守屋淳氏は、朝日新聞2024年4月6日『渋沢栄一 論語と算盤』記事で、渋沢が「論語と算盤」という言葉に共感したのは、英国商業会議所会員との意見交換の際、「日本人は約束を守らない。あなたの力で改善してもらえないか」と言われた事が背景にあるとし、「当時の日本の商人たちの間には『稼いだ者勝ち』という考え方が広がり、拝金主義に陥っていたため、商業道徳が国際的に問題視されていたからだ」と述べている。
このような件に関係して、「高校日本史教科書」にも「朝鮮における日本人商人の横暴」というタイトルで紹介されている『1881(明治14)年度農商務卿報告』(「明治前期産業発達史資料」)を以下に紹介しよう。
「移住人民の中には無頼の徒も亦少なからず、しばしば韓人を侮慢し、売買の際不整の秤量を用い、不理の利を謀るの悪習なきにあらず。……ややもすれば石戦拳闘(けんか)を伝える、恐らくはこの徒中より醸起するにあらざるなきを得んや。是を以て韓人も亦漸く此等の徒を嫌忌するの念を生ぜんとす。」
上記のような事情から朝鮮では反日感情は高まっていったというのが歴史学では定説となっている。
(2024年4月6日投稿)