■瞑想 / 尾崎亜美 (東芝)
今日から3月、半分寒くて、半分は暖かい、そんな時期に聴きたくなるのが、本日のシングル曲「瞑想」です。
歌っているはご存じ、我国のニューミュージック確立に貢献し、また現在ではソングライターとして多くの女性シンガーやアイドルへの名曲提供でも忘れられない尾崎亜美のデビュー盤として、昭和51(1976)年3月に発売されたものです。
その幾分曖昧な曲メロを完全に活かしているのは、松任谷正隆のウキウキするようなアレンジで、実際、これほど気持良いエレピが使われたリズム隊のグルーヴは、当時の我国では画期的だったと思います。
もちろんそれはユーミンの諸作で試みられていたものですが、この「瞑想」は尚更にリズムとビートの享楽が素晴らしく、加えて尾崎亜美のちょいと甘えた歌い回しがジャストミート♪♪~♪
当然ながら所属レコード会社も同じということで、ユーミンの妹分という位置づけから、その頃にはアーミンなんて呼ばれていましたですね。
ちなみに演奏パートには松任谷正隆(arr,key)、松原正樹(g)、林立夫(ds) 等々の所謂キャラメルママ~ティン・パン・アレイ系のメンツが参加しているようですが、このあたりのサウンド作りが後の歌謡ポップスの標準となったとはいえ、それにしても「瞑想」で聞かれる浮遊感満点のグルーヴは驚異といって過言ではありません。
その軽さがクセになるんですよねぇ~~♪
告白すれば失笑寸前のジコチュウな歌詞はさて置いても、演奏とボーカルの雰囲気の良さだけで、サイケおやじはシングル盤をゲットさせられたのです。
そして夏頃に発売された、この曲を含む尾崎亜美のデビューアルバム「シェイディ」を聴くと、失礼ながら相当に無理した歌作りが感じられ、結局は、このシングル盤だけでOK! なぁ~んて不遜にも思ってしまいます。
ただし尾崎亜美の特質は、その素直なメロディセンスでもあって、それゆえに自然体で作られたと思われる名曲の数々は、あえて曲名はあげませんが、侮れません。
そのあたりは好き嫌いが十人十色の感性でしょうし、そうやって楽しむのが「音楽」だと思います。
ということで、ちょうど今頃の季節にぴったりのジャケ写も素敵な「瞑想」を、私は楽しんでいるのでした。