■Rock And Roll Music / The Beatles (Parlophone / 東芝オデオン)
昨日の続きというか、ロックは決してエレキギターだけじゃ無い!
それを最初に教えてくれたのが、ビートルズの「Rock And Roll Music」でした。
ご存じのように、この曲はR&RとR&Bの偉人たるチャック・ベリーのオリジナルなんですが、やはりサイケおやじの世代にとっは、このビートルズのカパーバージョンが最高に印象的じゃないでしょうか。
と言うよりも、これが我国でピカピカの新曲として世の出た昭和40(1965)年春には、同時に発売された「No Reply」と「Eight Days A Week」のカップリングシングルよりもウケまくっていました。
ちなみに、そのカップリングシングルは、もちろん英国ではリアルタイムでイチオシの新曲でしたが、「Rock And Roll Music」は同時期のLP「フォー・セール」収録曲だったという事情も、今となってはご存じのとおりなんですが、実はイギリスではクリスマス商戦用のアイテムとして前年12月に発売されていたものが、日本では翌昭和40(1965)年3月に出たのですから、「Rock And Roll Music」は見事に先行シングルの役割を果たしたというわけです。
ただし、当時の社会状況を思えば、ほとんどの少年少女はLPをすんなりと買えるはずもなく、そこで有用だったのがシングル盤だったのですから、その強烈な印象は尚更だったと思います。
また同時期に発売されたシングルが、やはり痛快R&R「のっぽのサリー」でしたから、この頃のビートルズと言えば、ガッキガキに煩いロックバンドというイメージが一般的になっていったのでしょう。
で、この「Rock And Roll Music」はアップテンポでシャウトするジョンのボーカルが最高の極みなんですが、ファンの気分をもうひとつ盛り上げてくれるのが、飛び跳ねるピアノでした。
もちろんエレキギターやビシバシのドラムスもR&Rそのものだと思います。しかし少年時代のサイケおやじは、未だリトル・リチャードもファッツ・ドミンも、さらにはジェリー・リー・ルイスも知らなかったのですから、こういうウキウキと楽しいピアノのロケンロールなんて初体験でしたねぇ~~♪
う~ん、流石はビートルズっ!
そこで気になるのは、誰がピアノを弾いていたか?
これにはふたつの説があり、有力なのはプロデューサーのジョージ・マーティン説であり、もうひとつがポール説なんですが、どうなんでしょうかねぇ。
そういうナゾナゾの楽しみを与えてくれたのも、ビートルズの素晴らしいところだったように思います。
そして何かピアノっていうと、クラシックやジャズのイメージを強く持っていたサイケおやじの先入観を、これほど見事にひっくり返してくれた歌と演奏もありません。
当然ながらラジオで聴いた瞬間、絶対にレコードが欲しいと決意させられましたですねぇ~♪
それが昭和40(1965)年の、ちょうど今頃の時期だったというわけです。
時の経つのは早いなぁ~~~~。