
「すみません、灯台まで行けますか」
「私有地なので、行けません」
9月21日、道の駅天領の里(長岡市出雲崎)を訪れた後、海岸道路を南下して柏崎市まで足を伸ばしました。
柏崎市に高浜という集落があるのですが、こちらは私にとって懐かしい場所の一つです。
確か、中学1年生の夏だったと思うのですが、臨海学校でお世話になった土地です。
地元の高浜小学校校舎を借りて、2泊3日の臨海学校だったと記憶しています。
海で泳いで、海水パンツのまま歩いて、地元の方の家でお風呂を借りて、塩っ気を洗い流して宿舎へ帰りました。
あんな格好で、中学生が集団で道を歩いていても、問題のない時代でした。
新潟県は長い海岸線を持っていますが、山育ちの私にとって、まともに海水浴をしたのが、これが初めてでした。
夜になると、遠くに灯台の灯りが灯っていたのを覚えています。
それで、当時見ていたであろう灯台を見学することにしました。
以前、自分の車を持てるようになって灯台付近を訪れたときには、海岸道路を登りきった峠脇に灯台が建っていました。
今回訪れたら、灯台へ続く海岸道路は通行禁止、代わりにトンネルが山を貫いていました。
トンネルを抜けて右折すると、灯台へ続いている旧道へ入ることができます。
峠付近に車を止めて、灯台を見ようと思ったのですが、道路からは灯台が見通せません。
一番下の写真が、駐車した付近の様子です。
ちょうど、軽トラでやってきた女性がいたので、灯台への道を聞いたら、一番最初のような問答となりました。
彼女いわく、椎谷鼻灯台は私有地に建っている灯台なのだそうです、その私有地は通り抜けることができないとのことでした。
それで様子が分かったのですが、幸運なことにその私有地は彼女が所有している農地だったんです。
それで、事情(中学生時代の臨海学校)を話したら、なんと農地へ入れてくれました。
入れてくれましたと言うのは、灯台の近くまで歩いて行くと、灯台の周りはフェンスで目隠しされていて、唯一フェンスへ出入りできるドアには「関係者以外立入禁止」の看板がかかっていました、だから自由に出入りはできません。
そこの鍵を開けてもらって、中へ入って撮影したのが今日の写真です。
なお、一部の写真は、近くにある観音堂へ続く参道から撮影しています。
撮影した後、彼女と後からやってきた旦那さんと少し立ち話をしました。
なぜ私有地に灯台が建っているかというと、先代の灯台が中越地震で壊れてしまって、新たな灯台の建設地として彼女の農地に白羽の矢が立ったのだそうです。
したがって、中学校のころ見た灯台は、既になくなっていることが分かりました。
また、当時の高浜小学校(木造でした)は建て替えてしまって、こちらも既にないそうです。
彼女によると、灯台ファンが灯台の銘板を撮影したくて、結構通り抜けを依頼されるそうです。
また、灯台の所有者である海上保安庁、あるいは灯台をメンテする業者も、事前に彼女の許可を得て(一週間くらい前に通知されるそうです)、農地を通り抜けるそうです。
しかし、私有地に建つ灯台というのは初めて聞きました、灯台へ寄ったおかげでしばし面白いお話を聞くことができて、ラッキーでした。
お二人のお名前もお伺いしませんでしたが、お礼を申し上げたいと思います。
ちなみに、この灯台はFRP製だそうです。
さて、台風24号がこれから新潟へ近づいてきます。
明日の朝は、JR東日本が12時ころまで列車の運行を取りやめると予告してくれたので、無理をして出勤しなくて済みそうです。
ひどい被害が出ないことを祈りばかりです。





