め求められる力、そんな体験。

映画では「雪の花」・・江戸時代幕末の福井藩の無名の町医者笠原良策が、天然痘(疱瘡)の種痘(予防接種)を日本で先駆けて行い、福井藩のみならず日本中を救ったという実話に基づく映画です。

主演は、これまた松坂桃李さん。

映画よりも実話の方が、遥かに深い物語があります。

人生はパワー、気力、ユーモア、少々の使えるお金です。

江戸時代末期の天保年間、日本国中で天然痘が蔓延していました。

1836年(天保7年)、福井藩だけでも人口の3分の1にあたる約6万人が天然痘で亡くなったという記録があります。

そんな悲惨な状況で天然痘予防に精魂果たしたのが、江戸時代末期の福井藩の無名の町医者笠原良策でした。

彼の尽力が無ければ、命のバトンが途切れて、今生きる我々の命が存在していないかもしれないのです。

面白いのは、当時の福井には、独楽吟の和歌、国学者橘曙覧という清貧の人物が暮らしていました。

清貧を貫くには、強い信念と度胸も必要です。

幕末の天才志士、橋本左内を政治の世界に導いたのも橘曙覧。

笠原良策と橘曙覧も、若い頃から交流があり、持ちつ持たれつつの友人関係だったようです。

「楽しみ~」で始まり、「時」で終わる橘曙覧の独楽吟52首から2首。

「たのしみは 銭なくなりて わびをるに人の来りて 銭くれしとき」

「たのしみは 心をおかぬ 友どちと笑ひかたりて 腹をよるとき」

彼らこそ、真のエリートだったのかもしれません。

桜梅、桃李満門