OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ロックバンドはキッチュな衣装も芸のうち

2011-06-06 15:24:44 | Rock

Good Lovin' / Young Rascals (Atlantic / 日本ビクター)

反体制がひとつのウリだったロックと言えども、しかし1960年代は、それなりの衣装がライプの現場では必須とされていました。特にバンドスタイルのグループでは、まさに揃いのユニフォームが絶対条件!?

例えば本日掲載したヤング・ラスカルズのシングル盤ジャケ写に登場するメンバーは、丸く大きなカラーのシャツにネクタイを着用するという、今となっては何ともキッチュな佇まいが失笑物かもしれませんが、これはこれで必要な過去というか、味わい深いんじゃないでしょうか。

ちなみにヤング・ラスカルズとは、巷間広く知られているラスカルズのデビュー当時のバンド名であって、この「Good Lovin'」は1966年春に全米チャートのトップに輝いた代表曲♪♪~♪ 当然ながら、持ち前のブルー・アイド・ソウルな風味が全開の名唱名演に仕上がっていますよ。とにかく聴いていただく他はありません。

で、最初の話に戻りますが、このバンドの揃いの衣装という「制約」は殊更アメリカで強く、それは所謂ハコバンであっても、クラブやキャバレー等々の飲食を伴う店での仕事や地方巡業では、ジャケットとネクタイが義務づけられていたのが、芸能界の掟だったのです。

それを知ってしまえば、有名なジャズメンのライプ写真のほとんどがスーツやタキシード姿であったり、あるいは黒人R&Bの一座では、そのバックバンドまでが揃いのお仕着せという仕来たりも納得出来るところでしょう。

しかしロックというイメージ的に自由度の高い音楽においては、普通のスーツ姿というのは明らかに違和感が強いという事でしょうか、例えばビートルズの襟無しスーツやスモール・フェイセスの個人主義的なファッションスタイルが目新しくあれば、他のバンドも追従しなければなりません。

ですから、キッチュであることがすなわち、カッコ良すぎる存在証明!?

まあ、このあたりは同年に花開いた西海岸でのサイケデリックロックブームによって、尚更に自由なファッションや当時としては破天荒な着こなしが若い世代によって認められ、妙に時代遅れの象徴にもなるんですが、今となっては懐かしくも素晴らしいものだと思います。

そして、こういう感慨深さがあるからこそ、ピクチャースリーブ付きのシングル盤や大きいジャケットが眺められるLPというレコードの世界は不滅なんでしょうねぇ~♪